宮津エコツアー · 6月 2012

6月 2012

2012/06/28
「ネムノキの花が開き始めましたが、梅雨前線はまだまだ眠っていません。週末の大雨に警戒してください。」と報じたのは、6/22のテレビ宮崎・天気予報。
6月28日朝、丹後町此城で、開花を見ました。

大宮バイパスなど丹後一帯では、まだ見られませんので、今年の初花。宮崎から一週間かけての北上、とおもいます。

北上を続けるこの合歓の花前線、
■2011年7月6日  富山市
梅雨前線が南下した影響で、5日の県内は晴れ間が広がった。 富山市宮町の県道では、街路樹の ネムノキが咲き始め、薄紅色の花と濃い緑の葉が青空に映えていた。
■2010年07月09日 銚子市
庭のネムノキに花が咲きはじめました。でも、色が薄く、数も少ない状態で撮影意欲が湧きません。
などという記事が検索できます。

世屋街道を辿って上世屋、世屋高原に到達するのも、その頃、7月初旬になるでしょう。

 

2012/06/27
すごいことをいう人がいるもんです!「昔話の中に登場する「聞き耳ずきん」という頭巾がある。これをかぶると鳥や獣の離すことがわかるようになるという代物だ。この本をお読みいただくあなたは、きっと雑草の世界を感じる「聞き耳頭巾」を手に入れることになるだろう。」稲垣栄洋さんがその人。

 

身近な雑草の愉快な生き方』(ちくま文庫)のプロローグの一節。だいたい、自信たっぷりな宣伝文句はたいしたことないのが多いのですが、なかなかどうしてすごい内容です。多いぬふぐ利、(オオイヌフグリ)の花の受粉戦略なんか爆笑。また、負けず劣らず、植物ファンを魅了しているのが、『チョウチョはなぜ菜の花にとまるのか』(草思社)。彼は、葉から葉へひらひら飛ぶモンシロチョウにインタビューを敢行、なんとその秘密をしゃべらせているのです。さらに、この本は、「今まさに逆境に立ち向かっている方々」」に読んででほしいと著者はコメント。、雑草こそ、「したたかでたくましく」「逆境に立ち向かいつづけ」ているのだから、この本は、人生の「力強い応援歌」となるはず。と。不肖私も、好むと好まざるを問わず、「今まさに逆境に立ち向かっている方々」の一人!期待を裏切らない一冊。、
実は、私のブログネタの多くはこの書から!!。だまってしったげーにいっとりゃあええのに(^.^)。世屋の夏を楽しむ草花観察会の前に読んでいただければ、「楽しさ」倍増と思ったものですから、舞台裏暴露。

2012/06/27
「里山の保全に、わたしたち何ができる?」「草刈りからはじめれは!」BSの里山番組の問答です。そうです、草は、高齢過疎地の悩みです。上世屋のおばあちゃんたちは、草刈り機を使いません。鎌です。

草刈り支援は、大変意味があります
田植え前後に初めの草を刈ります。でも、それは一回ではすみません。第一弾ですっきりしたと思っても、まもなく「夏草」、第二弾があります。
その夏草に向かい合えば、出会うものがあります。マムシ!

餌となる蛙もネズミのたくさんいます、だから必ずいます。 マムシは、8~10月に出産、 交尾も8~9月  7月も近くなると活動が活発化します。そのマムシとの遭遇今年三回目!です。
「マムシ」。卵胎生で腹に特徴があるため、漢字では虫偏に腹。蛇全般をながむし、特に毒が怖いながむしを、ムシの中のムシということでマムシ。さて、このマムシに遭遇したとき、お百姓さんは、どうするか。確実に駆除します。甘いことはしません。
かみつきに行ったわけじゃない関係ないやんか、それはそうです。襲いかかることはないということです。しかし、見逃したために、他の人が咬まれることがあります。一番近いのは、鎌で草刈るおばあちゃんたち。
「まむしに咬まれた

まむしは おそろしい
8月20日 江宮のおばあさんがまむしに咬まれたところを肝試しをしている僕たちが見つけた
ゆりこちゃんが思わず泣き出した。
「ギャギャギャ」
おばあさんが、「ゆりこ、もうおばあちゃん あかん」といいなった
この前も、まさのりさんとこのおばあさんが、まむしに咬まれなった
みんなまむしに気をつけよう」   昭和49年、小川信一朗君の詩です。

生き物なのだから、躊躇するのは都市の感覚!殺しておくことは親切、それが義務。農村共同体の論理です。あくまでも、法律で認める「特定(危険)動物」!


ちなみに一回目は、民家のそばの草刈り、カメラ、と思いました。二回目は、木子の鍋淵道、草むらの葉の上でとぐろを巻いていたので、よけて歩きました。三回目、休憩所裏の石垣の草刈り、このときは、草刈り機のアクセルを引き回転をあげました。
ところで、 これはあくまで里の人の生活圏内での話、マムシは、森の番人。「上世屋・内山動植物特別保全地域」では、森に入れていただきます、お役目ご苦労様です、と帽子をとってご挨拶して行かなければなりません。

また ながむし、たとえばアオダイショウとまむしが遭遇したらどうなるか、ながむしが飲み込んでいたと木子ファームペンションのUさんの目撃談。

2012/06/27
オリンピックがまもなく。スタミナを競うために、パワーを競うために、技を競うために、鍛え抜いた選手たちの体は美しいです。戦い抜いた笑顔も涙も美しいです。 海浜の植物をみると、そんな選手たちを思います。
潮風、強風、飛ぶ砂、遮るもののない日差し、乾燥、薄い土壌、貧しい栄養、こんな条件はいいはずがありません。
けれども命たちは、あえて挑みます。
ユウスゲ
スナビキソウ
ナミキソウ(京都府 準絶滅危惧)

テリハノイバラ
フナバラソウ
大陸系の草地生遺存植物と思われるが、生育はごくわすか。
京都府カテゴリー 絶滅寸前種 環境省カテゴリー 絶滅危惧種II類(VU) 近畿レッドデータブックカテゴリー 絶滅危惧種C。

ジオパーク海岸の風衝草原はそんな条件に適応するよう戦って進化させた選ばれたものたちの聖地です。

2012/06/27

珍しい!

