宮津エコツアー · 7月 2012

7月 2012

4月26日

山の神様を伴って咲いた桜は水を張った田んぼに舞ってハナイカダ、土の目覚めを促すように。

桜に続いて春の花が咲き始めます。

ヤマナシ

レンギョウにユキヤナギ

そんな花を見ながら着々すすめられる、田植えにむけた段取り。

しっとりとした緊張感が大地に漂います。

そばのコナワのセリ。世屋に人が住み始めたのは800年代とか、1200年前。その頃の歌。
「 あかねさす 昼は田賜(たた)びて ぬばたまの 夜のいとまに 摘める芹 これ 」巻20の4455 葛城王

( 昼間は役所の仕事で大変。それでも何とか暇を見つけてやっと摘んできた芹ですぞ。これは! )

 

 

2012/07/24
「おじゃましてます」と水田の草たち!


(↑ 右からイボナ コナギ イネ)

オモダカ、タウコギ、ノビエ、タマガヤツリ、アゼナ、キカシグサ、コナギ、ホタルイ、すぶた、ミズガヤツリ、ウリカワ、ヒルムシロ、クログワイ、イボクサ、クサネム、ウキクサ、、、、etcこれら、水田に生える草たちです。美しい色のかわいい花をつけます。

けれども、水田のおじゃま草。栄養を横取りされる、水温は上がらない、病気の元になる。収穫量や米の品質に影響します。生やしておいてええことはありません。


(↑ 手前 タウコギ)

世屋のお百姓さんは「蚊やアブみたいなもんですわ、、あっちいっとって、はいらんといていうてわかるもんならええですけどなああ」と、こぼします。強制退場させられんものかとなやみます。

けれども、、化学兵器を使ってまで安易な強硬手段には訴えません。このクサに効くこの薬というのが開発されているそうです。しかし、紙クロマルチで抑制するか使ってもごくわずかかでしのぎます。

(↑ 馬場の田)

「あんたらがおらんようになったらなんかこわいで」。山から湧き出る清浄な一番水がはぐくむ命たちとぎりぎりの共生関係を保ち続けます。
だから、世屋米は安全で美味いのです、

 

(↑ イチョウウキごけ 京都府レッドデータ絶滅危惧種 積雪によって乾燥から守られる冬を越せる所に残っている)環境変化に弱い絶滅危惧種イチョウウキゴケを生育させながら作る、世屋米の値打ちはそこにあります。

 

2012/07/24

ネム前線、世屋姫神社を過ぎて、

標高 500mの世屋高原に到着。

里に咲く合歓、

色の濃い花はいかにも桃屋の桃。、

白い花は白桃。

青空を背景にした花は浴衣姿の娘といった風情、


花を訪れる生き物たち

「合歓の巫女」の見た黄色い蝶も頂きや葉の間を舞っていました。

(↑ 中央右下の黄色いもの)

世屋高原はいま、ネムノキ高原です。

バスが宮ノ前の棚田を降りてきました、オンディマンドバスです。

今日のお客さんは、Tさん。冬の雪、夏の草、世屋にくらす年寄りの悩みです。そして、移動手段、これは生命線です。

バス路線を、木子、駒蔵、野間の住民まで利用するからと、上世屋まで延長させた功労者、吉岡初衛さん(元世屋村村長)。生前常々おっしゃっていたのは、「なんとしてもバス路線は維持するように!」ということ。

暮らしを優しく見つめた老政治家の思いが、今も世屋の棚田を走ります。

僻地と都市とは経済効率で話をすることはできません。過疎地、僻地を守るのは政治的努力に期待するところが大です。

その意味で、国会で最近「過疎地域」自立促進特別措置法五年延長 離島振興法改正10年延長という法律が成立しているのは注目しておいていいのではないでしょうか。 この法律延長に早稲田大学の宮口としみちさん (社会地理学・地域活性化論)は、『私は自然を扱う暮らしの技の蓄積こそ山村や離島のかけがえのない価値だと考える』そういう価値を持つ地域だから『国は市場原理が中心になる都市に対し、過疎地域を人間論的・社会論的に、都市では生まれない対局の価値を持つ地域と位置づけるべきである。』 7/17読売- と期待を語ります。 ちなみにこの法律は、次のことを目標にしています。

3.過疎地域自立促進のための対策の目標(法第3条)1)産業基盤の整備、農林漁業経営の近代化、中小企業の育成、企業の導入及び起業の促進、観光の開発等により、産業を振興し、安定的な雇用を増大すること2)交通施設、通信施設等の整備を図ること等により交通通信連絡を確保するとともに、過疎地域における情報化を図り、及び地域間交流を促進すること3)生活環境の整備、高齢者等の保健及び福祉の向上及び増進、医療の確保並びに教育の振興を図ることにより、住民生活の安定と福祉の向上を図ること4)美しい景観の整備、地域文化の振興を図ることにより、個性豊かな地域社会を形成すること5)基幹集落の整備、適正規模集落の育成を図ることにより、地域社会の再編成を促進すること  ・・・・・・・・


