オミナエシも秋の七草。
「秋の田の穂向き見がてり我が背子がふさ手折り来る女郎花かも」
これも大伴家持さん。
「宴に招かれた官人たちの一人が女郎花を土産に持ってきたのだろう。その女郎花を家持が歌に詠んで、歌会の口火を切った。」と解説子は説明します。
世屋の里を展望する岡の前が、ナデシコロードの雰囲気になってきましたよ。
「我が宿のなでしこの花盛りなり手折りて一目見せむ子もがも 、、、庭の撫子(なでしこ)の花が今を盛りと咲いていますよ、、、」(^.^) と歌ったのは大伴家持さん。
ちなみに ナデシコテーマの歌は『万葉集』に27首、そのうち中12首が大伴家持の歌なんだそうです。
「なでしこがその花にもが朝な朝な手に取り持ちて恋ひぬ日なけむ 」
意訳すると「あなたはなでしこの花。毎朝、手に取って愛でているのですよ」
奥様の大伴坂上大嬢(おおとものさかのうえのおおいらつめ)さんに捧げられた歌と伝えます。
ついでに、他のナデシコ歌は以下の通りです。
0464: 秋さらば見つつ偲へと妹が植ゑしやどのなでしこ咲きにけるかも
1448: 我がやどに蒔きしなでしこいつしかも花に咲きなむなそへつつ見む
1510: なでしこは咲きて散りぬと人は言へど我が標めし野の花にあらめやも
1538: 萩の花尾花葛花なでしこの花をみなへしまた藤袴朝顔の花
1549: 射目立てて跡見の岡辺のなでしこの花ふさ手折り我れは持ちて行く奈良人のため
1610: 高円の秋野の上のなでしこの花うら若み人のかざししなでしこの花
1616: 朝ごとに我が見る宿のなでしこの花にも君はありこせぬかも
1970: 見わたせば向ひの野辺のなでしこの散らまく惜しも雨な降りそね
1972: 野辺見ればなでしこの花咲きにけり我が待つ秋は近づくらしも
1992: 隠りのみ恋ふれば苦しなでしこの花に咲き出よ朝な朝な見む
4008: あをによし奈良を来離れ天離る鄙にはあれど我が背子を…….(長歌)
4010: うら恋し我が背の君はなでしこが花にもがもな朝な朝な見む
4070: 一本のなでしこ植ゑしその心誰れに見せむと思ひ始めけむ
4113: 大君の遠の朝廷と任きたまふ官のまにまみ雪降る…….(長歌)
4114: なでしこが花見るごとに娘子らが笑まひのにほひ思ほゆるかも
4231: なでしこは秋咲くものを君が家の雪の巌に咲けりけるかも
4232: 雪の嶋巌に植ゑたるなでしこは千代に咲かぬか君がかざしに
4442: 我が背子が宿のなでしこ日並べて雨は降れども色も変らず
4443: ひさかたの雨は降りしくなでしこがいや初花に恋しき我が背
4446: 我が宿に咲けるなでしこ賄はせむゆめ花散るないやをちに咲け
4447: 賄しつつ君が生ほせるなでしこが花のみ問はむ君ならなくに
4449: なでしこが花取り持ちてうつらうつら見まくの欲しき君にもあるかも
4450: 我が背子が宿のなでしこ散らめやもいや初花に咲きは増すとも
4451: うるはしみ我が思ふ君はなでしこが花になそへて見れど飽かぬかも
世屋高原休憩所でも、盛りです。
次のなでしこジャパンの闘いは東洋カップ、がんばれ、ナデシコ!
