「ヒルガオや この道唐の 三千里」
蕪村さんってすごい人です!
この 「ひるがお」をどこでみられたのかは不明てすが、三千里、群生を想像させる言葉ですから、おそらく阿蘇海あまのはしだて周辺の海岸ではなかったでしょうか。ハマヒルガオとヒルガオの区別が当時厳密にされていたのかもふめいということもありますから、この「ひるがお」は「はまひるがお」と解釈していいのではないでしょうか。
ちなみに浜ヒルガオ、、、北からきたものか南からきたものかというと、南からと『海から来た植物 -黒潮が運んだ花たち-』(中西弘樹著)はおっしゃいます。「唐」という海の向こうの國を、山の畑の畦道では思いにくいじゃないですか。
さて、「容貌」、これは「ようぼう」と読みます、見目麗しさを意味します。容も貌も「かお」と読みます。つまり、容花もかほばな、貌花もかほばな。つまり、あさのかお、ひるのかお、ゆうべのかお、のかおは「顔」ではなく「容」もしくは「貌」をあてるべきなのです(^.^)
高円の 野辺のかほ花 面影に
見えつつ妹は 忘れかねつも
(万葉集巻8-1630)
あんたは野辺に咲きにおう『かお花』のようにかわいいよ(大伴家持)
また、蔓ではあっても樹や草にまきつきません、地をはうようにひろがっていく、こういうひろがりかたをする植物を匍匐性植物といいます。
人はその様子をみて、身を隠し、危険をさけて敵に近づく様子を「匍匐前進」といいましたが、ハマヒルガオは銃剣などは担わずに平和にひろがっていきます。若者に銃を背負わせ「匍匐前進」させるなんてことは絶対にあってはならないと、ハマヒルガオはいっているようです。