やはり、「あか」ですか!
やはり赤・朱「あか」ですね。
色彩が人の心理に与える影響などを研究する色彩心理学では、
1.アドレナリンを分泌して興奮を促す
2.ポジティブな気持ちにさせる
3.食欲を刺激する
4.目を引く
5.温かさを感じる
6.時間経過を早く感じさせる
というようなことが認められといいます。
赤は太陽や火の熱く活発なイメージを思い浮かべることから、赤色は火を連想するものです。火は、人にエネルギーを与えることもあり、熱気を感じる場に変えるなど「やる気スイッチを押す」色なんだそうです。
言葉でいえば、膨張、進出、興奮、アクティブなどと結びつく、ある意味怖い色のです。
こういう効果に関連して、実験でも確かめられているそうです。
色によって変化する筋肉の緊張度合いを計測するという実験があります。
「ライト・トーナス値」と言われているものですが、赤色は橙色を抑えてダントツの緊張状態を作ることがわかっています。ベージュや青が通常の状態と変わらない弛緩状態なのに、赤色だけは20ポイント近く数字が跳ね上がっているのです。赤はそれだけアドレナリンを分泌させていると。
※『意識的な行動の無意識的な理由』(越智啓太 著/創元社)など参照
丹後随一のパワースポットには、科学的な計算と仕掛けがあるのです!
さて、このような寺社の建物の朱塗りについて、その原料はなになのでしょうか。
探してみると、日経新聞の春日大社の造替のさいの記事に紹介されているのがわかりやすかったです。
「本朱は硫黄と水銀の化合物で「丹(に)」とも呼ばれ、真っ赤な粉末状だ。これに、にかわを溶かした湯を少しずつ流し入れ、こん棒で練り合わせていく。
春日大社で本朱を使うのは、行儀良く東西方向に並ぶ本殿4棟と、境内の南東にあり、藤原遠祖夫妻の子を祭る若宮神社の全部で5つだけ。60を超す摂社・末社の中でも特別扱いだ。
本朱が異例なのは春日大社の話にとどまらない。身近な寺社の鳥居や柱などの朱塗りは鉛入りの鉛丹や酸化鉄を含むベンガラなどの顔料が使われるのが一般的だ。量産に向くが、時間がたつとオレンジに近い色や黒ずんだ色になる。」20年ぶり 目覚めた朱(時の回廊): 日本経済新聞www.nikkei.com
では、創建当時、格式のある国分寺や成相寺の五重塔などはやはり朱で塗られていたのでしょう。としたら、その原料はどこからどうやって手に入れていたのでしょうか。
そんなことを思っていたら、縦貫林道、成相線の崖に赤い土の露頭を思い出しました。
この色をみていると、ひょっとして、空海さんもここに立ち寄って、この土を使いなされと指示なさったのかと怪しい木になりますから、重ね重ね「赤」は、怖い色です。