宮津エコツアー · 5月 2012

5月 2012

2012,5.13
絵画サークルの皆さん、二団体40人様が世屋の里を描きに来られると聞いて、世屋の家と山と田んぼと空が集まって相談しました。どんなおもてなしをしたらいいのだろう!この前は、写真サークルのひとたちやった、そうそう霧がかかった風情がよかろうと小雨を降らしてあげたら喜んどくれた。けど、ちょっと風が強めだったあれはまずかった。今度もガスはどうやろ!あほ言いないな、絵を描いたことないんかいな、やっぱり天気やで、お天気でお迎えしょ、きれいに描いてもらわなあかんし、そうしょ、おめかししとこ・・・・・・。


そんな話をしたのではないかと思うようないい天気に恵まれた13日、「スターダスト(大阪)」、「シニア自然大学絵画部(京都)」のみなさんに、半日、世屋の里で絵筆をふるっていただきました。


すり鉢状になった世屋の里は、様々なアングルを提供できるおもしろみを持っています。あっちから、こっちからとそれぞれ好みの場所を決め、民家と山と田植え直前の棚田と空をコラボさせて、里山美を描きあげておられました。


その様子を拝見しながら、お話を伺って見ると、どの場所でも、「描き応えのあるところだ、こんなところがあるのを知らなかった、せんでんしはったら、もっときはりまっせ、たくさん絵画教室ありまっさかい」、などといっていただきました。


どうしたら宣伝できるんでしょ?「画廊、そこへパンフレットおかしてもらわはったらよろしいのや、今日のNせんせも、顔ひろいひとやでおねがいしといたらしょうかいしとくれはるやろし」。
静香さんの畑のそばでもかいてもらいました。今日は絵を描きに京都や大阪から40人もきてもらって仕事に差し支えるかもしれんけど、ちょっとかかしてあげておくれえよと断ったら、「なんぼでもかいてもらったらええです、悪いところだったら、人もよりゃあしません、にぎやかにしてもらってうれしいです。」


そんな会話を聞いたのでしょう。山が、Vサインしているのが見えました。畦からも、シマヘビ君が顔をみせ、とっておきの秘技を披露してくれました。。


どちらのサークルも一泊のスケッチ旅行、こちらは、伊根泊の油屋さん、もう一つの皆さんは、間人に宿をとって、明日もう一カ所、スケッチ場所を巡られるそうです。タイタニックの紳士淑女もこれほどではなかろうと思うほど落ち着いた静かな優しさをお持ちの方たちでした。それだからこそ対象へ集中しすばらしい絵がかけるのだと感じました。


( ↑ 世屋・宮津の山海の地元素材満載のお弁当 ・木子FP製)

( ↓ 心づくしのコーヒーサービス)

世屋の里の流儀は素顔で、地域ぐるみでお迎えすること。雪も降らせてお迎えするかもしれません。季節ごとに装いを変える世屋の民家と田んぼと山と空、ぜひまた、描きにいらしてください。

2012,5.12

11日、役員会を行いました。18日の総会の準備です。会場は、宮津と京丹後の中間ということで、野田川・パラソルのスナック部二階にあるミーティングルーム。(いつもの喫茶部の二階は先約があって、、、すごい~表現不能~部屋でしたよ!百聞は一見にしかず、ただし要チャージ料。)
さて、役員会の本題、23年度の部会活動の振り返り。Sさんのまとめでその充実を改めて認識しました。誰かが何かをどこかでほぼ毎日行っているといっていいほどなんです。

(↑ 2012.12.2 環境整備作業)

それができたのは、ひとえに市の推薦を受け、京都府の「地域力再生プロジェクト支援事業」の助成対象団体として認定されたこと!部会の皆さんの普段の地道な活動参加が、よりレベルの高い活動を生み出すことにつながったわけです。
この支援事業話、当初はいささか、瓢箪から駒!晴天の霹靂の感がなきにしもあらずでした。が、新年度は、決意して!覚悟して!この申請をしたいと相談しています。
そこで、この事業の狙うところはなんなのか、行政の言葉でまとめると、こんなことになるのでしょうか。
「地域力再生プロジェクト支援事業」
地域力再生を最重点施策としてきた京都府が、平成19年度からスタートさせたもの。
公共事業についての考え方を歴史的にみると、それまでは行政のみが担うという考え方で進められていました。しかし、それは当然ながら、壁にぶつかります。公共を創り担える社会は、多様な方々が適切な役割分担・協働を図ることによって実現するのですから。

