やぁれやれ!
でしたねぇ、、、、!グレートサンクス、京都新聞関野記者様。
さて、日置小の児童たちの学びのお手伝いをさせて頂いた立場からすこし補足。『里山で木を織る』、興味深いのは、この出版を仕掛けた編集者さんが、絵本「世界でいちばん貧しい?国ウルグアイの元大統領「ホセ・ムヒカさんの国連演説」をだした仙波さんだということ。
そのホセ・ムヒカ氏、2012年6月、人間は発展しながらどうやって地球環境を守っていくかという議題でブラジルで開催された国連主催の環境会議で、こうかたってらっしゃいます。
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我々が今挑戦しようとする目の前の巨大な困難は、決して環境問題ではなく、明らかに政治の問題なのです。
人類は今消費社会をコントロールできていない逆に人類の方がその強力な力に支配されいるのです。我々は、発展するためにこの地球上にやってきたのではありません。幸せになるためにやってきたのです。人生は短くあっという間です。しかしその人生こそが何より価値あるものなのです。
余計なモノを買うためにもっともっと働いて、人生をすり減らしているのは消費が「社会のモーターとなっているから」です。
なぜなら消費が止まれば経済がマヒしてしまい、経済がマヒすれば不況というお化けが我々の目の前に姿を現します。
しかし、今この行き過ぎた消費主義こそが地球を傷つけ、さらなる消費を促しています。
商品の寿命を縮め、できるだけ多く売ろうとする。今の社会は、1000時間もつような電球はつくってはいけないのです。
本当は、10万時間20万時間ももつ電球はあるのに、そんなものはつくらない。
なぜなら我々はもっと働き、もっと売るために「使い捨て文明」を支える悪循環の中にいるからです。これは政治問題です。
我々は今までと違う文化のために戦い始めなければならない。石器時代に戻ろうとはいっていません。
このままずるずると消費主義に支配されるわけにはいかない。
私たちが消費主義をコントロールしなければならない。とても謙虚な思いからいっております
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その仙波さん、本書の出版記念会に次のようなメッセージを寄せてくださっています。
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汐文社 編集者 仙波敦子様
川北先生 ご無沙汰しております。仙波敦子です。
『里山で木を織る』、刊行おめでとうございます。
とても素敵な本になって、嬉しいです。
自分で自分の服を作り、死ぬまでその服を着る。
そして死んだときは、新しい服へと生まれ変わらせる。
人の命が世代から世代へと受け継がれるように、
時代を越えて受け継がれる服は幸せだと思います。
そんな服を着る人もまた、幸せですね。
自然に感謝し、共に生きる。
そんな思いの伝わる「藤布」のことを、一人でも多くの方に知ってもらいたいと思います。
今後の益々のご活躍をお祈り申し上げます。
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日本には、そのモデルがある、それは「里山の暮らし」だ、日置の子どもたちの見たこと学んだものは、ホセ・ムヒカ氏のおっしゃっていることとおなじなんだよ、そんな編集者の目がこの本を出させたということ、おぎなっておきますね。
そのほか、この本の出版に当たっては関わって頂いた皆さんからいただいたメッセージの数々を紹介させてもらいます。
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宮津市立日置小学校 前校長 井上富美代様
日置小学校区は、過疎化によって学区編成がされ、現在、日置地区と、畑を含む世屋地区の二つがあります。児童の多くは日置地区在住のため、日置地区の田園風景は身近ですが、世屋地区には春の遠足に行く程度ですので、同じ校区である二つの違いを学ばせる必要があると感じておりました。
科学技術が発展し、便利な世の中になっても、人々の生き方や私たちが忘れかけた人と人との関わり方など失ってほしくないものが世屋の生活にはあります。たとえば「藤織り」に伝えられた技術やその人々の想い、営みなど自然とともに生きる人々の姿、それは、かっての「私たち」でした、それらを児童に学んでほしかったからです。
そこで、六年生に世屋の生活や藤織りについて学ぶことを薦めたわけです。子どもたちは、自然とともに生活する営みの中にある、「生きるとはなにか」を想像以上によく感じ取ってくれたとはおもったおりましたが、さらに川北先生には、その学習の意味を、大人にもよくわかる内容に深めてすてきな本に仕上げていただきました。ありがとうございました。多くの皆様に読んでいただけることを祈っております。
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合力の会 ・丹後藤織り保存会 会長 井之本 泰(いのもととおる)様
「一度もお目にかからないままに」
わたしが川北亮司さんを知ったのは、「第5回いっしょにIn上世屋コンサート(1980)」の冊子に掲載された『藤織とかわいい鬼婆たち』です。一冬を上世屋で過ごした体験をもとに裏打ちされた文章と写真がとても印象に残りました。わたしも藤織りのおばあさんたちから教わり「藤織りの世界」という特別展を開催したことから、「どんな人なんやろか?」「何してはる人なんやろ?」と川北さんについて知りたいという思いが片隅に引っかかっていました。
そのようななか、上世屋に住み風景や各家々を撮影していた玉井章さんからいただいたDVDに、川北さんが案内人となって再び上世屋を訪れるというNHKの旅番組「小さな旅」が含まれていました。DVDを見ながら「ああ、こういう人なんゃ。」と疑問の一つが解けた思いがしました。
その川北さんが藤織りの本を出したいということを安田潤さんから聞きました。ついては、「井之本さんに藤織りのことについて尋ねたい」ということで、藤織りとの関りから、講習会のこと、藤織りの工程や歴史など様々なことを手紙やメールで聞かれるようになりました。
