宮津エコツアー · カビの色素~ススキの赤い髄の秘密~

カビの色素~ススキの赤い髄の秘密~

ススキ、美しいわぁ、、

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が褒めている場合じゃないんです、これは、イノシシの茅葺きの家なのです、除伐!

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さて、稈の切り口を見ると、真っ赤になっているものが!

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どれもそうかというとそうでもない、

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はて?~ここは問い合わせるしか無い~こういう同じ疑問を持った方は他にもあって、
JSPPサイエンス・アドバイザー勝見 允行さんは、「おそらくカビの色素だと想像します。」として、こう回答されていました。

「さて、ご質問の件ですが確かにススキや茅の茎(悍)の切り口(内部の随の部分)は赤いことがありますね。トウモロコシでも見たような気がします。
植物の組織に赤い色がつくのは一般にポリフェノールとよばれる物質の仲間によるものですが、ススキの赤色はむしろ鮮やかな紅~赤色ですから、植物自身が作るものではないように思われます。おそらくカビの色素だと想像します。この分野のことは植物病理学に関係することなので、詳しいことは分かりませんが、調べた範囲でお答えいたします。植物に着くカビは色々ありますが、なかでもフザリウムと呼ばれる属のカビは数百種もあるといわれ、広く病害をもたらすカビとしてしられています。これらには赤い色素を産生するものもあります。よく樹木に傷がつくと樹液が流れ出ますが、これが赤く染まることがあります。樹液は栄養に富んでいるので、樹液菌と総称される微生物が繁殖できます。その中に赤い色素を産生するカビ(Fusarium aquaeductuum)が見つかっています。ある研究によればススキから単離したFusarium graminearum という種を培養すると培地の表面に鮮紅色の色素で覆われると報告されています。これらの色素の一部は同定されておりビカベリン(bikaverin)がよく知られています。ビカベリンは化学的にはポリケチド(polyketide)とよばれる一群の化合物の仲間で、やはり同じ仲間のテトラサイクリン系の抗生物質と似たような構造をしています。」
こんなことまで調べてらっしゃる科学者の皆さんのすごさに感動します。
さて、抗生物質だとかカビだとかと聞けば、想起するのはノーベル医学賞の大村智先生。

(↑ネット画像)
細菌やカビの一部は、別の微生物の増殖を抑える抗生物質を作るんだそうですが、先生の仕事もそこにかかわっていて、フィラリアや糞線虫ふんせんちゅうなど寄生虫病の特効薬イベルメクチンは75年、静岡県内の土から発見された新種の放線菌(カビに似た菌糸を伸ばす細菌)と抗生物質から開発されたものだいいます。
さて、このススキの髄を赤く染めるカビ、なにか特別な力をもっているのかもしれませんよ、お月見につかいます。これも古代人の直感でただならぬパワーを感じてのことかもしれません。その正体を真剣に深く研究される方いらっしゃいませんか、

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世屋のススキ、なんならみんな提供しますよ。将来、世屋のススキから人類を救う菌と抗生物質が見つかった!と評価されたら嬉しいじゃないですか、

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里山は美しさを取り戻しますし、ウィンウィンです(^.^)

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