宮津エコツアー · 11月 2013

11月 2013

リンドウが満開です。

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「リンドウは枝さしなどむつかしげなれど、異花などのみな霜枯れたれど、いとはなやかなる色合いにてさし出たるいとおかし」 枕草子

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「 山ふところの ことしもここに竜胆の花」 山頭火

「つづらをり はるけき山路 登るとて 路に見てゆく りんだうの花」   牧水

さて、この花の受粉を手伝うのはこの人。

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アカマルハナバチ!

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つぼみであろうと押し広げてもぐり込みます。

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巣を土の中に作るハチです。

ちなみにリンドウの漢字表記は竜胆(りゅうたん)。その根の苦いこと。「クマの胆(い)」の、熊胆(のうたん)と双璧をなすほどのものと言うことです。胃液の分泌を盛んにする成分を含む薬草です

日置の民家のサザンカが満開。

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ところで、サザンカの漢字表記は「山茶花」。「サンザカ」と読めてもサザンカとはよめません。サザンカを漢字表記するなら、「茶山花」になるはず。これは伝言ゲームのミスなんだそうです。サンザカ→サンザカ→サンザカと伝わっていた物が、いつだかだれだか不明だけれども、サザンカと聞いたと思い込んで、次にサザンカと伝えてしまって今日にいたっているといいます。ウソのようなほんとの話し。

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ツバキ科のワックスをかけたようなクチクラ層の発達した葉は、熱帯の強い日差し対応のもの。ツバキ、サザンカ、チャは温帯に適応したもので、晩秋から春にかけて花を咲かせ、冬でも葉を落としません。

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バ中国南西部原産のビワ(バラ科)も事情は同じ。サザンカの近くでつぼみを膨らませています。

 

ススキ群落。

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純粋なススキ群落も、セイタカアワダチソウに押されて少なくなっています。

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そんな中で、良好なススキ景観を誇っているのが木子。

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ここは?

ええ、山を切り開いたのです、、丹後には大きなススキ原がないので、、

まさか!

(`ヘ´)高原の再開発の目的のもと国肝いりで開発された農地です!

その後、幾つもの試みはあったものの定着できず、いかに活用すべきか、模索が続いています。
哀しいかな哀しいかなと周りの森の声、、、!

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けれども、「木枯らし紋次郎」が旅するような広大なススキ野原は、みものといやあみものです、モミジ見がてらあがってらっしゃいませんか。

ちなみにこのススキ原が必要な生き物の一つが、大人の親指ほどで日本で一番小さなネズミ、カヤネズミ。主にオヒシバやエノコログサなどの種子や、バッタやイナゴなどの昆虫を食べて暮らします。世屋や木子のススキ原でその巣を目撃することがありましたので生育していると思われますが、全国的には減少傾向。そのため、環境を見守る「全国カヤネズミ・ネットワーク」が立ち上がっているそうです。

道路際をセイタカアワダチソウが征圧し、今はさながらセイタカアワダチソウロード。

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カーラジオのFM番組はブルース!その声やギターの音が、車窓に流れていく乾いた占領軍の軍服色と妙にフィット。

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ふとセイタカアワダチソウが演奏しているような気がして、車を止めました。

ミゾソバとデュエット!

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ヒヨドリバナとも。

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よそ者であっても、地の物となじみあって秋を彩っている!

これはこれでいいんじゃないかと彼らの歌を聴いていました。

 

 

 

 

 

 

 

縦貫林道成相線から世屋の里方面の斜面。

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尖っているのが世屋観音堂のご神木の杉、その向こうの茶褐色の葉はケヤキ、さらにその上の黄葉した丸い樹幹がブナ。

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推定樹齢二〇〇年の世屋の大ブナ。

このブナに宿ってらっしゃる神様が小春日和の秋の日には姿を現されます!

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(^.^)

錦秋の候を迎えた里山、これから2週間が見頃です。

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8日(金)には、里山ウオークと藤織り体験ツアーを準備しています。

秋の里山弁当付きです。モミジ拾いを兼ねていらっしゃいませんか。

古文書や伝承の伝える地震や津波が、東北大震災や原発事故を契機として、ボーリングなどによって調査が行われ、事実だったと判明したという事例が相次いでいます。
リアス式海岸の美しい若狭湾に浮かぶ冠島、沓島。

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この島を巡っても、巨大地震があったことを年月を明記した記録があります。その古文書は丹後風土記逸文。次のことが綴られています。
まず、“凡海(オホシアマ)”と言う大きな島が存在したこと。
「凡海と称する所以は、古老が伝えて曰く、昔、天下を治めるに当たり、 大穴持命と少名彦命が、この地に到った時に、海中の所在する大嶋、小嶋を引き集め、およそ小嶋10個を以て、ひとつの大嶋となした。それで、名を凡海という。」

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次に、その島が大地震に遭遇し、海に消えてしまうほどの自身に見舞われたこと。
「時に、大宝元年(西暦701)三月己亥、当国に地震あり。 三月震れ続けた。この嶋は一夜にして見渡す限り青々として広々とした様子に変じ、海となった。漸く、わずかに、嶋中の高い山、二峯がともに立ち、神岩が海上に出た。今、常世嶋と名づく。亦、俗に男嶋女嶋と称す。嶋ごとに神祠がある。祭る所の者は、天火明神と日子郎女(いらつめ)神なり。」
天地をつなぐ橋であったが、それがある日突然落ちてしまって今の天の橋立ができたと語る橋立起源譚も天変地異を想像させます。

それにつけて思うのは、木子の地層、

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褶曲したり傾斜した地層やその地層を割る断層!

