世屋高原休憩所のフジ棚の藤が満開。
さて、花に託して人間を描く達人、情熱の歌人与謝野晶子さんによって描かれた藤の花。
■ 紫の 藤の花をば さと分くる 風ここちよき 朝ぼらけかな 『火の鳥』
■ 春よ老いな 藤によりたる 夜の舞殿(ぶでん※1)の ゐならぶ子らよ 束の間老いな 『乱れ髪』
■ いつしかと 紫の藤 ちるごとく おとろふること 今にいたりぬ 『春泥※2集』
■ 藤の花 わが手にひけば こぼれたり たよりなき身の 二人あるごと 『青海波』
■ あづまやに 水のおときく 藤の夕 はづしますなの ひくき枕よ 『蓮の花船』
■ 御袖ならず 御髪のたけと きこえたり 七尺いづれ しら藤の花 『蓮の花船』
※1 舞殿(ぶでん)神社の境内に設けた、舞楽を行うための建物 。神楽殿。
※2 春泥(しゅんでい) 春の、雪解けなどによってできたぬかるみ。
一方、正岡子規さんは写生そのもの。
「百花の 千花を糸に つらぬける 藤の花房 長く垂れたり」と。
藤棚の下にゴザをしいて、花見歌会をやりませんか、「わたしたち」も。花 は湯がいて三杯酢や天ぷらにて゛きますし塩漬けを寿司ご飯にまぜるとか、その他、藤シャーベットや藤シロップ、クレープて゛フキジャムをまいて藤の花添え、なども。話がまとまれば、そんな「里山ふし゛の花弁当を特注しますよ。