刻まれた文字の消えた墓標の前で、ここはわたしが咲くのと咲く野菊。
けだかく清く におう花!
しずかに咲いた 野べの花!
秋のなごりを おしむ花!
咲いて散れの「菊」の時代です。菊はイエギクだ!軟弱な野菊を頌えるとは何ごとだ!けれども石森延男さんは、日本の子どもの心には「野の菊」を、と軍部とたたかったそうです。
万葉集には「うはぎ」という名で歌われています。
「春日野に 煙立つ見ゆ 娘子(おとめ)らし 青野のうはぎ 摘みて煮らしも」
花より若葉、食い気の方が優先しているようです
「足元に日のおちかかる野菊かな」 一茶