しかし、出版業界は厳しく、なかなか出版まで話が具体化しないらしく、そのやり取りも忘れかけたころにやって来るといった感じになりました。それが日置小学校6年生の地域学習の活動を通して世屋地域を紹介する「子供たち向け」の本にすることで大きく動き出すことになったようです。
刷り上がったインクの匂いのする真新しい本を手に取り開いた時、掲載されている藤織りを伝えてきてくれた「かわいい鬼婆たち」の顔がニッコリと微笑み、「よう出しなったなぁ。川北さん。」と喜んでくれているようです。
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汐文社 編集者 坂内茉穂様
この度は、素晴らしい出版記念会へのお招き、誠にありがとうございます。
今回、単行本『里山で木を織る』の編集をさせていただきました汐文社の坂内と申します。
このような会を開いていただき、ご参加の皆様、主催者のみな様、そして川北先生には、言葉にならない感謝でいっぱいです。
今回、どうしても参加できない事情がございまして、このような書面にてのご挨拶をさせていただきますことをどうかお許しください。
さて実は、私は最初、この作品の担当編集者ではございませんでした。
もともとは川北先生と、仙波という別の女性編集者が長年にわたって育ててきた作品でしたが、「いざ出版するぞ」というタイミングで仙波が別の仕事に移ってしまい、最後の仕上げの部分だけを私が引き継がせていただいたのです。
つまりはとっても新参者で、このようにお時間を頂くのも恐縮なのですが、その分、「藤布」のことを知ったときの驚きはまだ新しく、鮮明にお伝えできるのではないかと思っております。
「藤織り」は、本当に工程の多い、根気のいる作業です。
手間がかかるのではないかなとは予想していたものの、「ここまでか!」ときっと、皆さんも驚かれるに違いないと思います。
そもそも「かたい藤のつる」がどんなものか、私もそれだけはよくわかっていました。実家に藤の巨木があり、家を飲み込もうかという無数のつるが、壁面を覆っていたからです。所詮つるだと思っても、そのかたさはまさに「木」といっていいもので、小枝にみえる太さでも全体重を掛けて剥がなくてはなりませんでした。
それが布に……? そんな魔法みたいな方法があるのかな? と思っていたら、なるほどそんなうまい話はなく、ひたすらに「努力」と「苦労」を重ねて作り上げていくのですが、その工程たるや、想像を絶するものでした。
雪どけ水に手をつけて、腰を曲げてつるの繊維をしごいたり、冬の間中、血がにじむ指を我慢しながらつるを糸になるまで績んでいくなんて、とても自分にはできない芸当です。それを毎年毎年なんて、とても信じられない話でした。
デジタル化が進み、私たちは驚くほど何でもコンピューターでできる時代になりましたが、一方それと反比例するかのように、だれかと手と手をとりあい、努力を積み重ねていく、ということはできなくなっているように思います。
しかし、人生の困難に向き合ったとき、人生の中で一番大変な場面に遭遇したときに、最も求められるのはそういう「助け合う力」なのであると感じています。丹後の藤織りには、そんな私たちが忘れがちになっている大切な、根本的なものがたくさんつまっています。
本書の出版で、それが少しでも多くの人に広まり、そして今一度、人生の尊ぶべき本質について見直していただけるきっかけになればと願っております。長文におつきあい頂き、ありがとうございました。
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イラスト 表紙 担当 山田花菜様
はじめまして。イラストレーターの山田花菜(やまだかな)です。
この度は、『里山で木を織る』御出版おめでとうございます。
私は、この本の表紙絵や挿画を描かせていただきました。
川北先生には、私が絵のお仕事をはじめた頃からのご縁でお世話になっております。
実は、私はこのお仕事で初めて『藤布』のことを知りました。
絵を描くにあたって、たくさんの資料を用意していただきました。
資料を見れば見るほど、藤のツルからすべて手作業の工程に驚き、今も受け継がれていることに、とても感動いたしました。
身の回りの物は、全てお金で買うのが当たり前の現代。
子供達が自分の着る服を糸から作り出すことができることを知る機会は少ないです。
その糸さえも、自然の植物から作ることができるんですから。
それは、魔法のようだけれど、その工程は実に過酷です。
昔の人の手仕事は、本当に凄いですね。
その文化を、体験を通じて学べる日置ッズの子供達が羨ましいです。
とってもいい表情をしていますね!
今回、『藤布』作りの工程の絵もたくさん描かせていただいました。
写真と絵がたくさん添えられていてとっても読みやすく、本当に素晴らしい本になったと嬉しく思っております。
ぜひ、多くの子供達に、大人の方にも読んでほしい本です☆
いつか、素晴らしい自然に囲まれた秘境のような丹後半島をぜひ訪れたいです。
この本で、皆様とご一緒できて本当に光栄です。
ありがとうございました。
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ホセ・ムヒカさんは、『宝物』という言葉を用いて演説をこう結んでらっしゃいます。
「私が言っているのは基本的なことです。発展は「人類の幸せ」「愛」「子育て」「友達をもつこと」そして「必要最低限のもので満足する」ためにあるべきものなのです。それらこそが一番の大事な宝物なのだから。環境のために闘うのなら、一番大切なのは人類の幸せであることを忘れてはなりまん。」
日本人はどこから来たのか、現代日本はどこへ行くのか、そして何が幸せなのか、私たちの目指さなければならない「宝物」はなにか、深い問いかけに裏打ちされたおじいちゃんおばあちゃんお父ちゃんおかあちゃんそしてぼくたち家族三世代で読むことのできる里山本『里山で木を織る~藤布がおしえてくれた宝物』、、ぜひお求めください。