宮津エコツアー · 12月 2012

12月 2012

2012/12/19

4月25日に出会った固体。

蛹で越冬したのが羽化したのです。蛹の殻は寒さに耐えるカプセルですが、かなりの低温に耐えられるといいます。具体的には-196℃と書いてありました。
しかし、それって細胞までカチンコチンになってしまうことじゃないですか、原始生命じゃあるまいし、かりそめにも高等生物ですよ、-19,6度の間違いじゃないですか。どうなんでしょう。

長いストローで蜜を吸います。

庭の仏さん花にもきます。

どちらの花も赤いです。赤い色には蜜がある!体が覚えているのでしょう。アカを探せ!蝶の眼はアカを感知する力はあるのです。それにしても、彼らの眼はどれくらい見えているのでしょう、どのように見えているのでしょう。視力検査ができればおもしろいですね。
幼虫の食草はセリ科植物。

秋に出るシシウドを見ていれば、産卵する様子もまた幼虫もよく観察できますよ。それにしても、不思議なのは産卵する草の大きさを若い小さいものに特定していること、花の咲いたような大きくなったものには産みません。なぜか、何しろ幼虫は食いしんぼ、。

黄緑と黒のしま模様の五齢幼虫の食欲タルやたいしたものです。食べ盛りになった頃にシシウドも大きくなっているのです。うまく考えています。でも、どうやって判断しているのでしょう。

2012/12/19
岡の前の棚田で放置され、カズラがまきついてなんとも景観を損ねていたミズキ、

それを、部会の皆さんで切り倒させていただきました。

その時、発見したのが、これって「アカネ」!

見ると、一帯に群生しているではありませんか。

それから、ここをアカネの丘、と命名して、里山ツアーのコースの大事なメニューになりました。


そのアカネが今注目されているということですよ。なんでも、アカネが携帯電話を劇的に安くするという可能性があるとか。というのが、バッテリーとして使われている今のリチウムイオン電池、リチウムとコバルトを組み合わせているんだそうです、その組み合わせに高いエネルギーが必要でコバルトも高価という問題がある、それを解消するものを探していたアメリカ・ライス大などの研究グループが、その方法と物体を見つけた、それはアカネが持っている成分だったと言うことなのです。

その成分の名前は、「プルプリン」、何ともAKBのような美味しそうな名前です!なのに、リチウムと室温で合体し、充電の回数も遙かに多くかつリサイクルも容易という優れもの、
Mさん、どうです、岡の前全部でアカネを栽培しますか!

 

2012/12/18

世屋姫神社の「オオモミジ」が、このほど宮津市天然記念物に指定されました。

オオモミジ!というのはですね、、、、そのう、こういうことです、、、、。
「カエデがあります。紅葉モミジがきれいな木です。ウリハダカエデ、イタヤカエデ、ハウチワカエデなどとともにイロハカエデという種類があります。これは、葉が七つに裂けている、その数を「いろはにほへと」と数えたので、と言うことです。そのイロハモミジをみていると、どうも葉が大きい、木がより大きくなる、成長が遅いというグループがある、同一種としてははみ出てしまう、変種ということにしよう、と言う経過で、「オオモミジ」と名付けられたカエデです」

世屋姫神社には二本生育しています。

どちらもご神木として大事にされている木ですので、大きくなっています。

宮津市教育委員会による調査では、うち一本が、胸高幹周 2,7m 樹高16m。この種としては宮津市内最大樹と認定されたという次第。

保全管理面では、竹や椿、檜などに囲まれて息苦しそうなのを改良してやる必要があるかな、と思われます。

自然系の写真には鉄と油とコンクリート、いわゆる人工物は困ります。神様の贈り物、日本の真珠、天の橋立を人工物なしで撮るポイントはどこにあるか、探しました。

ウーン

フー!

すまん、

ごめん

オッ!

ムム!

参考までに、、天の橋立は鳥さんからはどうみえているのかと、鳥になった方の空からのレポート。

(↓ 二枚とも舞鶴の鳥さん )

また、此の天の橋立について、

振興局のHPでは、「今から約4000年前世屋川をはじめとする丹後半島の東側の河川から流出した砂礫(されき:砂礫とは砂や小石)が海流により流され、野田川の流れからくる阿蘇海の海流とが、ぶつかったことにより、江尻側よりほぼ真っ直ぐに砂礫が海中に堆積しできたものといわれています」と紹介しています。

さらに、観光客の「殿上人日記plaza.rakuten.co.jp/siroihana/- キャッシュ」さんは、「丹後半島の東側の河川から流出した砂礫」について、

