宮津エコツアー · 世屋・高山ガイド部会

世屋・高山ガイド部会

世屋・高山ガイド部会の活動ブログ

2012/07/15
どこへ行くの?

あの雲のなか!

上世屋ブナ林は、観察道整備は、上世屋の自治会の皆さんが村仕事として取り組んでくださっていました。 その整備にガイド部会も加わって三年目。今年も、7月1日、作業がありました。

駐車場バイオトイレから高山山頂までは約1,4Km、

あいにくの雨ではありましたが、ガイド部会員さん8名始め皆さんの奮闘により、ゆったりと歩くことのできる道が整備できました。

このコースは、田んぼから奥山のブナ林まで水で結ばれる里山の構造を辿ることができる点で他にない特徴をもったコースです。秋の紅葉が楽しみです。気が早いですか?!


ちなみに、Mさんが見上げている赤いテープは、去年の二月の積雪ライン。

2012/07/13

ヤブカンゾウの側で、いよいよ私の出番よ、いった風情で野菊が草丈を伸ばしています。
さて、万葉の草木がほほえむ世屋の春を楽しむ会、世屋の里五地区巡り、世屋の夏を楽しむ草花観察会、いずれも、「世屋らしい」取り組みと感想をいただくことができました。ひきつづいて、「秋」です。


秋のお題は「薬草」。「世屋の秋を楽しむ薬草観察会」(仮称)として準備していきます。植物の色も匂いも味も、多種との競合や虫の食害、ばい菌の攻撃から身を守るための手段です。人間は、植物の知恵をいただいて健康を守ってきました。世屋の里にも多く伝承があります。
春は文化と植物、夏は環境と植物、秋は、健康と植物。概論・フィールド・応用体験など地域の皆さんとも楽しんでいただける「世屋ならでは」の内容をつくっていきましょう。

 

京都新聞のある記事。
大見出し「50歳以上が9割 200人参加も」
横中見出し「山の三角点を通るトレッキング 人気」
縦小見出し「京都バス 安全に配慮 10人以上同行」
写真とキャプション(本格的な登山が楽しめると人気の三角点トレック 高島市)
・・・・・・
「50歳以上が9割」   「 山」   「トレッキング」 こんな言葉に反応したのでしょう、ブナ林や里山(棚田と岳)のトレッキングなどで世屋のガイドを利用いただいた方と共通しているので。
それが「人気」だって?「200人」も参加しているって、その秘密は何?「安全に配慮」!具体的には?「10人同行」なるほどそりゃすごい、で、それはどこがやってるの?「京都バス」フームム。世屋部会エリアの「岳山」も640mながら「三角点」じゃないですか。
・・・・これは読まざるを得ません。記事には、このツアーは「1996年に始め、これまで京都の北山や比良山系などの山で、約120回開催した」。世屋のツアーに京阪神から参加いただいた方の中には、このツアーを利用されている方がいらっゃるかもしれませんね。「往復バスを利用できることと安全管理」これが「人気の理由」。バスについては、参加費が往復で、1100円含む資料代。安全管理については、「登山になれた社員が下見し、登山道を整備。10人以上がツアーに同行し、分散して誘導している」。
この事前の下見、整備、また複数ガイドの対応、これは世屋部会のやってきたことじゃありませんか。「エーゲ海クルーズツアーよりよかった」とは里山・岳ツアー参加者の感想。世屋の里が他に比べても遜色のないトレッキング資源を有していることは評価済みです。「ハイキングよりも健脚者向き」でという注文にも、たとえば、
■下世屋~松尾田んぼ~岳 ガラシャ夫人隠棲コース
(バス降車下世屋 岳下待ち受け)
■ 世屋姫神社~上世屋棚田~岳  日本の里・棚田直登展望コース
(バス 同上)なら、こたえられるのでは。
7月7日に催行予定の「三谷峠・なっちょコースツアー」は、標高812m、歩行距離約9km、ということです。その歩行距離なら、
■岳登山口~岳~高山ブナ林~内山~五十河 丹後半島分水嶺コース(バス降車 岳下 乗車 五十河)
が相当するのではないでしょうか。