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素人目にはこれがかの天変地異に相当する地学的な根拠になるのではないだろうか、と思われます。
若狭湾に原子力発電所を集中立地させているのは異常だと思わざるを得ません

11月ウオーク&イートに参加いただいた皆さん。

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皆さんがどこにいらっしゃるかと言うと、、、、

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上の写真奥の山の頂き右上あたりの一本桜付近。 ここの標高約500m。バックの三角の岳山の標高は637m、

この高さは、東京スカイツリーが634m。第2展望台の高さ450m、(ここから非常階段数:2523段)は、松尾一本桜とほぼ同じ、まさしく、丹後のスカイツリー。 ウオーク&イートは天空ツリーの「一本桜展望台」からついたスロープを降るというコースでした。

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ガイドをお願いした小谷さんの手にされるのは松尾小史。写真を示しながら地元で暮らしてきた方ならではのホットでレアーな語りに引き込まれました。

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ウオークのあとはイート、ビオラビットさんでお昼。

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スタートは秋野菜のテリーヌ、

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木子の山の手摘みのムカゴはピュレに、世屋の山のナツハゼはソルベに、

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世屋のたんぼのレンコンはポタージュに、嶋田さんの手剥きの栗はアイスに、

それぞれ対馬シェフが今日のために考え抜いてくださったメニュー。

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1品1品が「おいしい」は土産しいと書くんですよ、とアピールしていました(^.^)。

里山の歩みと自然と里山素材の食、これぞ[エコツアー](^.^)

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9日は、松尾小史の世界第二弾、こだわりの十割りそば丸丹さんにお世話になります。残席僅少(^.^)。

長岡緑の少年団の手によって休憩所に植えられたモミジが美しく色づき始めました。

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さて色づいたモミジは紅葉、

おなじく色づいた「こうよう」でも、ばっさかのカツラ、こちらは黄葉、

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ではこの葉っぱは?

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色比べするかのように休んでいました、虫偏に葉で蝶とかくじゃないですか(^.^)。

東の村の男がいいました、「わしの村には小さな紫の花をつける草がある、その苦さといったら他に勝る物はあるまい」と。

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西の村の男がまたいいました、「わしの村にも小さい黄色い花をつける草がある。その苦いことといったら世に二つとあるまい」と。

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それではその苦さを比べて見ようではないかと旅のお坊さんに審判を頼んで比べたと言うんじゃ。

けれどもその苦いこと限りなくどちらも優劣つけがたい。引き分け!

それではただ苦いではつまらん、良薬口に苦し、効き目でどうかを比べようではないか、

たまたま西から来て病んで苦しんでおられる旅の方がいる、

一方東から来た病んで苦しんでおられる旅の方がいる、

それぞれ煎じた汁を飲んでもらって効き目を比べよう、そういうことになってなぁ、

そうしたところどちらの旅人も、みるみる元気になって旅を続けられたんじゃ。

と言うことでこれも引き分け、そこで、お坊様、苦さも薬効も優劣のつけがたい、この勝負は引き分けじゃ、

わしが名をつけて進ぜよう。紫の花には、病に倒れていた人を起こすほどであったので「クロバナヒキオコシ」、

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医療を司る薬師様の乗り移られたような効き目を見せたによって黄色い花には「ヤクシソウ」。

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いらい、それぞれ今でもそう呼ばれている。このお坊さん、なんでも弘法様とおっしゃるお坊さんじゃたそうな、、いちがぶらり、、(^.^)!

大江山は、宮津湾の奥、日置からは南東の方角なので、朝は光る海の向こうにシルエットになります。

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山体は実になだらか。 標高は、東から西へ赤岩山(669m)杉山(697m)とほとんど同じです。

毛布着て寝たる姿や大江山 世屋野蕪村   地学的に言えば「レンズ状」になっていると表現します。

その岩体は、地球のマントル起源のかんらん岩。

さらにかんらん岩の中心部は変質して蛇紋岩になっている。

この石は、石綿をとるほど水を浸透しやすい。

そのため、地表を流れる水が少なく谷が形成されにくい、と言う理屈です。

アンダスタンド?

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(↑ 11/1 夕景 世屋川河口から)

大江山は丹後の名山です、

♪希望の窓にたたずめば遙かに煙る大江山強く伸びよと今日も呼ぶ♪

京丹後市の大宮中学校でも校歌に詠まれています。

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