2013/03/01
言葉は旅人、川を流れる石のように形も変えます。
(↑ 和田先生撮影 藤織り伝承館 展示)
聞き取りの相手の事象、年齢、性別、職業など不明ですから、批評はできません。それにしても、興味深い物があります。
まず、木子では、「でぼこぼ」といっているのに、読本では「でこぼこ」。
(↑ のうたけ)
「でぼこぼの道」と「でこぼこの道」
出るくぼみと引っ込むくぼみあわせるなら、でぼこぼ!荷車を引いて歩く抵抗感の生々しさが漂うきがします。後者はリズミルですっきりしています。どちら古いかと言えば前者じゃないですか。
二つ目、
木子で、「きやけ」と言っているのに読本では「けやき」。ケヤキは全国的にケヤキだろうと思いきやそうではない!家の大黒柱として特別な木、「おんな」を「なおん」というような「特別語」なのかもしれません。
わたしは、これから「でぼこぼ」「きやけ」とガイドします(^.^)
植物・動物に関しても、統一される以前の言葉が採集されています。
木子言葉 読本語
くさびら きのこ ※
(↑ ナメコ)
じざい どんぐり
すもとりばな すみれ
つんぶり かたつむり
だんがめ かめ
どんぼ とんぼ
また、この花、ゆり、
百合は、「ゆる」と言いました。揺れるはな、と言う意味でしょう。
私たちがどこから来たのかも、土地の言葉はヒントを残してくれています。
蛇を「おおくちなわ」、かたつむりを「つんぶり」など古語が多いのも特徴。スミレをすもうとりばなというのは、花を引っかけ合って勝ち負けを競って遊んだことから。全国各地にあるようで、、出雲では「土手に、えっぱい、すもとりばながさいちょったじ。」とつかうそうです。また、広島県三次市甲奴町では、スミレをすもとりばな、亀を「どんがめ」といったり、その他、もぐらを「うごろ」、ぶゆを「ぶと」、カエルを「ぎゃーる」、イモリを「イモラ」、蛇を「くちなわ」など、それらはこちらと同じです。木子や丹後人のルーツはそちらの方かもしれません。
※ くさびらときのこには区別があるという説もあります。
きのこには、土に生える茸、 松茸、網茸、初茸、ショウロなど菌根菌と 木に生える椎茸、マイタケ、ナメコ、クリタケなど腐朽菌とがあります。前者を「くさびら」後者を木の子と区別したと。同一の物になっているようです。