「この妖気はただごとではない、皆の衆、警戒なされよ!」
というところでしょう。点々と茶色が目立つ森。ナラ枯れです。縦貫林道、畑谷の上付近を中心にひろがっています。
原因を作っているのは、かしながきくいむし。
そのメカニズム。
「孔内で成長・羽化したカシナガの新成虫は、主に翌年の6月から8月に脱出。この際、ナラ菌が持ち出される。 ナラ菌が感染した部分の細胞が死ぬと、道管が目詰まりを起こすため、通水障害を起こす。この結果、多くのナラは7月下旬頃から8月中旬にかけて葉が変色し、枯死に至る。 持ち込まれたナラ菌は、孔道を伝ってまん延し、樹木の細胞に害を与える。また、卵からかえったカシナガの幼虫は、孔道内で生育する。 羽化脱出したカシナガは、健全なナラに飛来。集合フェロモンによって集中的にせん入し、産卵。このとき、病原菌であるナラ菌を持ち込む。」
以前にも山全体が茶色になる被害をみました。20年もまえになるでしょうか。
そして、林野庁は
「近年、カシノナガキクイムシが媒介するナラ菌により、ミズナラ等が集団的に枯損する「ナラ枯れ」が本州の日本海側を中心に発生しており、被害区域は、拡大傾向にあります。」
ふたたび丹後の緑の森に忍び寄る妖気!
その影響。
「一斉に大量枯死を起こすナラ枯れの発生によって、山地災害防止や水源かん養機能、木材生産機能等への影響が懸念されます。」
丹後縦貫林道全線再開通を前にして、まじないで退散させられるものではなく、専門的な知見で専門的な対策が必要な状況になってはいないでしょうか。