古文書や伝承の伝える地震や津波が、東北大震災や原発事故を契機として、ボーリングなどによって調査が行われ、事実だったと判明したという事例が相次いでいます。
リアス式海岸の美しい若狭湾に浮かぶ冠島、沓島。
この島を巡っても、巨大地震があったことを年月を明記した記録があります。その古文書は丹後風土記逸文。次のことが綴られています。
まず、“凡海(オホシアマ)”と言う大きな島が存在したこと。
「凡海と称する所以は、古老が伝えて曰く、昔、天下を治めるに当たり、 大穴持命と少名彦命が、この地に到った時に、海中の所在する大嶋、小嶋を引き集め、およそ小嶋10個を以て、ひとつの大嶋となした。それで、名を凡海という。」
次に、その島が大地震に遭遇し、海に消えてしまうほどの自身に見舞われたこと。
「時に、大宝元年(西暦701)三月己亥、当国に地震あり。 三月震れ続けた。この嶋は一夜にして見渡す限り青々として広々とした様子に変じ、海となった。漸く、わずかに、嶋中の高い山、二峯がともに立ち、神岩が海上に出た。今、常世嶋と名づく。亦、俗に男嶋女嶋と称す。嶋ごとに神祠がある。祭る所の者は、天火明神と日子郎女(いらつめ)神なり。」
天地をつなぐ橋であったが、それがある日突然落ちてしまって今の天の橋立ができたと語る橋立起源譚も天変地異を想像させます。
それにつけて思うのは、木子の地層、
褶曲したり傾斜した地層やその地層を割る断層!
素人目にはこれがかの天変地異に相当する地学的な根拠になるのではないだろうか、と思われます。
若狭湾に原子力発電所を集中立地させているのは異常だと思わざるを得ません