平成十年の特定非営利活動促進法(NPO法)、平成16年、京都府の「NPO協働推進アクションプラン」等はその考え方で策定されました。それらの法やプランに基づき、「協働」の視点から、マネジメント力の向上、気運醸成やルールづくり、活動・交流拠点の整備等の施策が実施されたわけです。その総括を踏まえて、新たに制度化されたのが、この「地域力再生プロジェクト支援事業」。(振興局のTさん、こんな理解でよろしいでしょうか?)
ちなみに、 この支援の元、丹後環境会議   丹後NPOセンター   丹後の自然を守る会  美しいふるさとを創る会  里山ネットワーク世屋 いーね・ふれ愛 野田川良い町づくりの会 森本村づくり委員会 など多くの団体が地域活動を展開、成果をあげているということです。

(↑ 2012,4,30 世屋の春を楽しむ会)

この助成を(あくまで認定されれば、ですけれど。)創造的に生かす知恵を皆さんで出しあってくださいね、それぞれの人生+ワンの課題として。

2012,5,11
野に生えているものをじっとみていると、語りかけてきます。

わしはわし
しぶとく したたかに いきていく
大風吹いたって 大雪降ったって 山が崩れたって
わしはわし
つちにいきてるもん みんなわしの連れ
あいつの次はわし、わしの後はこの子
命をつないで 潔く 死んでいく

あんたはあんた しぶとく確かにいきていけ

わしはわし したたかにくそまじめにいきていく

 

愚直に野に生えているものは、生きる本質をあっけらかんと言い放ちます。その言葉を聞くために、今日も里を歩きます。

【初夏の里の彩り】

ゆきぐにみつばつつじ

ミツバツツジは関東から近畿の太平洋側の樹木だが、その日本海要素のミツバツツジ。

「葉縁は全縁。 表面は無毛、裏面に毛があり、主脈基部に毛が密生する」とか、ルーペがいりますなあ!

シャガ

古くに日本に入ってきた帰化植物。日本に存在する全てのシャガは同一の遺伝子を持つ。

三倍体のため種子が発生しないなどは、彼岸花の事情とよく似ている。

レンゲツツジ

世屋では、別名したまがり。全木にジテルペングラヤノトキシン(grayanotoxin)[1]、ロドジャポニン(rhodjaponine)などの痙攣を含む。呼吸停止を引き起こすこともあるほどつよい。牛や馬も食べ残すので、レンゲツツジの群生地になっている牧場も多い。

きらんそう

別名、地獄の釜の蓋。解熱、咳、痰、下痢、虫さされや、腫れものなどに薬効があり、病気を治して地獄の釜に落ちないように蓋をする力があると考えられたことから。

2012,5,10
薄紅色を、いつから桜色と言うようになったのだろう。私たちは、表現の多様性をもっと取り戻さなければならないのではないだろうか。タニウツギ、君を見ていてそう思う。君の色は、タニウツギ色!

さて、タニウツギでおもしろいのは、たくさんの方言を持つこと。これが咲いたのでマメをまけ、と豆まき花 これが咲いたので鰯が獲れるぞといわし花。苗も植え頃ぼちぼち田植えだと、たうえぼちぼち。よく目立つので、人は暦の役を任しました。
また、このタニウツギ。リョウブと並んで、人の厳しい暮らしを支えてくれました。不作、凶作に常に備えていなければならなかった頃のことです。そう、救荒植物。どちらも、若葉をよく干して臼で搗き、米粒程とし、これを水に浸して蒸し、またよく乾燥させます。いざ、というときには、逆にそれを煮て水気をしぼれば再び食べられるようになりました。二重俵に入れて火棚や屋根裏の乾燥するところに上げておけば、何年たっても味は変わらなかったといいます。

タニウツギは、 スイカズラ科タニウツギ属。日本海型気候に適応した日本特産種。北海道の西側、本州の東北地方、北陸地方、山陰地方の山地の谷沿いや斜面に多く見られます。ローカルな花ですから、薄紅色は桜に譲ったとしても、その美しさは揺らぎません。「田んぼぼちぼち、摘んでとっておくこと、忘れるんじゃないよ」親が子に子が孫に伝え続けた油断なく備える勤勉さがあればこそ、ひとは不作凶作をしのぎ生き抜くことができたことを思えば、タニウツギの花の美しさの味わいは、また深くなります。
タニウツギ色に染められた世屋の谷に、今年もカジカの鳴き音が響きます。