ウキクサがこれほど一面に覆う田んぼは。

しかし、無理して、薬をまいて、取り除かないのがこの田を守るお百姓のポリシー。稲の生長にいい訳ない。水温は上がらない、酸素は奪う。それはわかっている。薬があるのも知っている。やればあっという間に除去できるのも知っている。でも、薬は使わない。撒いたこともある。そのとき、お玉が白い腹を見せて浮いた。その記憶が生きている。

作る量を競争している訳じゃあない、安心できるものができればいい。手間暇惜しまず命と向かう、それが彼の米作りの流儀。

それはそうとウキクサ。浮いている緑は、葉か茎かといえば茎。茎が葉っぱになった。つまり、葉状体。浮くことができるのは、葉状体に空気がたまる空気室がある。つまり、葉状体が浮き袋。バランスを取ってひっくり返らない。それは根が重しになっているから。

増え方は爆発的。一つが、※ここでクイズ、(イ 400 ロ 4000  ハ 40000)に。答えはハ。


さて、Mさん。これも乾かして受験生のお守り袋に詰めたらいいと思いませんか。、うたい文句は、爆発的に知識が増える!山口神社と世屋姫尋樹でしか扱わないことにする。どこかの怪しげなお守りより絶対に御利益がある!売れないって?ウキクサ人生送られたら困る!、、、、それもそうですけど。

 

関東以北に生育すると言われている「ばら科のオオズミ」。遠く離れたこの地に・・・気がかりです。ときどき生育状況を報告します。

 

 

白砂の海岸をピンク一面に染めて、お客様を楽しませてくれた花期が終わり、次の準備を始めました。

果実の中には、数個の黒褐色の種子ができます。

ヤマナシも、ヤマグワも天橋立で孤軍奮闘、この1本だけです。養蚕用のクワ畑に栽培される場合は、葉を摘みやすくするために低く仕立てられるが、天橋立ではそうはいきません。ここは天下の特別名勝天橋立の松林の真只中。活きるか死ぬかの真剣勝負。松には負けられません。人の手には届かない高いところに果実。天橋立は、珍しい植生も多い。虫がいて鳥がやってくる。このヤマグワも鳥に運ばれたのかもしれません。クワは雌雄同株、果実は赤色から黒熟する。食糧難を生き抜いた年代には、唇を紫色に染めた甘酸っぱい思い出があります。

2012/06/26
五月五日、竹内君に田植えを体験してもらいました。

400mの高度差がある日置と上世屋では、苗の育て方が違います。日置で田植えができる状態でも、上世屋の気候に耐えることができるか心配でした。しかし、何とか根付いているようす。二週間後、その田んぼのお百姓さんが、苗代で育てておられた苗をあらためて田植えをされます。田植えの前には、念入りに代掻きもされます。その田んぼに竹内君の苗が10株ほどですが、育っています。訳を話し、残せるか頼んでみました。
「種類はなんでゃあ」おひゃしょうさんは、植えた苗の種類を聞きました、お米は、お百姓さんの大事な「売り物」です。種類が違う米がたとえ少しでも混じっていたのでは、信用に傷がつきます。幸い、日置からもらってきて植えた稲の種類はコシヒカリ。お百姓さんが植えようとしているものもコシヒカリ、同じ種類でした。
「棒を立てておいてくれ」OKしてくれたのです。棒をよけて代掻きをし、自分の田植えをしてくれました。

だから、稲のラインがふくらんでいます>

その後、畦には、モリアオガエルが卵を産み付けました。

田んぼの中では、あの日メスの争奪戦をやっていたトノサマガエルと一緒に元気に大きくなっています。

竹内君の稲は、お百姓さんの苗と比べて少し小さいです。最初の二週間の環境が影響しているのかもしれません。けれども、夏本番の日差しを受けて、追いつくことでしょう、日本一のお百姓が育ててくれます。

秋には、お茶碗いっぱいぐらいにはおいしいご飯が食べられるお米がとれますよ。

バス停「下世屋」
2012/06/24
アジサイのそばに立つバス停、

ここに止まるバスは、来ません。このバス停で、来るはずのないバスを、ある男に待たせたい、それは寅さん。

オバチャン、バスなかなか来ないね、どうしたんだろ、
バスかい どこへ行きたいんだね?
「カミセヤ」
ここはもう通らないだよ
(ここで怪訝そうな顔ができるのは寅さん。)

だって、たってるじゃないか、

来ることはくるがね、呼べばな。

そりゃあ便利だ じゃあ呼んでよ、

あしたまで待つかね、

(現代的システムに対応できないのも寅さん)
カミセヤへ行くのかい そうならちょっとまってなよ、じいちゃんのトラックで送らせるから!

山田監督が委員長をつとめる日本の里100選選考委員会の選考基準は、寅さんが似合うところ、とか。

世屋の里・五地区の中で、寅さんが見える所の一つが、ここ、アジサイのそばに立つ来るはずのないバスを待つバス停。

 

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