2013/05/09
水面を覆う緑のつぶつぶ。イチョウウキゴケ。
他の地域では見られなく成っています。京都府絶滅危惧種、環境省準絶滅危惧種指定の希少種です。
機械と農薬の力によって省力化をはかり、効率をあげる!そういう施策の前に生き物は無力でした、、、。
なぜここに残っているのか。
その秘密は、清浄な冷たい水と、泥に足跡の残る曲がった畦の水田が語っているのでしょう。
世屋・高山ガイド部会の活動ブログ
2013/05/09
「お花見にいらっしゃいませんか。」というと「櫻がまだ咲いているんですか」と聞かれそうですね。
花は櫻ばかりが花ではありません、じゃあ、例の藤ですか、それも!
もったいぶらないで教えてくださいな。という前振りをしておいて、これ、
「ハナイカダ」。シーボルトさんが持ち帰った植物で、学名は、Helwingia japonica。その西洋では花序の軸が葉の主脈と癒合しているのは珍しいが、花には「うつくしさはない」という評価。ところが、日本人は違いますも感動するのです。美しいわー!
『「花筏」という名前ひとつで、何かドラマができそうな気がします。花は永続するものではありませんし、筏も水の上を流れ去っていく。美しいけれど、はかない雰囲気に満ちています。ハナイカダという植物もそれにふさわしく、しっとり湿った山林の道ばたや谷沿いにひそやかに咲き、実を結び、いつの間にか実を落として、ごくありふれた潅木にもどっていく。いわば隠れ里の佳人の風情といえばあたっているかもしれません。
「大阪百樹」 www.ne.jp/asahi/osaka/100ju/Hanaikada/Hanaikada.htm 』
美学は風土です。川が日本のように急流でなく筏流しもないヨーロッパでは思いも付かないことなんですね。
しかし、目立たないのはほんとうです、こういうときガイドが重宝しますよ(^.^)。
2013/05/06
「愛しく思い合う仲むつまじい夫婦の語らいから生まれた言葉です(^.^)」と説明したくなる言葉があります。
「藤波」がそれ!
「ごらんなさい、ことしもまた、風が揺らしていますよ、花房を。」 「ほんと、まるで寄せては引く波のようですね」
国語辞典には「藤の花が風で波のように揺れ動くこと。《季 春》」と定義してあります。
ただし、会話はまだ続いたと思います。
「山の神様が里におりてきてくださった証拠です。」
藤は農業神の依り代とされます。藤を冠する地名、人名の多さがそれを物語ります。その花が揺れるのは、神の依られた証しに他なりません。
: 藤波の、咲き行く見れば、霍公鳥(ほととぎす)、鳴くべき時に、近づきにけり 田辺福麻呂
古代の人々は、藤の花が風で波のように揺れ動くのを豊作の約束とみたのです。
世屋の里でも、そんな藤波に見守られて苗が健やかに育っています。