舞鶴火力発電所から一筋立ち上る煙。
(↑ 上世屋 とくさんのおふくろの森 から)
「石炭火力発電所から排出されるCO2を分離・回収するための固体吸収材とKCC(Kawasaki CO2 Capture)移動層システムの開発、改良」という実験中なんだそうです。
そりゃあそんなことができたら 可能性があるならそれにこしたことはない!
「実験をスケールアップさせるため、舞鶴発電所内にパイロットスケールの試験設備を建設し、共同での実証実験を展開することになった。関電によると、今回、実証に用いる固体吸収法は従来の技術と比べて、CO2分離に要するエネルギーを大幅に低減できる可能性があるとしている。
https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2020/0924_1j.html」
大命題、化石燃料から二酸化炭素を出さない再生可能エネルギーへの転換、を加速させながら、化石燃料から二酸化炭素を取り除く、放出させない やれることは何でもやる、おおいにチャレンジしていただきたい、、、。
それにしてもどうやるんですかあ?
というところで、「今回、実証に用いる固体吸収法」をチェック。
技術分野2021-010855号 二酸化炭素の分離回収方法 – astamuse
0001本発明は、二酸化炭素の分離回収方法に関する。
背景技術
0002近年、地球温暖化問題のため、二酸化炭素の分離・回収が注目されており、多くの二酸化炭素分離回収法の開発がなされている。特に、石炭火力発電は大量の二酸化炭素を発生しており、石炭からバイオマスへの燃料転換や、二酸化炭素の回収技術などは、地球温暖化対策の重要な課題となっている。
0003二酸化炭素の分離回収法としては、化学吸収法、物理吸収法、膜分離法などが開発されている。
0004化学吸収法は、二酸化炭素と選択的に反応するアミンの水溶液、特に、エタノールアミン系の水溶液を吸収剤として使用し、温度差で二酸化炭素を吸脱着する。すなわち、低温で二酸化炭素を吸収剤に吸収させ、高温で二酸化炭素を放散するというサイクルで二酸化炭素を分離回収する。化学吸収法は純度の高い二酸化炭素を効率よく回収できるという特徴のため広く実用化されており、低二酸化炭素濃度で、常圧である石炭火力発電の燃焼排ガス処理に適しているが、アミンと反応した二酸化炭素を分離するために多大なエネルギーを要するという欠点がある。
0005物理吸収法は、ゼオライトなどの固体吸着材による気体の選択的吸脱着を利用するものであり、温度差、圧力差で二酸化炭素を吸脱着する。物理吸着法は、アミンを使用した化学吸収法より低エネルギーで二酸化炭素を分離回収できるが、化学吸収法より二酸化炭素の純度は低くなる。また、圧力差で分離する方法は火力発電の燃焼排ガスには最適ではない。
0006膜分離法は、二酸化炭素と他の気体との透過速度が異なる膜を使用し二酸化炭素を分離する方法であり、アミノ基などを有する高分子を膜にしたもの、支持体にアミン化合物などを担持した膜などが使用される。膜分離法は最も低エネルギーで二酸化炭素を分離可能であるが、膜モジュールが高価であり、圧力差によって分離するため、石炭火力発電の燃焼排ガスのような常圧、低濃度の二酸化炭素を大規模に回収するには不向きである。
0007石炭火力発電の燃焼排ガス処理に適した方法として、化学吸収法と物理吸収法を組み合わせた固体吸収法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法は、多孔質担体にアミン化合物を担持した固体吸収材を使用し、化学的(及び物理的)に二酸化炭素を吸収材に吸収させ、温度差、圧力差、脱離剤などで二酸化炭素を脱離させるものである。化学吸収法と物理吸収法の特徴を兼ね備えた方法であり、低エネルギーで高純度の二酸化炭素を分離回収できる方法として注目されている。
その道 容易ではないようです。
「課題は回収した二酸化炭素の純度が化学吸収法より低いこと、二酸化炭素の脱離が温度差だけでは難しいこと、装置の大型化が難しいことがある。固体吸収法において、二酸化炭素の純度を高めるためには、装置空隙、固体吸収材の粒間、細孔内に拡散している原料ガスを減圧、ガス置換などで除去しなければならず、時間、エネルギーなどの増大を招く。また、多孔質の固体吸収材の伝熱が極めて悪いため、吸収材の温度が不均一になりやすく、吸脱着塔(槽)を大きくすることは容易ではない。さらに固体吸収材の伝熱が悪いため、温度差のみで吸脱着を制御することは工業的に困難であり、減圧、水蒸気置換など他の方法で二酸化炭素を脱着しなければならない。」
素人には、二酸化炭素垂れ流しの蛇口をまず締めてくれ下水を浄水に変えることができているように、化石に封じ込めていたものを、もう一度閉じ込めるぐらいなことのできるろ過装置などは、容易なことだろう、とおもってしまいますが、そうではないようです。
(↑ 12.22 毎日新聞)
再生可能エネルギー転換への山登りを急ピッチに、ですが、これも総論と各論の調整が図られないまま開発が先行するのは、持続可能な環境を、という趣旨に反すること、
(↑ 京丹後市峰山庁舎)
2030年までに、それは待ったなしの事態。
チャレンジのある所に明日への道。