新しく増えた家族とともにまもなく南に渡るツバメたち。
「ツバメは人と自然の共存を考えるうえで重要な指標となる生き物」と 日本野鳥の会。しかし、「農業の衰退によってエサ場となる水田や耕作地の減少、巣作りに適した日本家屋の減少、原発事故による影響」など、一歩的な人間都合による関係悪化があるなかで、いまでも「人と自然の共存」の原点を大切にする農家でのツバメの育雛を毎日新聞がレポート。
ツバメ信仰があると安部記者。たしかにたくさんの言い伝えが全国にあります。
「ツバメ」が巣をかける家は縁起が良い。(千葉、新潟、愛媛、宮崎など) 「ツバメ」が巣をかける家は吉事がある。(茨城、愛知、香川) 「ツバメ」が巣をかける家は病人が出ない。(栃木、千葉) 「ツバメ」が三度巣をかけると千万長者になる。(愛知) 「ツバメ」の巣が多いほど、その家は繁昌する。(栃木) 「ツバメ」が家の中や座敷に巣をかけると最高にめでたい。(宮城、石川、福岡など) 「ツバメ」が自在カギに巣をかけると金持ちになる。(長野) 「ツバメ」は衰える家には巣をつくらない。(山形) 「ツバメ」は火事を出す家には巣づくりしない。(秋田、山形、愛知、山口など) 「ツバメ」は田の神様を負うてくる。(広島) 「ツバメ」が家の軒に巣をかけると豊作。かけぬと不作。(長野) ・福島県耶麻郡では「ツバメ」が巣をつくるとアズキ飯を炊いて祝った。 ・新潟県南魚沼郡では「ツバメ」は大神宮様のお使い、つまり穀神のお使いだと考えられていた。(以上「鳥のことわざウォッチング」) 「ツバメ」が低く飛ぶと雨。 「ツバメ」が高く飛ぶと晴。(雨が降る前は水面近くを多くの昆虫が飛んでいるからだろう。) 「ツバメ」が巣をつくる家は縁起が良い。 「ツバメ」の巣が多いほど繁昌する。(実は「ツバメ」の方が人の出入りの多い家を選んでいる。) 「ツバメ」が巣をつくった家は火事にならない。 「ツバメ」が巣をつくらなくなったら火事に気をつけろ。 「ツバメ」を殺すと火事になる。 •(ツバメが巣をつくるような家の中をきちんとしている家なら火事もおこらないといういましめの意味もあるようです。)また火と結びつけた言い伝えが多いのは「ツバメ」の喉が赤いからだという説もあります。
(あすなろう書房「ツバメのなかまたち」)
以下、ツバメの基本情報。
①雛に餌を運ぶ回数、
「子育て中の親が餌を運ぶ回数は、1時間当り約40回です。この時期1日の活動時間は13時間で、1日に520回(40回*13時間)即ち520匹の虫を子ツバメに与えます。一つの巣で繁殖する子ツバメの数は平均5羽ですから1羽当り1日に104匹(520/5)の虫を食べる計算になります。親ツバメが自分で食べる虫は、子ツバメの2~3倍とすると200~300匹と想像されます。」
(「多摩の動物群像」金井郁夫著(かたくら書店新書)
②飛び去ったあと、来春また帰ってくるのか
『「ツバメやコウノトリは、生きている限り、前年と同じ巣に戻ってくる傾向がある」(「鳥たちの生態学」/樋口広芳)という説があります。足輪をつけて調べた報告によると次の通りです。足輪をつけた親ツバメ240羽のうち、翌年戻ってきたのは54羽(22.5%)です。そのうち、同じ巣に戻ったツバメと、違う巣に戻ったツバメは、ほぼ同数でした。』(「多摩の動物群像」金井郁夫著(かたくら書店新書))
以上「ツバメQ&A」kawasemi.fan-site.net/research/tubame/tubame、日本野鳥の会HPなどで更に詳しくご覧いただけます。