宮津エコツアー · 10月 2013

10月 2013

空を薄く染めて日が暮れます。

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世屋から見て東は舞鶴方向。

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(↑10/19撮影)

画面右端には青葉山ことハサミ山。先が割れた双峰山。二つの峰の高さは、東峰が693m、西峰が692m。その差1m。そう言われれば(^.^)公式標高は東峰の693m。

 

生物担当先生方のご案内。初日は天橋立、2日目は世屋・高山ガイド部会担当で既報(10/19)のとおり。

天橋立では、天橋立の成立ち・植生・生き物・環境の問題などの話。

 

智恩寺多宝塔前のりギダマツ  「三葉のマツですね」と、日本のアカマツ・クロマツ(二葉)との違いがお分かり。

P1020048地獄絵  ウソをつくと地獄で舌を抜かれる。子どもの頃の印象が教育者になった今も強烈に残っている。是非皆さんに見せてほしいとのご要望。

P1020050「文樹」と名付けられたタブノキ。

生徒に対する先生のような包容力のある木。ヒノキ、シイ、エノキ、ハゼノキ等10種類以上と共生。

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アイグロマツ(交雑種)の説明   聞いて・見て・触って 納得

P1020059貝類  先日の26号台風の影響で打ち上げられたものが多い

DSCN6048熱心にメモを取りながらP1020065エビクラゲ 瀬戸内や九州で見られるもの。近年天橋立でもよく見るようになった

P1020063ヤツデヒトデ P1020066ウミケムシ  非常に危険な厄介もの。毛1本1本が毒針になっている。

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駅伝のシーズンになりました。

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(↑ 男子一区のスタート)

丹後の中学生たちが健脚を競うのは宮津栗田半島田井海岸マリンピア周回コースです。

世屋の山!松尾田んぼや岳や汐霧山が選手たちに声援をおくります。

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さて、同じ時間に世屋高原では、生物研究会の先生たちをガイドしての観察ウオーク。

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(↑ 松尾から栗田半島 ※撮影Sさん)

Sさん、Mさん、見えてましたよ(^.^)。選手たちの走っているのは、ガイドのMさんの頭上付近。カメラは選手に、心は山へ!

さて、「せや」は[背山」というわたしの語源説。

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海向こうの山、水切りをする手前の少年の頭やや右上の広い三角形の山が岳。

田井から見ると、丹後半島の海岸部に真名井神社、その背後の山がせや。言葉は、発した人の立ち位置そのもの、「せや」は[背山」、渡来人が海から山を見あげてつけた、私たちはあの山の向こうから来たと、、、ますます確信を深めました(^.^)。

山を越えて雲が広がって来ました。

 

やまいもでーす!むかごてーす!ご飯に混ぜて炊きマース、、、!

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ここからがエコツアーガイドの出番(^.^)

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「ツルの根本にイモを作るけれども、茎にもイモを作るんだ。種も作っている。風に頼んで遠くに蒔いてもらうように軽くしてある。だけど、軽くするというのは種が芽をだす栄養を持たせられない訳だから、芽を出せるかどうかおぼつかない。地下のイモと風に乗せる種の両方をミックスさせればいいじゃないかと思ったわけだ、、、。」とヤマノイモさんおっしゃっています。

三タイプの繁殖戦略を備えるという山きっての知恵者ヤマノイモ、そりゃあもうあやからないわけにはいきません。

今度の「ウオーク&イート」びおさんコースは、この山芋のムカゴを使っていただきます(^.^)

 

アズキと里の屋根

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ミゾソバと棚田

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イヌタデと馬場の谷

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里のお奨めアングルで、なぜ大地はこんなに美しいか、なぜ私たちはここにいるのかを問いかけながら美しく秋色に染まっています。

ちなみにイヌタデ。水分豊かな潤いのある気候、アジアモンスーン地帯を代表する花を一つといえば、この花ではないでしょうか。  日本では北海道から沖縄にいたるまで・樺太・朝鮮・中国・ヒマラヤなどアジア一帯のやや湿った豊かな土壌のある所ならどこにでも生育します。

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「水を出しもの しづまりぬ 赤のまま」            ※渚のアカマンマとkuro40周年 投稿者:しまじろう しまさんの恩師の作とのこと。

モンスーンによる雨、プレートに乗った大地は幾多の天変地異をもたらします。崩れた大地を繕うように、哀しみを癒やすように、、、そんなメッセージを携えて咲いているような花です。

また、万葉植物の一つ。

わが屋戸の 穂蓼(ほたで)古幹(ふるから) 摘み生(  おほ)し 実になるまでに 君をし待たむ」

実になるまでに 君をし待たむとは、いつまでもあなたを待っていますよの意味。誰から誰に、どんな状況で送られたうたなのでしょうか。

さらに、アカマンマ以外にオコワクサ、 アズキノマンマ、カカマキクサとよばれていたと『 本草和名』。

 

