『火星は東に 月・木・金は西に 愛し家内を真ん中に』
2012.3.27
夕焼けのかぎろいを吸い取るかのように青みを増す西の空に輝やく天体が三つ。まだ冬木立のこずえにかかる下から木星、金星、そして月。迫力満点の天体ショウです。26日夕方から夜にかけては、等間隔でほぼ一直線に並んでいました。この現象、七年ぶり、04年11月以来のことなのだそうです。
東の空には、もう一つ明るい星。火星です。この火星は、軌道が楕円なので年によって接近する距離が変化するのが特徴です。今徐々に地球に近づいているといいます。前回の大接近は2003年。9年ぶりです。
ここで一句! 『火星は東に 月・木・金は西に 愛し家内を真ん中に』
火星も月も金星も木星も美しく明るく輝いているがうちの嫁さんは、それよりもっと美しく明るく輝いているぞ、という意味!
それにしても、 「月は東に昴は西に、いとし殿御はまん中に」(※与謝蕪村「菜の花や 月は東に 日は西に」の制作に影響を与えたとされる丹後の古謡)。この表現のあけすけで大胆で熱烈なこと。古謡にはこんな句もあります。
◎ 器量に迷わず 姿にほれず わたしゃ あなたの気にほれた
◎ お前さんとなら 味噌漉しさげて おから買いでもいとやせぬ
◎ 好きな殿御に添わしておくれ 親に一代添わりゃせん
など。
◎ あんた死んでも 墓へはやらぬ 焼いて粉にして 白湯で飲む
の愛情表現にいたっては、与謝野晶子も顔負け。「忍」のイメージで丹後の女を語る人もあるようです。丹後を支えたのは確かに女性、自分をしっかり主張する力があったからのことなんだとこれらの歌は語っているようです。
そうそう、木星・金星・月、この列に火星が加わるんだそうですよ。15年11月に。