池面に紅いのは、、
(↑ 大宮町河辺 天竜寺派禅寺万寿院)
それを見てなのか、山のリンドウも開花ホルモンを分泌しはじめました。
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『自然と暮らしの世界へ~扉を開く鍵~』※京都新聞 投稿えッセー 再掲
里山ガイドの前には季語や俳句をチェックします。自然と共にした暮らしから生まれたそういう言葉は、季節の実感があり、自然と暮らしの世界への扉を開くアイデアをくれるからです。例えば植物の名前。標準和名以外に別名がたくさんあります。万葉集に最も多く取り上げられているという意味で秋の七草の代表格、萩でみると、月見草という別名。これは、月夜見の命へのお供え花。他にも「しかなぐさ」、鹿鳴草 と書きます。この花が咲く頃は鹿の繁殖期。「こそめぐさ」 ともいいます。 紅染草、この花で紅色染めをしたのでしょうか。 お月見、鹿、花の色と広がる話題、今度は別名から標準和名を創造してもらおう!そうなると予定日が待ち遠しくなります。
さらに俳句の集大成、歳時記をめくります。夏では、例えばネムの花。ポイントは人口に膾炙したものでないのが大切。とはいうものの松尾芭蕉翁の、「象潟や雨に西施がねぶの花」、この句の前後に合歓なし、の感があります。が、実はあるのです。正岡子規さんの句。「誰か魂の夢を咲くらん合歓の花」。メモしてポケットに入れます。魂の夢を咲く花かあ!感動しておいてから、花と言っても、花びらは無し、美しいピンク色の蘂は雄しべ、白髪のようなのが雌しべなんですよと続けよう。
また、7月の若竹、涼しげで、ぐんぐんと天を目指すかのように勢いがあって、青年かくあるべしといった風情は最高の素材。同じ子規さんですが、「若竹の 直を心と のびる哉」。農村に子どもの声が溢れていたころだからこそ出てくる着想かもしれません。小林一茶さんも一句ひねらないはずはありません、「せい出して そよげ若竹 今のうち」
さて、 いよいよ秋。年の終い花はリンドウ。
◆ 竜胆もて 恋文書いて みようかな 指尾直子( 雨月)
◆ まぼろしに 千代子唄声 濃りんだう 西田史郎 (璦)
こんな句をポケットにいれて、ガイドに出ようと思っています。
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10月、ことしの花のリレーのアンカーたちがはしります。
リンドウは、時の早さに青ざめて 世屋野蕪村