雪の上って0度、のはず!
セッケイカワゲラはその上を歩いていきます。
02/21 13:15:12の位置。
携帯は右端上。かわげらのAくんは、左端中央、わかりますか?。その距離約2メートル。それが分速だとすると、一時間後には120m移動可能。
小さな体の温度も、低温のはず。それでもこれだけ動くことが出来るのは不思議なことです。
彼らの住み処は棚田の沢。
産卵のために上流をめざす、ということですが、位置と方角を確認する力も備えているというのですから、ますます不思議ないきものです。
さて、セッケイカワゲラのふしぎ、今しかたのしむことできません、ガイドさせていただきますよ、こ゛連絡ください。ながぐつ、必携!
さらに、棚田いく世屋バス、
いろんな角度から撮影可能ですよ。
小さな小虫のためにわざわざ狭い道をくねくねといく値打ちがあるとはとても信じられないという向きもあるかも。
でもですね、この虫との出会いで、京都大学の日高敏高先生に認められ卒業論文を物し、雪氷生物学の世界を切り拓かれた方がいらっしゃるんですよ。
辛島四郎さん(東京工大)がそのひと、その頃のことを、こう語っていらっしゃいます。※
「僕は一年の半分は山に行っていたので、研究室に籠もって実験することが出来ない。そしたら日高先生が「何でもいいから山で不思議な現象を一つ探してこい」と。「そんなこと言われてもなぁ」なんて思っていたんですが、雪山に行った時でした。ふと「この辺りは夏の間、虫がたくさんいるのに冬の間はどこにいるんだろう」と不思議に思ったんですよ。日高先生にそんな話をしたら、シベリアなどで冬眠する虫は、血液の中にグリセロール(グリセリン)をたくさん放出して、血液が凍らないように調整している、というんです。例え凍ってしまっても、細胞膜が傷つかないように粒子が丸く凍るような仕組みがあると教えていただきました。また高山帯に生息する蝶など、寒冷地に生息する昆虫は、日に当たって体温を上げないと飛べない。つまり寒い時は温かい所に、暑い時は涼しい所に移動しながら自分の体温を調整しているんです。面白いでしょう?
そこで改めて冬山の雪の上を観察すると、なんと雪の上にも虫がいることに気付いたんです。初めて雪山で見付けた虫が、僕が卒業論文で研究したセッケイカワゲラでした。セッケイカワゲラは、カワゲラの仲間で体長1センチくらいの、羽根が無い真っ黒い虫です。初めて見た時、こんな小さな虫が、どうしてこんなに寒い中を動けるのだろうかと思いました。そこで改めて冬山の雪の上を観察すると、なんと雪の上にも虫がいることに気付いたんです。初めて雪山で見付けた虫が、僕が卒業論文で研究したセッケイカワゲラでした。」と。 ※