『2万年前には宮津湾が陸地化していたそうだが、氷河期が終わり海面が上昇し、2~3千年前の地震によって大量に流出した土砂が海上に姿をみせ始め、宮津湾の西側沿岸流で砂礫が運ばれ、天橋立西側の野田川の流れによる阿蘇海の海流にぶつかり、砂礫が堆積をしてつくられた。「丹後国風土記」によれば、伊射奈芸命(いざなぎのみこと)が天に通う為にハシゴを立てた「天の橋立」が、大神が寝ている間に倒れ、今の姿になったとも伝えられている』。と、地震説を紹介されています。ほほー!どういう根拠を持って地震説をあげられたのか教えていただきたいと思いました。「天の橋立」が、大神が寝ている間に倒れたというのが、何によるのか、不思議に思っていました、高速トンネルの天井のように、手抜き工事は神の代にもあったのか、と笑っていたのですが、自然現象を背景にしているのなら、納得できます。また、地震説は史実なら真名井神社の波切地蔵のなぞの伝承とも符号するではありませんか。

さらに、世屋の里の、下世屋の河岸段丘、松尾や上世屋の地滑り地形の形成を説明するカギにつながるではありませんか。この「地震によって大量に流出した土砂」説について、どなたかお教えいただけないでしょうか。

 

 

2012/12/18

虹は、「大気光学現象」ともいいます!

水滴をプリズムにする虹は、太陽を背にして向井の方角に出ます。

世屋の山や日置の海にうらにしの虹が出るのは晩秋の午後、東の方向です。


一方、西の空、七色の並び方も逆、太陽に向かってみえる虹もあります。

左側に、光り、

右側にも光り。

二つ合わせて、

(↑ 2011年8月7日 男山付近)

両側の虹は太陽と同じ高度の位置に見えます。「幻日」といいます。専門的には、太陽からの角度は22度、雲の中の氷の粒に原因があるのだそうです。高度の高いところに薄い雲があるときにできます。

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2012/12/18
休憩所に登る坂道に野菊を植えて、「ノギクの坂」と名付けました。

ノギクは、秋の日差しをいっぱいに浴びてキタテハに、蜜をふるまっています。


さて、なぜノギクの坂なのか、もうぴんとこられた方もおありでしょうが、元は、「野菊のハカ」。これほど日本の里の日本の家の日本の若者たちの近代を美しく哀しく描いた作品はないでしょう。秀作なのに、詠まれることが少なくなりました。その場面を引用してみます。

、、、、、、陰暦の九月十三日、今夜が豆の月だという日の朝、露霜が降りたと思うほどつめたい。その代り天気はきらきらしている。十五日がこの村の祭で明日は宵祭という訣故わけゆえ、野の仕事も今日一渡り極きまりをつけねばならぬ所から、家中手分けをして野へ出ることになった。それで甘露的恩命が僕等両人ふたりに下ったのである。兄夫婦とお増と外に男一人とは中稲なかての刈残りを是非刈って終しまわねばならぬ。

民子は僕を手伝いとして山畑の棉わたを採ってくることになった。これはもとより母の指図で誰にも異議は云えない。
「マアあの二人を山の畑へ遣るッて、親というものよッぽどお目出たいものだ」
奥底のないお増と意地曲りの嫂とは口を揃えてそう云ったに違いない。僕等二人はもとより心の底では嬉しいに相違ないけれど、この場合二人で山畑へゆくとなっては、人に顔を見られる様な気がして大いに極りが悪い。義理にも進んで行きたがる様な素振りは出来ない。僕は朝飯前は書室を出ない。民子も何か愚図愚図して支度もせぬ様子。もう嬉しがってと云われるのが口惜しいのである。母は起きてきて、
「政夫も支度しろ。民やもさっさと支度して早く行け。二人でゆけば一日には楽な仕事だけれど、道が遠いのだから、早く行かないと帰りが夜になる。なるたけ日の暮れない内に帰ってくる様によ。お増は二人の弁当を拵こしらえてやってくれ。お菜はこれこれの物で……」