第三回ウオーク&イートでは、フジ棚下が緑の風の吹き抜けるオープンレストランになる予定です(^.^)
ここにスイレン鉢をおいて、イチョウウキゴケ、サンショウモを浮かべて、見ていただこうと考えました。 イチョウウキゴケはイチョウの葉に似ているのが命名の元。。 ■京都府 絶滅危惧種 ■環境省 準絶滅危惧種 サンショウモはサンショウの葉に似ているので。 ■京都府 絶滅寸前種 ■環境省 絶滅危惧II類 いずれも、「世屋の棚田の宝物」。
ふと、『小さな花の歌』の一節、、、、♪ああぼくの生まれた村は小さな村だけどメダカ・沼エビ・ミズスマシが幸せに生きていたんだ♪(※ガイドウオークパンフに歌詞掲載)おもいました、メダカがいればいいなあ、実は、上世屋には湿地湿原はあっても メダカは確認されていません。水田が減少し、残っている棚田も乾かしたりするためメダカの生息環境が壊れたのだろうと考えています。 よけいに、「メダカ」。ミドリムシさんに相談すると、京丹後市上常吉の知り合いが飼っている!、、、 したがってこのスイレン鉢にはそういうことでお輿入れいただいた絶滅危惧II類(VU)のメダカが加わることにより生態系がつながり、ミニながら中身の濃い「ビオトープ」になりました。
ちなみに、メダカは「メダカ北日本集団(Oryzias sakaizumii )」と「メダカ南日本集団(Oryzias latipes)」の2つに分けられて、丹後・但馬地方が分布境界にあたるのだそうです。南日本型はさらに水域ごとにさいぶんされるということですから、奥の深い生き物です。
世屋川は下世屋から奥が数百メートルにわたって美しいV字谷をなしています。その中心部が龍が壺。世屋川の生態系を二分する魚止めの滝になっています。
渓谷美の観察が出来るように!ふるさと会議「世屋」さんの手で周辺整備がされていますが、その草刈り、部会からも参加させていただきました。
総勢七人、さすがに草には向かいなれていらっしゃる皆さん、
荒がりするもの、刈ったものをかたづけるもの、丁寧刈りするもの、
除草はどんどんはかどり、谷の底の神秘な谷底まで到達することが出来ました。
崖や川底が世屋の里の大地の歴史を語ってくれます。但し、崖の落石、滑りやすい川底など危険です。
観察は谷向かいの広場からしてください(^.^)
ヤブカンゾウは哀しからずや さけども咲けども実はならず! というのは人間の感傷で、しっかりと根で広がります。
それにしても、群生してはいますが、点在して生育もしています、これは、どう考えたらいいのでしょうか?
さて、このヤブカンゾウ、真夏に咲くからにはそこは有害な紫外線にあふれた世界であることは百も承知、花を守る段取りをしないで花咲くことはありえません(^.^)
それがトロピカル色、
カロチノイドがその役目をしているということです。
このヤブカンゾウ、対馬シェフに持ち込んだところ、、シャーベットにと考えてもらっています、藤、こせんじょ、に続く第三弾です、。おいしさに憂いを忘れる一瞬を楽しめるヤブカンゾウソルベ、請うご期待!
蒲入と書いて、「かまにゅう」と読みます。世屋の里が丹後半島の森の里なら、蒲入は、最先端にある漁師の村です。
バスはその蒲入へいきます、
若狭湾の海沿いを走り伊根の町に行き、そこから峠を二つ越えたところに蒲入の村はあります。
この村の漁師さんには「海にはふねをおそうおそろしいおばけ、ウミンバがすんでいる」と伝えられているそうです。「大きな まっくろい からだは 山のようで 口は 耳まで さけていて つめたい いきを は」き、「目は ギラギラと ひかっていて、八本の うでは カニの つめに にている」ということです。(※ コメント欄を参照ください(^.^))その言い伝えを柱にして漁師の家族のふれあいを描く『うちゅうでいちばん』というお話が出来ています、 書かれたのは児童文学者の作者川北亮司さん。そのウミンバを絵にされたのは藤本四郎さん。
岩崎書店(おはなしトントン)シリーズの一冊として発行されています。
対象は小学校低学年ですが、ほのぼの元気の湧く話しですよ(^.^)
※川北さんは、藤織りのお婆ちゃんに取材した「かわいいおにばばたち」というお話もあります。
※ お話の中のウサギのお葬式は、本庄小蒲入分校で実際にあったことだそうです。
その時のスナップ。川北さんのブログから拝借しました。