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{「はるの指揮者がタクトを振り上げました!」
これには「okと太鼓がいいました」と。
三月五日の天声人語は、チェコの作家カレル・チャペックの『園芸家の一年』という書の言葉を紹介していました。曰く「小さな芽から若い葉が伸び、花がつき始めた木がある。一方で堅い芽のままの木もあり、『地中からあるいは、空から発せられる“始め!”という号令のようなものを待っている。」
オンユアーマーク!スターターの声がかかる、号砲前の緊張した静寂をチャペックさんは表していらっしゃるのだとおもいました。
さらに、『はにかむ葉よ、恥ずかしがるな』『うぶ毛に包まれて眠るものたちよ、背をのばせ』という言葉も。カレル・チャペックさんは、十分意識なさっていることだとおもいますが、まあ、人を指す残りの指は己に向くということですから、いくつになっても、恥ずかしがっていたり、背を丸めている自分がいるわけです。
それはそうとして、と春の命たちにはかっこよく、そう語りかけてみようと思います。
そんなことをおもいながら、始めに戻って
「春の指揮者、指揮台に」でいきますか!