まれに、白花品種のシロバナウツギがあります。

 

2012,5,9

休憩所から里を眺めていました。下から府道を走ってきた一台の車が、休憩所のしたでスピードを緩め、左にハンドルを切り、坂道を上ってくるではありませんか。降りてきたご夫婦とおぼしき二人連れ、消防ホース干し場で絵を描いておられた方がおられましたが、その二人です。アングルを探しに上がってこられたと思い、声をかけようとしたところ、そちらから言われました。
「トイレ貸してください!」

トイレの整備されない観光開発はありません。しかし、駒倉入山口のバイオトイレ、レクレーションセンターの二カ所しかありませんでした。日本の里100選に選定され、エコツーの有望地とされるなか、期待の施設として誕生したのが、昨年7月1日より供用開始された世屋高原休憩所です。
いよいよ本領発揮です。

ちなみに、このご一行、川西からこられたとのこと。写真クラブの人たちのことはしっている。初めて来たがいい絵が描けるところだ。今夜は伊根に宿をとっている、あしたまたここに描きに来るとのこと。このかたたちも、伊根と世屋の組み合わせ、大阪では、一体のコースとして定着しているようです。
(ええ、抜かりありませんよ、パンフレットと名刺、お渡しして、HPもアピールして、営業にこれ努めさせていただきましたよ。)

2012,5,7
休憩所の入り口を開けると、ツバメが入ってきます。初夏です。休憩所の中を鳴き交わしながら飛び回っています。残念ながら、ツバメ語はわかりません。


ところで、彼らの頭にはすり込まれています、「巣作りは人がいる家。」しかし、上世屋は、超限界集落、巣作りのできる農家には先客がいます。ツバメにとっては、超住宅難。そんな事情があります。そんなことを思うと、彼らの話していることは、想像できます。「人間とツバメの間に結んだ協定、人は、一方的に裏切っている!」辛くなりました。
里山とツバメは一体のはず。里山プロジェクトは、ツバメプロジェクト!ツバメが住めるようになったら、世屋で入り乱れるように行われている様々なプロジェクトが完了するのだろうなぁ。コウノトリやトキの復元のように。
それは、さておき、ハギやなでしこ、フジバカマも芽を吹いています、

この子たちは、しっかりと復元し始めています。彼らは、言ってくれます「歩く人が多くなればそこが道になるって言った人がいるだろう!ツバメプロジェクトの完了日へ向けて、、、歩けばいいんじゃない、あなたも!」

 

2012/05/09

平均気温が10度がブナの開葉の目安です。今年のブナの峰走りは4月22日。残雪の残る尾根に緑の碁石をおいたように山の春を告げていました。続いて、24日には世屋の大ブナも開葉。大地と空を結ぶ命の循環の始まりです。春の空に明るい緑がまばゆいほどでした。


このブナは、生育途中に切られることなくまっすぐ伸びたブナらしい美しい樹形を保っています。
Sさんは、ここへ寄るたびにいつもこのブナを抱えます。始めは。胸高周囲をはかっておられるのだと思っていました。樹齢の目安がつけられるからです。その方法によるとこのブナは推定200年。しかし、一回やればわかるはず。それなのに、いつもべちゃー。その繰り返し。


私もやってみました。ヒンヤリしたそれでいてまろやかなはだざわり。落ち着いた感じがしました。元気がたまっていく感じもしました。
ふと思いました。「これなんだあー!充電」。Sさんは体全体でブナのエネルギーを吸い取る充電をしておられたのです。この木は命の充電お立ち寄りスポットだったのです>

同じことをする人がもう一人。ブナの山の旅を続ける坪田和人さん。その著にこう綴っています。「大木があった。幹回りを測ってみると約3.5mだ。樹肌には黒々としたコケが様々な模様を描いている。こんな大木に出会うとつい抱きつきたくなる。大木に触れていると、神聖な命が私の中にかに入ってくるようで、厳粛な気持ちになってくる。」。
あなたも、世屋の大ブナを抱いてみませんか。この木は、上世屋の里を巻いて、成相林道と木子道の別れの手前50m、谷側にあります。

