宮津エコツアー · 丹後縦貫林道・全線再開通とナラ枯れ

丹後縦貫林道・全線再開通とナラ枯れ

ナラ枯れ!

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成相山周辺の様子です、一枚の写真の枠内に枯死木が4~50本カウントできます。

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日本森林技術協会は平成27年3月発行の「ナラ枯れ被害対策マニュアル改訂版 」で、
「・ ナラ枯れ被害対策は被害拡大前の初期対応が重要です。
・ 被害発生を事前に想定し、スムーズに対策が実施できるような体制づくりを目指しましょう。
ナラ枯れ被害対策を、効果的に実施するためには、被害が拡大する前に適切な「初期対応(被害が初期の段階から、対策の実施体制を整備し、ナラ枯れ被害を速やかに確認、計画の策定をすること)」を行う必要があります。
ナラ枯れ被害は、発生からわずか3年で劇的に被害を拡大させる傾向があり、一度拡大した被害は終息までに時間がかかるとされ、長い地域では十数年を要したとの報告もあります。一方で、防除対策を適切な方法で実施し、被害量を減少させることに成功した地域もあります。成功した地域では、被害が発生する前あるいは被害の初期段階から、継続的に被害の監視や対策を続けることで、防除を成功させています。
このように、被害発生を想定し、被害の初期段階からのナラ枯れ対策を実施することが重要であることから、被害発生に際してスムーズに対策を行えるように、各段階に対応できる体制の整備が必要となります。」
とのべ、克服までのマニュアルを紹介しています。

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ナラ枯れは 森を枯死させます。その恐ろしさを熊目線で語っているのが、くまもりNews ・日本熊森協会発行
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2016-03-09 (水)_クマ保全 | 京都府.いったい何頭クマがいるのか。
– くまもりNews – 日本熊森協会
これだけ科学技術が発達した今、野生動物の生息数など簡単に出せるような気がします。しかし、実際に調べてみると、どんなにハイテク科学技術を使っても、木々に覆われた山の中を動き回る野生動物たちの生息数を把握することは、人間には不可能なのです。それだけ自然界は複雑なのです。
そこで、いろんな方法で、推定生息数を算出するのですが、いまだにこれといった決定打がありません。
階層ベイズ法での推定など、第3者が再現できないような推定法を使用するのは、科学ではないのでやめていただきたいと思います。
そんななか、京都府に依頼された業者は、平成14年度の丹後のクマの推定生息数は120頭、12年後の平成26年度には約6倍の700頭に爆発増加したというのです。もしこの推定があたっているなら、爆発増加した要因を知りたいものです。
人間でいうなら、日本の人口1億2800万人が12年後には7億6800万人になっているということです。
だいたい、丹後半島では、平成10年ごろナラ枯れが猛威を振るい、約9割のミズナラが枯れてしまいました。ミズナラはクマの冬籠り前の貴重な食料でした。また、現在、クマの夏の食料である昆虫が、山から大量に消滅してしまっています。
食料を求めてクマたちが山から一斉に出てきたら、目撃数や捕獲数がうなぎ上りに増えるので、クマが爆発増加したように見えますが、ドーナツ化現象かもしれません。丹後半島は山が低く、人家が入り込んでいるので、クマが里に出てきたらすぐに見つかってしまう場所です。
もし仮に丹後のクマが700頭を超えていたとしても、何頭だったらいいのか、人間にわかるようなものではありません。人里に出て来ないように生息地の自然環境の復元や被害防除策を優先させるべきです。それらをなおざりにして、捕殺していいわけはありません。動物たちの命もたった一つ、命は何よりも尊いのです。
とりあえず、京都府には丹後半島のクマ生息推定数700頭に至った計算経緯を教えていただき、わたしたちもその推定方法がどこまで妥当と思えるか検証してみようと思います。
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去年は林道が通行不能だったため比較はできません。また、通行可能ということの積極的なアピールもされていませんので、利用する車もすくなく、関心も寄せられていないのが実態ではないでしょうか。しかし、専門家によると原因の性質上、倍々に広がっていくということですので、昨年もあったのでしょう。

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範囲も、畑谷、浅谷、そして、ミョウガ谷に広がっているのがみてとれます

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海、里、森一体の美しさが楽しめる丹後縦貫林道の全線再開通が目前なのに、ナラ枯れの説明といいわけをしなくてはならないのは悲しいじゃないですか。

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「防除対策を適切な方法で実施し、被害量を減少させることに成功した地域もある」ということです。現在の状況がどう認識され、課題の共有や対策の立案がどのようにすすんでいるものなのか、ぜひ知りたいものです。

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