「農林業を通じた里地里山の利用が減少している中で、「人の働きかけ」を回復させるための方法のひとつとして、里地里山に生息・生育する野生生物に着目し、特定の生きものをシンボルとする農林水産物等のブランド化、観光(エコツーリズム)、環境教育プログラムなど、各地域における社会経済活動と関連づけることは効果的です。」と環境省 自然環境局 のHP「里なび」。ここに全国の「野生生物の利活用による地域づくり」の事例がアップされています。例えば、コウノトリ、トキ、オオムラサキ ゲンゴロウ ホタル メダカ アマモ等。 ※http://www.satonavi.go.jp/wildlife/ で検索できます。東京農業大学農山村支援センターの出川真也先生たちが集約されていると言うことです。
そこに、世屋ナデシコの保全活動も連れにしていただいております。
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(2)-2)③観光利用を企図した保全とネットワークづくり
(京都府宮津市エコツーリズム協議会)
ナデシコを里山再生のシンボルテーマにして里地里山の保全整備を進めると共に、地域PRやエコツアーに活用する。
a.取組の背景と経緯
京都府宮津市世屋高原の棚田では、かつては夏になると畦一面にナデシコの花が咲くのがみられた。しかし、近年は過疎化に伴う休耕田の増加や人の手入れが十分に行き届かないため里山が荒廃し、雑草等に飲み込まれるなどしてその数を減らしており、道端にわずかにみられるのみとなってしまっている。
この地域で自然観察会を開いている宮津市エコツーリズム推進協議会では、2011 年サッカーワールドカップ女子の活躍に着想を得て、「足元の名付け親を救おう」との思いからナデシコの保全活動に取組始めた。
b.活用の方法
■地域PRや里山再生のシンボル活用
保護増殖活動をホームページで紹介し地域や里山再生のシンボルとして発信。希望者には採れた種子を送付している。
■ツーリズムへの活用
駅待合室での種子の配布やホームページ等での発信活動を通じてPRしツーリズムへの活用を図っている
c.保全活動や野生生物への効果
群生地の周りの草刈りが進み、周辺の農家の理解と協力が進みつつある。また種子の採取による保護増殖も確実に進められており、配布活動を通じた全国の保護団体との連携による保全活動の拡大が期待されている。
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万葉の時代から今日まで、文芸や絵画に取り上げられ里山文化としては重要な花です。
子規さんは大のナデシコファン
◇撫子や 吾に昔の 心あり
◇喘ぎ喘ぎ撫し子の上に倒れけり
◇撫し子やものなつかしき昔ぶり
◇児も居らず愛子の村の野撫子
◇蝶一つ撫子の花を去り得ざる
◇撫子の花にあはれや蛇の衣
保全といっても、背丈の低い草ですので、一に草刈り二に草刈り、草刈りに尽きる訳です。冬は、雪の下。半端じゃないのです。下は、上の写真と同じ場所。
そうして咲いたのを見るとうれしいもんです。
この楽しさ、お分けしますよ、
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