丹後環境シンポジューム 基調講演
『巡れ 四季、里山色に丹後染め』 ~連載・その4/5
さて、 去年の暮れ、 うれしく読んだ記事があります。
京丹後市の広報12月号その編集後記「つぶやき」。
記者さん4月に京丹後市民となったかたのようで、
特別な一年だったとおっしゃってましたが、
この丹後暮らしで
「周りの景色も、いつの間にか生い茂る緑から鮮やかな赤や黄色に変
わり、季節の移り変わりの早さに驚くと同時に目で季節を感じられる日
本の良さを再認識しました。」と。
わたしはその 再認識 その言葉にかんたんふをつけました。
英語で再認識 は
I saw that in a new light
なになにの新しい面を見るというのだそうです。
紅葉の森です。
生い茂る緑から鮮やかな赤や黄色に、
里山丹後半島の総合的な迫力が 眠っていた感性を、
それこそたたきおこしたんだろうなぁとほほえましくも思えました。
そんなことですから
、新たな2020年 丹後を里山色に染めて四季よ 巡れ!
良い気持ちで新年が迎えられたような事です。
と同時に 丹後の自然環境 それをあなたたちは かけがえのない価値あるものとにんしきなさっていますか、と問われたような気がしたのです
ミネラルをたっぷり醸す森
そのミネラルを海へ届ける川
海の男たちは山を見て漁場を決め
海の豊穣は森あってのことと魚を選る母ちゃんたちは山に手を合わせ
水は ふたたび海から森へ
そして 自然と暮らしとの濃厚な一体感を
体に宿した人が
海にも里にも元気にいらっしゃる
そういう「丹後の里山」のかけがえのなさに
in a new light
新しい光をあてなくちゃいけないと、再確認する機会にもなりました。
ただ、そうはいうもののしっかり眼を向けなければいけない課題はある。
離農 少子高齢化 獣害 山積、
里山の農産物生産工場化、というのですか、これはこれからもいっそう進むでしょう。
どの家も田を打ちかけて春祭 /白井爽風
田打ち(たうち)を調べた
広辞苑 では 牛馬が犂で起こした土を人が鍬で細かく鋤き返した。という
一方 wikipedia. 、春や秋にトラクターで田んぼを掘る作業 身も蓋もない
その変化に米つくり由来の植物動物たちは大きな影響を受けました。
サンショウ藻
シダの仲間です。恐竜時代から生き続けているのに、今絶滅に追いやられようとしている
理由は 水田雑草だから!
下田田圃
京都府でのゆいいつの生育場所です、
里山エコロジーにとってさらに心配なのは気候変動問題。
気温は
このままいけば、2100年には4℃以上上昇する
そうなるとすれば 例えば
このひきくん はどうなるか。
かれはふだんは森にいる
丹後のみずがめのブナの森は彼の大事な家なんです。
しかし、450mという低い標高から出現する丹後のブナは
実はいまでも、限界環境、、
ブナの森は 滅びるしかない。
と同時に多くの虫鳥動物たちも家を失うのです。
もう一つは異常気象の問題。
百年に一度、というようなスケールの雨が日常的に降るようになるだろうと言われている。
雲海の天橋立。
この橋立は、阿蘇海のボーリング調査では、大きな土砂災害によって、一気に形成された形跡が、見られるということです。
そういうことが約2000年前におきていたというのです。
静かな海と空、
こんな穏やかなうみからは、想像は出来ません。
なんたらへんちゃあ !
しかし、 油断すると悪夢は 現実になります。
ことびきはまの冬の怒濤です。
川を流れ 海流に乗って、荒波と風で丹後の海岸を埋めたのは、海の恵みではありません。
大量生産され、使い捨てられたものです
遊べる海ではなくなった夏の海岸
割れたビンの切っ先は、誰に向いているのでしょう。
命みんなの家 地球は大ピンチです。
〈続く〉