あちらにニーズが生じており、こちらにもソフトがある!のです。なら、あとはハードな部分。京都の北山や比良山系と丹後との距離差は、自動車道整備により、ぐーんと縮まっています。北部観光コーディネータ養成研修受講者の短絡的な頭は、ぴぴーんとスケッチします。そして、勝手に夢を見ます。京都に京都バスがあるなら、我が丹後にも、「T海陸観光バス」。そこに限らず健康志向の中高年の要望を吸収し、観光立地、地域振興につなげる意義を認め「円滑に安く」ソロバンをはじいてくれる関係者はあるのではないか、と。

2012/07/13
スズサイコ が世屋の棚田の土手に、咲いています。

ただし一本だけ。この観察は、 要ガイド!草に紛れて発見は容易ではないです。

湿地には クサレダマが咲いています。群生しています。

クサレダマの好む貧栄養で酸性の土壌が形成されたせいでしょうか。こちらは木子への道から見ることができます。 いずれも、世屋の里のレッドデータ植物です。
世屋の里は、優れた景観が評価され、日本の里100選。しかし、生物多様性に関して、里山イニシアチブを掲げる日本のなかで、その充実は、100選に甘んじていることはないでしょう。人が現代の衣食住を持続可能の面から、安心安全の面から見直したときに、それを喜んだのが、これらの生き物です。世屋の里の棚田「景観」の中で息づいている生き物たちの喜びよう、輝きようは、日本の里のなでも、トップレベル!(ではないでしょうか)。
光田重幸先生、「畦や側溝を含めると日本の水田に記録されたいきものは、5668種。これらが、なぜ日本の水田から消えていくのか、その実態を知ってもらうこと、そういう棲息環境保全の意味を伝えることはエコツーリングの課題」。
読売新聞の記者、藤井さんが、その視点で、八日の観察会を中心にして豊かな生き物の豊かに息づく様子を記事化すべく、取材してくださいました。

合歓木の巫女もにっこり。近日掲載予定。要注目、読売新聞。

2012/07/11
夏は、豊かな実りの約束。11日、バッサカの棚田付近に到達した合歓の花が、世屋姫神社に夏を運んできたことを報告しています。

畦道には、ヤブカンゾウが、里に登っていかれる夏の使者合歓のご一行の露払いをする松明のように咲き始めました。

美しく咲く合歓の花は、平和を祈る優しい志のようです。そんな合歓の花にまつわる話があります。
・・・・
(blog.goo.ne.jp/silvergrass/…/c7d25dad85cf14dbfa2e5ddf15b3aeda さんより)。
巫女の娘が 菜の花色の蝶を見て、
初めて合歓木に花を咲かせることに成功し、
嬉しくて
沢山の合歓木に花を咲かせるんだ

けど、ある日
隣国に
故郷と合歓木の丘が焼き尽くされて、

絶望のなか
一人で
巫女の力を使い、丘を再生させる話。

最後に
いつも日向ぼっこしていた秘密の岩に行って、
岩を抱くように生える大きな合歓木を
残りの命 全部使って再生させ、
再び咲いた合歓の花と、その白桃の香りに包まれ、

菜の花色の蝶を見ながら、
美しい走馬灯に 涙を流して 死ぬんだ。
・・・・・・・


「合歓木の巫女」というお話です。
「故郷と合歓木の丘」を「焼き尽く」したのは、「隣国」とは限りません。私たちの内にも「隣国」はいます。木子の森をめくったのはその「隣国」ではなかったでしょうか。当たり前の生き物植物を「希少種」にしてしまったのも、その「隣国」。
世屋の里で今、みんながやろうとしていることは、この巫女の娘がやろうとしたことと同じ、「岩を抱くように生える大きな合歓木を再生させ、再び花咲かせる」ようなことなんだと思います。しかも、この話と違うところは、巫女の娘は一人ではないこと。たくさんの「娘」ががんばっていること!

