宮津エコツアー · 農業始まりの神話の息づく里

農業始まりの神話の息づく里

「よくここまでがんばりましたね、もうしばらくですよ、わたしがおりますから、ずいぶんお努めなさいなさいな!」

img_2847%e3%81%8a%e3%81%8a%e3%81%bf%e3%81%8b%e3%81%bf

この神様、お伊勢土産なんですが、さて、そもそも農業は誰がどうやって始めたのか、その始まりを語る世界中の神話を見ると
「①身体から、食物や財宝を出す女性がいる。
②その女性が、理不尽な死に方をする。
③女性の死体から食物が生まれる。」
このような共通する柱があるということです。
このことについて、「豊饒神としての天照大神 – 日食と古代史 – Gooブログ」は
「①の女性は、食物を与えてくれる自然そのもの、狩猟採取民にとっての地母神と考えられます。②は農業の開始を示します。原始的な焼畑やアマゾンの乱開発を考えればわかりますが、農業は大規模な自然破壊を伴います。しかしながら③その結果、①の女性が与えてくれるよりも大量の食物を得る事が可能になる、という意味だと説いていらっしゃいます。

img_2833
日本では、それが日本書紀で
「天照大神の命を受け、ツクヨミはウケモチを訪ねます。ウケモチは口から食物を出して、ツクヨミをもてなそうとしますが、それを見てしまったツクヨミは「口から出した物を食べさせようとするとは汚らわしい。」とウケモチを殺してしまうのです。それを聞いた天照大神は大層怒り「お前は悪い神だ、もう会いたくない。」と言って、この時から日月は昼と夜に別れてしまいます。

img_2958

(↑ 粟)
天照大神がアメノクマヒトを遣わして様子を見させると、ウケモチの頭に牛馬、額に粟、眉に蚕、眼に稗、腹に稲、陰に麦と大豆と小豆が生まれていました。アメノクマヒトがそれらを持ち帰ると、天照大神は喜び「これらは、人々が生きるための食物だ。」と、天の田畑に植えさせます。また口の中に繭を含んで、糸をひくことが出来るようになりました。これが養蚕の始まりです。」とされていると。
なるほどそうなんですね。

img_2829
上世屋で受け継がれている棚田の米作りを中心にした生活様式には、まだその神話が息づいているように思います。

このページのトップへ