二十四節季の十七番目、寒露の候の次候は「菊花開く」。10月13日から18日の間です。

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耳をすませば、盛りの野菊が歌い出しますよ。

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♪野菊    作詞 石森延男

1、遠い山から 吹いて来る こ寒い風に ゆれながら   けだかく清く におう花 きれいな野菊 うすむらさきよ

2、秋の日ざしを あびて飛ぶ とんぼをかろく 休ませて   しずかに咲いた 野べの花 やさしい野菊 うすむらさきよ

3、霜がおりても まけないで 野原や山に 群れて咲き   秋のなごりを おしむ花 あかるい野菊 うすむらさきよ

※ 発表は昭和17年。

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(↑ 撮影 10月14日)

ちなみに、石森延男さん、人も自然も 美しくあれ!教員時代より自然にも人間にもヒューマンな視線を向けた童話・童謡を創作。戦後の学習指導要領や国語教科書作りに尽力された教育者、児童文学者。

 

 

 

ひつじ生えの田の畦を刈り終え一年の終了。

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畦の草は虫の巣になります。草を見ずして草を刈る、優れたお百姓さんを表す言葉です。

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そんな 「水田脇の畦道」で渋い黄色の花をつけているのはイヌガラシ。

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彼も里山の仲間ですが、生育地を特定します。水田の中には生えません、あくまでも「やや湿った草地」なのです。学名はRorippa indicaa。朝鮮・台湾・中国・インド・フィリピンにも生育、と言うことですから、稲のお供をして日本にやって来たのでしょうか。イヌという言葉がついていますが、アブラナ科ですので、若葉は食用可。

 

「わたし忘れてない!」という声が足下から。

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おっとと、忘れていました。バッサカの下付近に毎年咲かせている小さな群落があるのです。

学名:Salvia glabrescens Makino、サルビアという言葉が見えます、シソ科のサルビア属。Makinoとは牧野先生(でしょう)。興味深いことに、同じアキギリでも、花の色が地域によって違うことです。濃い紫は本州の中部~近畿地方の山地に限定。兵庫県から南では黄花に変わるのです。このようにある所を境にして色変わりするのにはどんな意味があるのでしょうか。

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ちなみに、この花の形は吸蜜にもぐり込んだ昆虫の背に花粉を付ける仕組みになっています。

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ツリフネソウも同じです。

寒露の候、山にはナナカマドの赤い実、

「湿原に 神の焚く火か ななかまど   堀口星眠」

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海からはハタハタ漁の便り、夜はキリギリスの鳴き音。野は野菊の花の盛り。

畑では、タマネギ植え。

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少し早いようですが、ここの寒冷さは東北並み。植え付けは10月中下旬。

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ところで、タマネギにつきものの涙の原因成分を硫化アリルといいます。それこそ、体の新陳代謝を活発にしたり、血液をサラサラにする働きをするビタミンB1を吸収するのを助ける成分!タマネギは二エジプトではピラミッド建設労働者には給料代わりに支給されたと伝えられるほどの優れもの。家族の健康を守る畑の定番野菜です。

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ちなみにタマネギ、明治になって北海道開拓使によって移入されたものです。一気に普及させたのが、明治初期に関西地方に発生したコレラ騒動。「玉ねぎはコレラに効き目がある!」誰が言ったか定かではありません。

京都府生物教育会の先生たちを案内して、松尾から高山ブナ林へ。雨が心配でしたが、曇り時々晴れでラッキーです。

ブナ林の紅葉はまだ少し早いですが、山桜やヤマボウシなど紅葉しかけたのもあり、これからが楽しみです。

DSC_6593木々紅葉

まずは1600万年前に湖底だった地層が露出した場所へ。葉脈まではっきりわかる葉っぱなどの化石が、泥岩層から出てきます。私有地であり、化石発掘体験は、一人300円ですが、短時間で見つかりますよ(^_-)

化石探索

次は世屋高原の松尾田んぼです。とびっきりの宮津・舞鶴湾の景観が自慢です。道ばたには貴重な植物もあり、さすが専門家ばかり、真剣に見ていただきました。

松尾田んぼからの絶景

駒倉入山口では、リンドウやホクチが出迎えてくれます。

ホクチ

高山山頂では、まだミヤマクワガタが生きていました。

ミヤマクワガタ

秋空の下で食べるペンション自給自足さん特製の「秋のブナ林弁当」は、やはり格別でした。

自給自足特製の秋のブナ林弁当

栗の木の熊棚を2カ所見つけました。

栗の木の熊棚

それぞれ専門の先生5人に、いろいろ教わった一日となりました(^_^;)   <midorimushi>

上世屋展望

 

 

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