お客さんがおっしゃるのです、「ここのくろもじはなにくろもじですか?」
え!
「毛があったりなかったり、葉っぱが大きかったり小振りだったり、種類があるんだってお聞きしたことがあるんですぅ、ここのはどれに当たるのかと思って」
あれ?あの!ええっと!!でしたよ。
さて、そんなとき、わからないことはわからんと白状するのもガイドの腕です。お客さんもいいお客さんで、「あのこれもらって帰ってしらべてきます」
そして、日を改めて福知山のをとってきたので、みせていただいたのがこれ。
左が上世屋のくろもじ、右が福知山のくろもじ。葉脈や葉の大きさ厚さに違いがかんじられました。厚い雪雲の下の丹後のくろもじとその雲の支配を免れる境にある福知山のクロもじとが同じであるわけがないのだと改めて思いました。葉っぱ図鑑を見せて頂きながら、
丸みがあって小振りなのが「くろもじ」で、葉柄が長く主脈に絹毛がはえるのが「おおばくろもじ」で山陰地方・関東以北の多雪地帯に生育するということです。さらに、うすげくろもじとか葉脈沿いに長い絹毛を持つ「けくろもじ」というのもある、とガイダンスしていただきました。
で、この四種のうち、せや高原のくろもじの該当するのはどれかというと、オオバくろもじとしたいところですが、葉脈に毛を持つのかもよくわからないのでさらに詳しく見る必要があるということでした。
さて、そんなこともあり、あらためて自戒しなければと思い受験シーズンなので、生物多様性について、問題を作ってみました。
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次の①から⑥の説明に共通する植物の基本的な名前を後の四つから選びなさい、
①青森県と北海道・道南地方の特産で,頭花が上向きに咲く
② 岡山県特産で,多数で小型の頭花を下向きに咲かせ
③長野県に分布し,多数で小型の頭花を下向きに咲かせ
④新潟県妙高山系のブナ帯に生え,多数の小型の頭花を下向きに咲かせ
⑤京都府と兵庫県に分布し,多数で小型の頭花が下向きに咲き
⑥北陸地方から近畿地方北部に分布し,夏緑樹林や常緑樹林の林縁に生え頭花は点頭するか横向き~斜上して咲き
、、、、、A ツバキ B アジサイ C ユズリハ D アザミ
答えは、D アザミ
一口にアザミといっても、その種の数は150種を越えるのだそうです。 北海道から沖縄まで、また一方では海岸から高山の頂にまで様々な環境に分布域を広げているためです。そして、そのひとつひとつの命名に用いられるのが産地の名前。ちなみに①はあおもりあざみ②はみまさかアザミ⑤はたんばアザミ。⑥のおはらめアザミ。これはせや高原にも咲いているとされますが、下の場合で頭花の付き方をみると!
分析を詳細にしていただけば「せやおはらめあざみ」に分けられるかもしれません。