宮津エコツアー · 12月 今日の世屋路丹後路・4日~バッサカ・カツラ群生地~

12月 今日の世屋路丹後路・4日~バッサカ・カツラ群生地~

世屋街道で気になる樹

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カツラです。

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・「1億年くらい前からたいして進化もせず、原始的な姿で生き延びてきた希少種。花は、雌しべと雄しべが垂れ下がるだけの原始的な風媒花である。」といいます。

日置から7km、標高350m付近の、通称バッサカの谷側に生育しています。

株立ちながら幹周計767cmの巨樹です。

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誰かが植えたのだろうか?

こんなところに植えたりするもんどもおりゃすまい!

そうすると自然のもんか

そういうことだろうなあ

、、、、、

このバッサカ付近には、6,7本が群生しています。

「中小洪水の攪乱地で更新・・・サワグルミと同じく、洪水によってできた攪乱地で更新するタイプ。ただし、種子の小さいカツラは、サワグルミに比べて稚樹の競争力が劣る。数十~数百年に一度起こるような大きな土石流でできた河原では、サワグルミに負けてしまう。結果として、頻繁に起きる中小洪水によってできた谷底の河原で更新をしていると言われる。だから、どちらかと言えば枝沢に大木が多く見受けられる。」

 

 

カツラという地名で有名なのは、京都市の桂。しかし、そこだけのものではありません。

  • 「弥栄町須川の小字一覧
  • 須川(すがわ) アケシ アカダ アシダニ イツポンシデ イネアバタケ イエノシタ イエノムカイ イノクチ イネナル イエノホテ イネノクチ イソエモバタケ イケゾラ イエノムカイハシヅメ イエノウエ ウエコバタ エロ エノカミ エブリダニ エブリダニグチ オカダ オクアサマチ オサキノシタ オカダサガ オオクズレグチ カジリ カミコバタ カツラ、、、
  • 伊根町の地名一覧(いねちょうのちめいいちらん)は、京都府与謝郡伊根町にある地名の一覧である。見出しは大字を、箇条書きは小字を示す。 … カツラ谷; 赤道谷道、、」※ウェブ丹後の地名

京丹後市にも伊根町にもあるのです。

名前はあるので、では、樹が現物として生育しているかというとその気配はないようです。それは、カツラという樹が材として持つ性にあるのかもしれません。

用途・・・カツラ材の心材は褐色で、辺材は黄白色、均質で変形しにくいことから、建築や器具、家具、楽器、下駄、彫刻、碁盤、将棋盤、薪炭、庭木など幅広く利用される。木材業者は、材の赤みの多いものをヒガツラ、青っぽいものをアオガツラと呼ぶが、用材としてはヒガツラが上等で、値段も高い。アイヌの人々にとっては、丸木舟をつくる大事な木であった」

張り板・・・明治になると木綿が庶民に普及する。それを洗った際、生地を張って乾かす張り板が一般家庭に普及した。幅40cm、長さが2m以上もある一枚板で、濡れた布を張って天日に干しても狂わず、きめ細やかでささくれ立たない材が要求される。カツラの材が最高とされ、次いでホオノキ、ヤナギ、サワグルミなど。」

つまり、利用価値の高い優秀な木なので、伐採されて絶えてしまったのでしょう。

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そういう意味では、自然状態を保った形でのバッサカカツラ群生地は貴重なもの。関係機関は、調査をしっかりして、保全措置をこうずべきではないでしょうか。

    • ちなみに、別名、抹香の木・・・「昔は、毎朝仏壇にお膳を供え、香をたく習慣の家が多かった。毎日たくとお香は一年で一升くらい必要で、農山村の家では、近くに自生しているカツラやネムノキの葉を採り、干して自家用の香を作った。だから末香の木、お香の木、香の木と呼ばれている。」そうです。
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