さて、これは、、、
花姿のよく似たアヤメ、カキツバタ、ハナショウブ、それを見分けるのは、「花弁の根元の模様」を見ろということです。「白い目型の模様」はカキツバタ。「網目状の模様」はアヤメ。黄色い目の形の模様があればハナショウブ。
だから、これはハナショウブ。確かに違います。それはそれでいいのですが、おもしろいのはその花の形の構造と仕掛け。
この三つの花はいずれも虫を呼ぶ、虫媒花。だから、雌しべや雄しべがあるはず!サクラのような花をイメージしているなら、どこにあるんだ?と悩みます
秘密は、「花弁の根元の模様」にあるということです。その模様、「蜜標」といいます。蜜を吸いにやってくる虫に蜜の在処を教える道しるべ。その蜜標を覆っている花びら状のもの、それが、雌しべの一部である花柱。雄しべはその花柱の屋根の下に一本 蜜標でおびき寄せ、もぐり込むと同時に花粉をつけるという仕掛けなんです。花びらのように見える一番下で垂れ下がるように開いている大きな3枚、これはもともと萼(がく)。花びらは、一番上で立っている3枚だけが本来の花びら。