「たなばた」飾り!
七月七日、里に咲くのはヒオウギズイセン
ヤブカンゾウ!
織り姫様は、こんな色あざやかな布を織られたのでしょうか。
さて、たなばたは「棚機」。
(↑ 松本市立博物館)
それを「七 夕」の文字を当てるのは宮中で七日の夕方にたなばたの宴が開かれたからということ。ではどんなことをこの日に行っていたのか、藤布を伝え、丹後縮緬の産地にいるものとしてはちょっと興味があります。
そこで、七夕リサーチ!
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文化庁が昭和37年から昭和39年にかけて全国1342カ所で七夕行事も含む民俗一斉調査を行ったのだそうです。、民俗学者の石沢誠司さんが、その結果をもとに、各地区で行われていた日本の七夕行事を抜き出して集計し、数量的に表されています。、、、、これは興味深いので頂きます!
それによると
第1位 七夕竹を立てて短冊などを結びつけ、七夕飾りをする(281ヵ所)
第2位 だんごや赤飯など特別な食物をつくり供える(264ヵ所)
第3位 墓掃除をおこない墓への道をきれいにする(171ヵ所)
第4位 初物の野菜、果物や粟・きびの穂などを供える(96ヵ所)
第5位 井戸替えをする(66ヵ所)第6位 水浴びする、7回水浴びする(56ヵ所)
第7位 真菰や藁などで馬をつくる(36ヵ所)
第8位 虫除け・虫送り・虫干しをする(34ヵ所)
第9位 女は沼や川で髪を洗う(21ヵ所)
第10位 ネブタ祭り、ネブタ流しをする、ネムの葉などで目をこする(18ヵ所) 第11位 牛を川や池で洗う、泳がせる(17ヵ所)
第12位 物を洗うとよく落ちる(14カ所)
第13位 雨が降ると良い、雨がふると悪い(計13カ所)
第14位 着物を供える、晴着を着る、着物を着替える(12ヵ所)
第15位 小屋や宿で子供たちが集まって、泊まったり会食をしたりする(10ヵ所)第16位 色紙で着物を作って飾る(6カ所)
第17位 七夕船を作り、川(海)に流す(4ヵ所)
第17位 相撲をとる(4ヵ所)
第17位 稲田をほめてまわる、田ホメ(4カ所)
第17位 奉公人の出がわり、下男が仕事から解放される(4カ所)
ということです。
※日本人と七夕 ー『日本民俗地図』
www.geocities.jp/seijiishizawa/…/japanese-to-tanaabta.html
短冊を七夕竹に飾る以外にさまざまなことが行われたのが七月七日だったのです。
ちなみに七夕飾り、「竹飾りは江戸時代に都市で発生した風俗であり、これが徐々に農山村に伝播していった」と言うこと。また願い事が強調されるようになったのは最近のこと,かっては字の上達、書き初めに似たようなものだったようで、石沢さん、次のようにまとめてくださっています。
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「七夕様には家庭で色紙を短冊に切って、筆で七夕様に関する種々の文章を書いて、青竹の笹の枝に結び付け竹飾りを行なう。七夕様に書く墨水はさといもの葉にたまった水を取ってきて墨をする習わしである」(栃木県足利市本町)、「星祭りをする。色紙で短冊を作って天の川などと書き、竹笹の葉に結びつけて高く掲げる。子供らは芋の葉の露で墨をすって書く。字が上達するという」(埼玉県狭山市北入曽)などが代表的な例で、竹飾りには、(1)色紙で短冊を作り、(2)里芋などの葉の露で墨をすり、(3)天の川や七夕の歌などの文字を書いて吊るす、ことがセットになっていることが多い。
ところで短冊にどんな文字を書くかについては、「天の川や七夕様、歌やいろは家族の名前」(香川県豊中町比地大)、「七夕の歌の本があってそれを書く(内容は俳句・詩)」(栃木県足利市高松)、「川の名、百人一首の歌を書く」(群馬県中之条町蟻川)、「短冊に古歌や格言を書いて笹に吊るすと、習字が上達すると言い伝えられている」(香川県満濃町吉野)などが一般的なところである。こうした文字を書くと習字が上達すると云われていた。・・・・・
ところで、なぜ飾りは竹に結ぶのか、それについての言及は見当たりませんが、かぐや姫同様に著しい成長力を持つ竹に神秘な力をみていたということは間違いありません。それにしても、今年は台風の話で持ちきりで、七夕を楽しむ雰囲気ではありません。