2012/06/03
漢字通でも、難儀する!「木天蓼」。もくてんりょう=マタタビ。
さて、そのマタタビの目立つ季節になりました。あの白い葉は、何?鳥のうんちとおしっこでしょ!すごい鳥がいるのね。里の林では、何かと話題になるものです。
ガイドとしては、整理して引き出しに入れておく必要を感じます。
そこで、つかみネタ俳句。
「木天蓼の 大風呂敷ぞ 藪包」む (たけお)
マタタビのしげり具合を大風呂敷ととらえたこの俳句、納得しませんか?
次に、その葉の白いのは、鳥のおしっことうんちではないことの説明です。彼らの葉の白化。そこにはどんな魂胆があるのか、です。
「送粉昆虫を誘引するサイン」であろうとする説に出会いました。確かに、花は、葉裏に隠れた花は昆虫には見つかりにくいです。
さわふたぎも白。
エゴノキも白。
ホタルブクロも白。6月の花は白です。
また、白化する葉は、花をつける蔓の先端のものだと言うことです。蔓アジサイやイワがらみなどの装飾花の果たす役目と同じと説明してよさそうです。この時期、同じように葉を白化させる植物に半夏生があります。
和名語源は「ネコにマタタビ」と言うくらいの薬効から、「又旅」とよく言われますが、そうではなく、アイヌ語語源説が有力と言うことです。冬の丸意味の形が亀の甲に似ている、それをアイヌの人たちは、「マタタムブ」とよんでいたと言うのです。
「木天蓼や 花ちる岩の たまり水」 星野麦南
ちなみに、ネコ科であるライオンやトラなどもマタタビの臭気(中性のマタタビラクトンおよび塩基性のアクチニジン)に特有の反応を示すそうですが、フジバカマと浅黄まだらの関係に似ているのかもしれません。