景観整備、文化振興!エコツーにかかる期待を自覚しながら、世屋・高山ガイド部会の活動が交通施設の整備、産業振興、安定雇用という目標につながる地域での様々な活動と絡んでいければいいとおもいます。

天橋立ワイナリー併設の農産物直販所がオープンしました。

木の香の新しい広々としたスペース、新鮮な農産品はすべて地元生産者の顔写真付きです。

橋北観光期待のお立ち寄り所です。店には、まごころいちにおられた、Kさんも。世屋エコツーも積極的に提携したいですね。

出品物の中でひときわ眼を引くのは、世屋女性加工グループ産品。まず生産者写真、たくましいせやこまちたち。

ふるさとの土の香り満載梅ジャム、ニンニク味噌などパッケージも垢抜けています、Aちぉん作です。

店内を巡るお客さんのアシを確実に止めています。

これら世屋女性加工グループの商品は、世屋のお婆ちゃんたちが育て、おばちゃんが加工し、娘がデザインしたもの、いわば三世代、地域ぐるみの作品です。 こうして、畑で育てたお婆ちゃんに、加工したおばちゃんにデザインした娘にお金がまわります。

地域の活性化とはこういうことなのでしょう。 先だっての講演会で、京大・岡田先生は経済やコミュニティーの、小さいことの今日的な大事さを説かれました。小さなシステムの、しっかりとしたねづき、岡田先生も、にっこり!なのではないでしょうか。

わたしも、野のものやけど、うってくれん?

明治5年(1872)8月9日 豪雨で天橋立が二分されました。大天橋と小天橋に。その水戸口に三角波?のようなもの。

写真を撮っている橋、大天橋の下をクロダイやサヨリの群れが何度も通っていく。サヨリは時々飛び跳ねながら宮津湾へ。

 

 

体長40cm前後のクロダイの群れ。天橋立運河(文珠水道)でも堂々と遊泳。太公望ならずとも糸を垂らしてみたくなる光景。

正午の天橋立 涙が磯側から小天橋を望む

 

釣果は、「コウイカ」だけではありません。高級魚といわれる「メバル、ベラ、アイナメ、シタビラメ」など。

宮津湾の大部分は砂地の海岸 。きれいな海に欠かせないアマモやコアマモの藻場があります。魚が集まる。太公望が集まる。天橋立はやはり釣り人のメッカ。

 

釣果と思い出 そしてゴミは、必ず、お持ち帰り。お気をつけて・・・

コンクリート護岸がなくゆったり蛇行し岸には堤防林、そんな1960年代の河川環境のイメージを最も濃く残しているところが、

竹野川でいえば峰山町矢田から八坂町和田野の間。

出来過ぎですよ、ここにコウノトリなんて!。

 

 

豊岡から久美浜へ、次はこのあたりが営巣地になりそうだということです。

合歓は夕方から花芽にたたんでいた雄しべ雌しべを伸ばします。ジェット風船、膨らますように水を送り込んで「膨起」させます。

それが合歓の開花です。上の写真は16時ころ。羽化する蟬が羽を伸ばすようです。
花穂はいくつもあります。何日にもわけて順番に開花させるのです。水を供給する弁を外す順番をコントロールしている。精密な仕組みがあるんでしょうね。水門の番人役を置いている!
打ち上げ花火を考えた人は、植物が花を一定期間順番に次々と咲かせていく、つまり「点花」していく方式にヒントを得たのだと思いますよ。
それはともかく、蘂がのびきるのは日が落ちてから。合歓はねむりません、夜咲く花。夜の受粉を意図した虫媒花。蝶と蛾の種の数は、そりゃ圧倒的に蛾がおおい、危険の多い、また暑い昼間にとびまわるのはよほど物好き、行動は夜がいい!それが虫の理屈、ならその虫の理屈に合わせた方がいい!しかし、やはり夜は夜、虫たちにはここだよと目標にならなければならない。どう考えたか。

星ふる月夜に、夜目にも白くボーッと。つまりl幽霊作戦。わたし、幽霊に見えますか?もう一つ、葉がじゃまになる。これを何とかしないと、いけない。そこで、葉に指令をだした、眠っていてくれ。、、、(※病床の母の枕元の合歓がしゃべってくれました。)

去年は横になって寝ていた赤ちゃん。今年もまた、天橋立へ来てくれました。

どうです「ワタチ」のこのポーズ。1歳半になればバイバイもできるし、このくらいはヘーチャラ。お父さんもお母さんも幸せ一杯。

来年は水着姿かな。丹波から天橋立へは近くなりました。これからもずーと来てください。お待ちしています。

 

 

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