2012,5,7
「母さんが好きだった山ざくらの花は、今年も里より少し遅れてきれいに咲きました。」さだまさしさんの「山ざくらの歌」の一節です。普通の散文が、彼のメロディに乗ると美しい詩に変わるのです。歌は、こう続きます。「新しいランドセル、小川に写ります。ネコヤナギの芽がふくらんで、春は静かに咲きました。タラの芽を摘みながら、あなたに手を引かれ、歩いた山の深みどりは今も変わらない 草笛は懐かしいふるさとのうた」。

さて、「山桜の花は、里の桜より、少し遅れて咲く」。これは本当です。上世屋の里の合力の家の桜は山桜です。この桜は、ソメイヨシノの千代子桜や藤吉桜が4月19日に開花したのにたいして、27日に満開になりました。確かに、「少し遅れて咲きました」。

この歌は、日本の里のイメージソングかもしれません。ついでに紹介します。二番は夏景色です。「夏休み 水遊び ウシガエルの声は 泥まみれで帰った時 母さんの困った顔 盆踊り 新しい絣の浴衣着て 転んだ膝小僧にあなたの赤チンキのにおいがした 麦わら帽 カブトムシ 夕立 拾った子犬 しかられて鳴きながら見つめた赤い夕焼け 遠花火消ゆるあたりは母の里」。三番は秋から冬。「稲刈り 栗 柿にカラスウリ やきいも りんどう そして紅葉 あの子の吐く息 白い霜 やがて雪 あたたかな あたたかなあなたのような 膝のぬくもりが私にも 持てるでしょうか ささやかな幸せ くるでしょうか」。
エンディングは、また春。「母さんが好きだった山ざくらの花は、今年も里より少し遅れてきれいに咲きました。」

合力の家の山桜は、「好美桜」と言います。

2012,5,8
河岸段丘の村、下世屋には、龍渓と呼ばれる美しい谷があります。少しずつ隆起する大地を高山や岳山、鼓ケ岳に発する山の水が浅谷、茗荷谷、世屋谷を通ってここに集中し、少しずつ掘り下げてV字の谷を形成しました。かっては、夏は村の子供たちの水遊び場。尺物のアマゴも釣れたと古老は語ります。
また、龍渓という名は、成相寺より龍の彫り物を依頼された左甚五郎が想を得るため、この谷に七日七晩籠もっておったところ、黒雲とともに龍が天に昇ったという言い伝えによってつけられたということです。


この龍渓には、二つの橋が架かっています。一つは、下川橋。谷を渡るアーチの美しい石造り橋です。もう一つは、龍渓橋。深さ四十メートルの谷をわたります。
五月、谷を渡る藤が盛りを迎えています。耳を澄ませば、谷を埋めるカジカカエルの銀の笛の音。


村の寺、松源寺は、水上勉さんの金閣寺炎上を描いた『五番町夕霧楼』のヒロイン・「ゆうこ」の菩提寺に模された山寺、

よく手入れされた道沿いの家の庭木なども見所です。声高にはアピールすることはなくても、おもてなしの心がひっそりと息づく静かな里、下世屋・龍渓を訪れてみませんか。

府中をよくする地域会議が整備を進めてこられた「雪舟『天橋立図』を旅する -名画の中を歩くまち- 天橋立・府中マップ」の完成を記念して歴史ウォークが開催されます。府中の現地には散策道が整備され、マップに記載された地点に案内板が設置されました。案内板に付けられたQRコードを携帯電話やスマートフォンで読み込むと専用WEBサイトに接続。さらに詳しい情報を得ることができます。

また、4月21日(土)から5月13日(日)に、京都府立丹後郷土資料館にて「丹後国分寺再興縁起」特別公開が開催されており、ウォーク参加者は展示解説とともに見学することができますのでぜひご参加ください。

■日時 平成24年5月12日(土) 午前9時から12時 ※小雨決行(雨天の場合は、丹後郷土資料館の展示見学)

■集合 午前8時50分  天橋立府中側入口(船越駐車場)※地元の方は、徒歩でお越しください。

■コース 船越駐車場-江之姫神社-籠神社-大谷寺-慈光寺跡-安国寺跡-宝林寺跡-天神神社-妙見社-丹後国分寺-丹後郷土資料館(特別公開陳列開催中)

■参加費 丹後郷土資料館の「国分寺再興縁起」特別公開(展示解説あり)の見学希望者は、入館料(200円)が必要。

※65歳以上は無料。※申込不要。

■問合せ 宮津市教育委員会事務局総括室社会教育係 ℡0772-45-1642

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