まことに親のこころだ。民子に弁当を拵えさせては、自分のであるから、お菜などはロクな物を持って行かないと気がついて、ちゃんとお増に命じて拵えさせたのである。僕はズボン下に足袋たび裸足はだし麦藁帽むぎわらぼうという出で立ち、民子は手指てさしを佩はいて股引ももひきも佩いてゆけと母が云うと、手指ばかり佩いて股引佩くのにぐずぐずしている。民子は僕のところへきて、股引佩かないでもよい様にお母さんにそう云ってくれと云う。僕は民さんがそう云いなさいと云う。押問答をしている内に、母はききつけて笑いながら、
「民やは町場者まちばものだから、股引佩くのは極りが悪いかい。私はまたお前が柔かい手足へ、茨いばらや薄すすきで傷をつけるが可哀相だから、そう云ったんだが、いやだと云うならお前のすきにするがよいさ」
それで民子は、例の襷たすきに前掛姿で麻裏草履という支度。二人が一斗笊一個宛ひとつずつを持ち、僕が別に番ばんニョ片籠かたかごと天秤てんびんとを肩にして出掛ける。民子が跡から菅笠すげがさを被かむって出ると、母が笑声で呼びかける。
「民や、お前が菅笠を被って歩くと、ちょうど木の子が歩くようで見っともない。編笠がよかろう。新らしいのが一つあった筈だ」
稲刈連は出てしまって別に笑うものもなかったけれど、民子はあわてて菅笠を脱いで、顔を赤くしたらしかった。今度は編笠を被らずに手に持って、それじゃお母さんいってまいりますと挨拶して走って出た。
村のものらもかれこれいうと聞いてるので、二人揃うてゆくも人前恥かしく、急いで村を通抜けようとの考えから、僕は一足先になって出掛ける。村はずれの坂の降口おりぐちの大きな銀杏いちょうの樹の根で民子のくるのを待った。ここから見おろすと少しの田圃たんぼがある。色よく黄ばんだ晩稲おくてに露をおんで、シットリと打伏した光景は、気のせいか殊に清々すがすがしく、胸のすくような眺めである。民子はいつの間にか来ていて、昨日の雨で洗い流した赤土の上に、二葉三葉銀杏の葉の落ちるのを拾っている。
「民さん、もうきたかい。この天気のよいことどうです。ほんとに心持のよい朝だねイ」
「ほんとに天気がよくて嬉しいわ。このまア銀杏の葉の綺麗なこと。さア出掛けましょう」
民子の美しい手で持ってると銀杏の葉も殊に綺麗に見える。二人は坂を降りてようやく窮屈な場所から広場へ出た気になった。今日は大いそぎで棉を採り片付け、さんざん面白いことをして遊ぼうなどと相談しながら歩く。道の真中は乾いているが、両側の田についている所は、露にしとしとに濡ぬれて、いろいろの草が花を開いてる。タウコギは末枯うらがれて、水蕎麦蓼みずそばたでなど一番多く繁っている。都草も黄色く花が見える。野菊がよろよろと咲いている。民さんこれ野菊がと僕は吾知らず足を留めたけれど、民子は聞えないのかさっさと先へゆく。僕は一寸脇わきへ物を置いて、野菊の花を一握り採った。


民子は一町ほど先へ行ってから、気がついて振り返るや否や、あれッと叫んで駆け戻ってきた。
「民さんはそんなに戻ってきないッたって僕が行くものを……」
「まア政夫さんは何をしていたの。私びッくりして……まア綺麗な野菊、政夫さん、私に半分おくれッたら、私ほんとうに野菊が好き」
「僕はもとから野菊がだい好き。民さんも野菊が好き……」
「私なんでも野菊の生れ返りよ。野菊の花を見ると身振いの出るほど好このもしいの。どうしてこんなかと、自分でも思う位」
「民さんはそんなに野菊が好き……道理でどうやら民さんは野菊のような人だ」
民子は分けてやった半分の野菊を顔に押しあてて嬉しがった。二人は歩きだす。
「政夫さん……私野菊の様だってどうしてですか」
「さアどうしてということはないけど、民さんは何がなし野菊の様な風だからさ」
「それで政夫さんは野菊が好きだって……」
「僕大好きさ」


民子はこれからはあなたが先になってと云いながら、自らは後になった。今の偶然に起った簡単な問答は、お互の胸に強く有意味に感じた。民子もそう思った事はその素振りで解る。ここまで話が迫ると、もうその先を言い出すことは出来ない。話は一寸途切れてしまった。
何と言っても幼い両人は、今罪の神に翻弄ほんろうせられつつあるのであれど、野菊の様な人だと云った詞についで、その野菊を僕はだい好きだと云った時すら、僕は既に胸に動悸どうきを起した位で、直ぐにそれ以上を言い出すほどに、まだまだずうずうしくはなっていない。民子も同じこと、物に突きあたった様な心持で強くお互に感じた時に声はつまってしまったのだ。二人はしばらく無言で歩く。
真まことに民子は野菊の様な児であった。民子は全くの田舎風ではあったが、決して粗野ではなかった。可憐かれんで優しくてそうして品格もあった。厭味とか憎気とかいう所は爪の垢あかほどもなかった。どう見ても野菊の風だった。、、、、、、、

世屋の里に来られたら野菊の坂。藤棚の下に信楽焼のテーブルセットがありますから、それに座り、里を見ながらじっくり読み味わってください。私たちはどこから来たのか、どこへいくべきなのか、、、背板をしょった政夫と民子が山から下りてくるかもしれませんよ。ひょっとしたら、ノギクの上を舞っている二頭のチョウは政夫と民子の生まれ変わりなのかもしれません。

※ キタテハ 夏型(地色が黄色っぽい)と、秋型(地色がオレンジっぽい)があります。秋型は成虫で冬を越します。幼虫はカナムグラを食べます。

 

募集:スノーシューで大江山を雪上ハイキング

ふかふかの雪の上をサクサク歩くと心も体も内側からぽっかぽか。 概要 スノーシューとは、西洋式の「かんじき」のよ […]...
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