 

2012/07/09

「いやいやいやいやこれはー!」数を減らしている貴重なものを見つけられたときの光田先生の癖です。そして、ルーペをとりだして、むーんここがこうなってこーだから、確かに■■■です。そんなことの連発。

光田先生には、今、日本の里山で生物たちのさらされている危険な状況、そうなった原因を踏まえ、その中で、「世屋の里」はどんな意味を持っているのか、そこをフィールドで検証してみよう、そのことを観察会の真ん中において、準備し、組み立てていただきました。

そうした中での、「いやいやいやいやこれはー!」です。田んぼの周辺ではサンショウモ、イチョウウキゴケ、畦道でスズサイコ、道端でコウガイセキショウ、林の縁でクロウメモドキ、ヒゴスミレ、そして湿原でミズチドリなど。また、遺伝子レベルでは、ムラサキシキブがくまつづら科はなくなって「シソ科」に連なるものになったなどもお話いただきました。


そんな草花に訪れる蝶、小さな虫を補食しているトンボ、それらをこの模様が特徴で食草はなどと的確に同定し解説してくださったのは、鳴き砂文化館の松尾館長。命はつながって人間のそのつながりの中にいるのです。
草深い山の里が貴重動植物野息づく命の里にみえてきた一日でした。


伊根町、与謝野町、京丹後市、遠くは市内から、大阪からも、合計29名の方に参加していただきました。参加していただいた皆さん、素敵な会場を提供していただいた合力の家、心を込めて里山弁当を準備していただいたしおぎり荘、

暮らしの場を開放していただいた里のみなさん、手作り加工品を準備いただいた加工組合のみなさん、ありがとうございました。
部員の皆さん、お疲れ様でした、21Cは環境の世紀!環境全体を守りながら観光に生かすエコツーリズムの意味と方法について、また新しく勉強させていただけた一日でした。
さっそく、大阪シニア自然大学校の里山ガイドの希望が入っています。7月20日、8月25日です。今回の研修で得た新しい情報などガイドにぜひいかしていきましょう。

2012/07/07
ガマはメイガなど※農業雑虫の食草です。ほんとの百姓は容赦なく刈ります。ところが一等田のこなわに立派に成長したガマ。

Iさんが、残しといてくれ いうんだ、

針かけか!

ぴんときました。Iさんは民俗学者でもあります。世屋のガマは、伊根の漁師のご指定なのです。延縄の針を掛けるのにはすぐ外れる素材が必要です。それにガマを用いるのですが、世屋のガマでないとだめだというのが結論なのだそうです。

えだっちや!残しといたら、M君げの田んぼはいなげなもんのこしとるいわれるし、

ぼやきます。
「大きい魚ととりかえっこするだあな」訳のわからん仲介をします。ガイドとしては残しておいてほしいのです。

ちなみにガマ、茎も葉もわかります。花は、どれでしょう!雌しべは?雄しべは?
世屋の里のガイドに尋ねてください(^.^)というために。
※雑草をエマーソンは「まだ価値が発見されていない植物」と。虫もそうなのではないでしょうか。農業害虫は人間の立場での用語です。ニュートラルな立場に多少戻して、農業雑虫といいました。私のパソコンには学習させました。

2012/07/06

里にはアジサイ、

畑ではきゅうり、

畦にはハハコグサが咲きました。

その田んぼでは、稲が分けつ(株分かれ)し、太く黒く見るからにたくましくなっています。
このころ、田んぼは、中干しをおこないます。中干しとは、水田の水を落とすことです。


稲の生長に必要な栄養を葉に葉に送るにはしっかりした根が必要です。空気が土の中にたくさんあることが大切なのです。
水があることを前提にして田んぼに暮らしていたものにとっては、中干しは困ったことです。移動できるものは近くの※コナワへ避難します。コナワは、中干しシェルターです。
蛙の場合は、この時期までに多くは陸に上がるように適応しています。しかし、産卵が遅いものはまだオタマジャクシのまま。中干しは、五日間ほど。再び水が張られるまで試練の時です。
水田植物たちも成長します。コナギ。

