H27.5.22.京都新聞掲載 宮津世屋エコツーリズムガイドの会・安田会長
スキバホウジャク
スキバとは羽が透けていること、ホウジャクとは蜂雀。スイカズラ アカネ、オミナエシを食草にするスズメガ科(Sphingidae) ホウジャク亜科のガ。環境省絶滅危惧2類、数は多くない種類です。ガなのに、鳥や他の肉食昆虫の襲撃をかわす俊敏な飛翔力を獲得したために昼間飛び回り、花々の吸蜜が出来ます。
もちろんアザミからすれば蜜は花粉の伝達、受粉と引き替え。一つの花冠にぎっしり花を詰め込んだり、おしべを筒にして雌しべを包んだり、雌しべと花粉の成熟期をずらしたり、絶対確実にたねをのこすぞという構え。
ほうじゃくもまた、細い雄しべの管の奥の蜜をすいとるしなやかな口吻を発達させたり、、生き物の世界もまた、知恵と知恵の競合なんですね。
山にはキハダ、サンショウ、カラスザンショウ、ミヤマシキミなど、いずれもミカン科。これらを食草に近似種のミヤマカラスアゲハとカラスアゲハ。
どちらも飛翔力抜群の大型チョウ。
さて、タニウツギで吸蜜する個体、
これはカラスアゲハ!
ではこれは?
下世屋 龍渓付近で染み出す水をすっていました。発見場所は「昆虫エクスプローラ」でいう、ミヤマカラスは、「山地性で、緑深い山奥の渓流沿いなどで見られる。アザミなどの花で吸蜜したり、地面で吸水していることが多い。」に該当し、後翅弦月赤紋や金緑色の鱗粉の美しさから素人目にはミヤマカラスといいたいところです。
どうなんでしょう?
さらに、これは!
「ガ」なんです、ジャコウアゲハの雌に擬態していると考えられ「アゲハモドキ」と命名。ジャコウアゲハは毒草ウマノスズクサを食草にして体の中に毒を溜め捕食者に襲われにくくしていて、それに似せようとこの体色体型になったといいます。
それなら、アサギマダラモドキもウスバシロチョウモドキというのもあっていいようにおもいます。u
♡型になって交尾するカワトンボ!
トンボの腹は,10の節でできていて、オスの場合胸の付け根から,2つめの節に,副性器があるために交尾はこんな愛すべき形になります。
産卵は、川に浸かった枯れ木の、水面付近。
オスは、近くで見守っています。
止まるときに羽を閉じるタイプと開くタイプがありますが、こちらは閉じるタイプ。ピタッと重なっているのは前後の羽の大きさが同じため。
トンボの古名は「あきつ」。万葉集ではその羽を高級な絹布のイメージと重ねて、歌われています。
◇あきづ羽の、袖振る妹を、玉櫛笥(たまくしげ)、奥に思ふを、見たまへ我が君
トンボの羽のように透き通った衣の袖を振って踊りを舞っているのは私の嫁なんですよどうですか心底ほれているんでわ、、、ちょっかいなど ご無用になさってくださいね(^.^)
作者:湯原王(ゆはらのおおきみ)
ウム!
キンポウゲ 、、、ウマノアシガタ、、、?場所柄から、、、ノー!
としたらば、おそらく、たぶん「トリカブト」!
日本三大毒草の一つ。天橋立も日本三景、、日本で三本の指に数えられるのはたいへんな実力なんですが、かれも毒力というんですか、そういう面ではすごい実力者。あと二つは、ドクゼリとドクウツギ。丹後では、ドクウツギはみたことがないのですが、どうなんでしょう。ということでつまり、丹後には超要注意植物が二つあるので、ご注意!というところです。このトリカブト、誰が間違うかと思いますが、雰囲気はミツバや山菜とされるモミジガサに似ています、厚労省も同種による中毒事故は過去10年で14件(患者数33人・死者は3人)と発表し、注意を呼びかけている※ということです。
ちなみに、この毒、虫対策。
ジャガイモの芽にはのソラニン、ヒガンバナ科のリコリン、トリカブトはアコニチンという毒成分でバリアをはっています。
けれども、このバリアを破るのがいるわけで、トリカブトの場合、ヤガ科キンウワバという蛾が食草にしているそうです。
※ 日本農業新聞 5月18日(月)
小町公園で「ナンジャモンジャ」が盛りです。
さて、ウィクペディアの解説は「ヒトツバタゴを指す」としながら「ことが多い。」と続くところがミソ。
ヒトツバタゴばかりでないよほかのものも、ということ。何が、、、見慣れない立派な植物、怪木や珍木例えば、クスノキ タブノキ クロガネモチ イヌザクラなど。なぜ、、、元々は占いや神事に利用されていたもので、ご神木を人がつけた仮初めの植物名で直接呼ぶことは憚られたものであろう『雑学おもしろ事典』、こう説明してあります。この説明はおもしろいですね。見慣れない立派な植物、怪木や珍木、こういう樹は太古「登れば天上世界(日の国・神々の国)へ、根の方へ降りれば地下世界(根の国・黄泉国)へと行け」るハシゴと考えられていたと、斉藤さんもおっしゃっています。
※2004-2009 Kiichi Saito 丹後の地名
おおきくなって、内山のぶな林へとどくような巨木になれよ!とパチリ。ちなみに、タゴ というのは、トネリコのこと。この木は単葉(一葉)ということなので、といいますが、なるほと゛という所は確認できていません。
龍渓の谷を埋める緑 明るい緑はアワブキ、白っぽい緑はリョウブ。
沢音に交じる笛の音!聞こえませんか、、
さて、カエルの季節。
「カエルのおっちゃん、モリアオガエルが産んでいるよ!」
それより、なぜこんなものがこんなところに、、!?コンクリート池。
K林業さんの杉除伐の後に現れたもの。丘の上にも。
あんた、なんだと思う?
あれだ!
年輪をかぞえると、約60数輪。
ソウだろう。
監視哨跡、、、『高原の璧しょう』には、昭和16年の建設だったとある海軍省見張り所。
70年間、モリアオの楽園になっていたのでしょう。
それにしても、危ない。
「埋める?」
「埋めてすむ!」
、、、、、どうやら容易でないとんでもないものを彼は指さしているようです。
コバンに似ている、といわれればなるほどそうだと思います。
他に、俵に似ているじゃないか、私的には「タワラムギ」とおっしゃる方もあって、支持も多いということです。外来種。暑さも苦にせずひょうひょうと風にまかせて揺れる日本の草にはない野趣が認められて移入ということです。枯れてもドライフラワーにと重宝されますが、小判という割りには、財布に入れておくと、というような話は聞きません。薬草的な実力も認められていません。
交じっている赤い花はマンテマ。これも珍しい花じゃ、と持ち込まれたもの。荒れ地に美しいしぶとい花だと思っていましたが、ナデシコ科、、、道理で。
「一本ハマナス」
潮かおる 北の浜辺の 砂山の かの浜茄子よ 今年も咲けるや (石川啄木)
ウィクペディアでは「名所[編集]日本においては、ハマナスは北海道襟裳岬や東北地方の海岸部、天橋立などが名所として知られる。」と。群生を見たいと思われる方は天橋立へどうぞ。