夕日を見ている「日本の里100」の棚田の畦に、レコードの針をおいてみたら、詩を語り始めた。
(↑ 2/12)
「ゆうひ」、、、
夕日にむかってかえってくる
川からのてりかえしで
空のはてからはてまで もえている
みちばたのくさも ちりちりもえ
ぼくたちのきものにも 夕日がとびうつりそうだ
いっちんち いねはこびで
こしまで ぐなんぐなんつかれた
それでも 夕日にむかって歩いていると
からだの中まで夕日がしみこんできて
なんとなく こそばっこい
どこまでも歩いていきたいようだ
遠い夕日の中に うちがあるようだ
たのしいたのしいうちへ かえっていくようだ
あの夕日の中へかえっていくようだ
いっちんち よくはたらいたなあ
作者は、おおぜきまつさぶろう!
「 大関松三郎」
新潟県古志郡黒条小学校卒業。
生活や風土、暮らしをことばに、生活綴り方の教育運動が育てた少年詩人だ、
しかし、
戦争は、彼をこの田で『はたらかせる』ことなく、南シナ海に沈めた。
19才。
「 いっちんち よくはたらいたなあ」
山田洋次監督は、映画『学校』で、夜間中学校の授業の場面でこの詩を起用し、私たちに手渡してくれた。
生徒たちは昼間働いてつかれきっていても学校にやってくる
そんな生徒たちに先生はよみきかせる。
「いっちんち いねはこびで
こしまで ぐなんぐなんつかれた
それでも 夕日にむかって歩いていると
からだの中まで夕日がしみこんできて
なんとなく こそばっこい
どこまでも歩いていきたいようだ」
、、、、、、
ちなみに、「日本の里100」の選考委員長は、山田監督。