丹後環境シンポジューム 基調講演
『巡れ 四季、里山色に丹後染め』
~連載・その2~
▼こういう紹介の中で、もう一つだいじにしたいと思っている切り口があります。
それは、里山は 俳句が似合うところ、ということです。
と言いますのが、エコツーリズムは エコロジーとツーリズムを合成した言葉なんです、エコロジー、生態学、と訳されています。
では、エコロジーがなぜ生態学を表すのかと聞く方はあまりいらっしゃらない! 私もその一人なんですが、語源は ギリシャ語 Oekos その意味は「家、多くの人が様々な関係をもって住まう家」だといいます
その意味を聞いて、私の中では、▼▼Oekos= 家 =エコロジー=生態学=人と命の家=里山 と つながって、納得したことを覚えています。▼
と同時に、そりゃあ日本では、里山歳時記の世界じゃないか そうおもったのです。
ご承知のように 季語 の約束がある俳句は生き物無くして成り立たない芸術なんです。
歳時記の世界、それを、図書館でなくて、生きた歳時記の世界へご案内できますよ。ということをきょうちょうしているという次第です。
そこで、里山のエコロジーを、俳句で紐解いてみたいと思います
トップバッターにあげたいのは 植物では なでしこです、
▼ なでしこや 吾に昔の 心あり▼
ナデシコジャパンが活躍したとき、みんな騒いだんです。
ナデシコってどこにあるんだ、、
生き物では、カエルです。江戸三大俳人が 詠みました。
▼芭蕉さん 古池やかわず飛び込む水の音
▼蕪村さん 閣ヤミに座して遠き蛙をきく夜哉
▼一茶さん、痩せ蛙負けるな一茶これにあり
もりあおがえるの卵塊
カエルは 水の神様のお使い
卵を産む数が半端ない、その豊穣さが米の実りに通じるからと言うことでもある。
農薬のない時代、稲につく害虫の恐ろしさは計り知れない。それを食べてくれる無数のカエル、そのありがたさは 神様そのものだったと思います。
およそ10種類 でしょうか。
① つちがえる ②もりあおがえる ③ヒキガエル ④アカガエル ⑤しゅれーげるあおがおる⑥あまがえる ⑦とのさまがえる ⑧かじかがえる⑨やまあかがえる ⑩ たごがえる
いずれも 生態 すこしずつ 異なります。
では 三人の詠んだカエル、種類は、特定できるでしょうか!
〈続く〉