オモダカ。

それとわかる特徴的な葉の形を呈してきました。  紙マルチを使用する意味がわかり始めます(^.^)。

※「こなわ」 山間地の里山なので水が冷たいため、田んぼの廻りに、水路を作り水を温めてから、田んぼに引きこみ、「ひよせ」と言う地方もあります。

2012/07/06

悪臭とは思いません、「独特の臭気」と語られた方がありますが、賛成です。この匂いの元になっている物質は、ドクダミをねらう疫病神を撃退する力を持っています。この物質の名前をなんというか、ドクダミン!「十種の薬能あり」とされるそうですから、ドクダミンA!ドクダミンB!ドクダミンC!、、、、まさか(^.^)

「デカノイル‐アセトアルデヒド」これは、人間をおそう疫病神退散にも優れた効果があるとして、パウダー 軟膏 茶 酒 等さまざまに応用されています。
さて、このドクダミの花期は、6~8月、つまり夏の花です。

そこで、明後日の「夏」の草花観察会に向けて一夜漬け!
■花は、中心部の黄色いしべのように見える部分。たくさんの小さな花が集まって、ひとつの大きな花のように見える形を作っていること。いくつの花が集まっているのですかと聞かれた場合は、「アザミ」は100ぐらいですけど!とそらす。それをいざぎよしとしない人はルーペで調べておこう!!、
■4枚の花弁のように見える部分は総苞片(そうほうへん)

 

2012/07/06

■ 明後日に迫った「草花観察会」募集枠を上回る27人参加で開催できる見通しになりました。今回のお弁当はしおぎり荘さんにお願いしています。「世屋・里山弁当」というお題で、丸橋さん始め厨房スタッフの方が知恵を絞ってくださいます。

■ 草や樹木の生育している、自然界は、「逆境」です。ままならぬ様々な環境の中で、他の命とつながりながら、生き方に戦略を持ち、知恵を巡らし、苦労しながら、「したたかでたくましく」生きています。 そんな植物の言葉や生き物同士の会話が聞こえたらどんなに楽しいことでしょう。光田先生は、人間と草木たちの間に立って  世屋高原の植物たちのそんな「人間ぽい」世界に連れて行ってくださることと楽しみにしています。

■ 予定

午前中  光田先生のお話
上世屋田んぼでは、水田雑草、彼らを「敵視」していません。紙マルチによる雑草対策はするものの除草剤を用いずに耕作しています。自然との共生をいうとき、水田植物として彼らも視野に入るはず。彼らと「共生しながら」の米作り、世屋の里のささやかな挑戦の意味は!

【観察地】のうだ田んぼ周辺の畦、草地
水田には昨年秋から、イチョウウキゴケ サンショウモ 鹿角ゴケ サワトウガラシなどの生育が確認されています。田の周りには水路を作り水を温めてから、田んぼに引きこむ、「こなわ」もあります。 田んぼに水が涸れても水の残るこなわは、昆虫やかえるドジョウ、湿地植物などの生物のパラダイス。

午後  【観察地】木子峠付近 丸山田んぼ・大ふけ湿原と周辺の林、


世屋高原の木子峠付近は山体がへこんでいるそうです。そのため沼になり、湿原になりミズゴケが覆い、寒冷なため腐植せず層が積み上がり、高層の湿原になりました。数千年の時間が作った環境です。周囲には、落葉広葉樹林が保全されています。丸山では、その中に、人がお邪魔して「水田」をいとなんでいます。自然と人間の接点です。耕作してある水田の標高は、丹後一。林から産むモリアオガエの卵塊は高さも量も日本選手権並。チョウ類  トンボ類などの  昆虫類も豊富に観察できます。
■  世屋の里、各村の標高。 下世屋 110-150m  上世屋 340-370m  木子 450-490m

■ お願い 湿地湿原付近の観察については、管理者・関係者の理解・協力がいただける範囲で行います。ご了解ください。

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