上世屋にリンゴか゛咲けば初夏。
加悦にアップルファームがあるように、リンゴ栽培は山口県、宮崎県まで、広がっています。寒冷な上世屋でなら、なおいいだろうと植栽が試みられたものです。リンゴは、柿のようにうえときゃあなるというものでなく、暖地で口に入るまでにするにはなかなかの病虫害対策が必要ということで、それでも植えられた木はケナゲにも、花を着け続けています。
島崎藤村の「初恋」の詩を裏支えしているのはリンゴの花。
、、、、、
まだあげ初めし前髪の林檎のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛の花ある君と思ひけり
やさしく白き手をのべて林檎をわれにあたへしは
薄紅の秋の実に人こひ初めしはじめなり
わがこゝろなきためいきのその髪の毛にかゝるとき
たのしき恋の盃を君が情に酌みしかな
林檎畑の樹の下におのづからなる細道は
誰が踏みそめしかたみぞと問ひたまふこそこひしけれ
、、、、
じゅうぶんに見応えのある色でこんなにロマンチックな花です。サクラのように花だけでもじゅうぶん価値があるので、実は辛抱して棚田跡の荒廃農地には、花リンゴ、さらに植え続けてリンゴ色に染め上げたらどうじゃロウ!
信州で栽培が始まったのは明治7年、特に生糸相場の停落で、急激に拡がり産地になって地域を活性化したのだということ。オリーブ栽培の木子高原での挑戦もそうですが、どこでもなんでもまずは夢の花がぴこぴこするところから、物事は始まっています。