宮津エコツアー · 3月 2014

3月 2014

雪解けのたんぼの畦を覆う緑。

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セリの群生です。
1つところに「せり」あって互いに「せまり」あって生えているから「せり」せせらぎ付近に茂り合っているから「セリ」。頷ける光景です
セリ,ナズナ,ゴギョウ,ハコベラ,ホトケノザ,、、、と、せりが春の七草のトップバッターに位置づけられています。

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冬場の食生活にかけている「ビタミン、ミネラル  βカロテン  食物繊維等をたっぷり含んでいて待ち焦がれていた食材なのでしょう。また解熱や神経痛、リューマチ、黄疸などに薬効がある成分も含んでいると言います。

万葉集でセリをやり取りした歌を、「www1.ocn.ne.jp/~montana/seri.htm」さんが素敵な訳をつけて紹介してくださっています。

 あかねさす 昼は田賜びてぬばたまの 夜のいとまに摘める芹これ    葛城王      巻20-4455

(「田賜びて」 = 班田使としての仕事をして。 多忙な任務をこなし、夜になってようやく摘んだ芹です。どうぞ。
この葛城王とは後に臣籍に降りた橘諸兄のこと。)

 ますらをと 思へるものを 刀佩きて 可爾波の田居に芹ぞ摘みける    薜妙観命婦   巻20-4456

  (立派な太刀を履いたあなた様が、泥田にはいり私にために芹を摘んでくださったのですね。
ますらをと、背を屈めて芹を摘む不恰好な姿の対比が面白い。)

冬を耐えた体が求める物を含んだ青菜としてセリは「貴重品」だったのでしょう。
噛むとしゃりしゃりと音がするから「せり」ともいいます。確かめにいらっしゃいませんか。

この田は腰までつかるジル田でした、,,,‥

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さてあまのはしだてを世界遺産に、とかひきあげきねんかんをなんちゃらいさんにとそういうための運動が盛んに報じられています。わすれちゃいけないつたえなくちゃいけない、、それはそれで大事なことなんです、,ふと思うのですが、案外忘れられているのが、八十八の手間暇ををかけるという米作りの労苦。それを瑞穂の国、日本人が忘れちゃったら日本人でなくなっちゃうじゃありませんか。腰までつかるジル田で作っていたなんて完全に忘れられているじゃないですか。おいしいブナ水こうのとり無農薬米などとブランド化されて売られています。しかし、それって機械化乾田化、大規模化されて八十八の手間暇などはなくなっています。

加えて昨今のイノシシの害。

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それを修復しながら保たれる棚田の美しい曲線。

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これらのたんぼからは八十八の手間暇の匂いがします。稲木立つも現役です。けれども、tppによって食糧主権が損なわれようとしています。作り手が意欲を失えば原野に帰ってしまいます。原野に帰れば二度と同じものはできないでしょう。「ふるさとミュージアム」「雑穀ミュージアム」ミュージアムがちょっとハイカラで耳あたりのいい横文字言葉なので「丹後こめづくりミュージアム世屋の里」そして、「瑞穂の国の農業遺産として未来に遺そう!」なんてのはどうかなとおもいながら、この写真を撮りました(^.^)

丹後にもサクラが咲き始めました。

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(↑ 3/20 大宮町)

桜前線の桜はソメイヨシノ、その到着で春!というようなことになっていますが、そうではありません。丹後には丹後に自生している野生種のサクラがあってそれが春を告げるのです。それがこれ、マメザクラ。
さて、「さくら」と誰がいつ頃どのあたりでどういう根拠を持って言い始めたかについてはわんさかと研究が進み、ほぼでそろっていると言うことです。それがまとめあるのがこちら、『「草木名のはなし」

http://www.ctb.ne.jp/~imeirou/和泉晃一』古文書の文章まできちんとしょうかいしてあり説得力があります。その諸説を時系列的に言えばさくら=さ+くらという民俗学からの主張が古いのではないかと思います。いわく「サ」とは農耕の神、穀物の霊、稲そのもの。「クラ」はその「依り付くところ」。ちなみに稲の霊を意味するというこの「さ」。さ行の音は同行の「さしすせそ」の音に変化しやすいとのことです。つまり、「さ」は「せ」になった可能性があると言うことです。なにがいいたいかというと「せや」姫は「さや」姫であった可能性があると言うことです(^.^)

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、、、、、せやひめさまほんとのところはどうなんですか、もうぼちぼちほんとのことをおしえてくださってもいいのではないでしょうか(^.^)!、、、、
お姫様でいえば「コノハナノサクヤビメ(木花之開耶姫)」の「さくや」をとったという説もあります。これは時間的にはあとのことになるのではないでしょうか。このかたも、農業神のお一人。この神様は「 富士の頂から、花の種をまいて花を咲かせ」られたと言うことです。このサクラこそ富士山近辺やその山麓、箱根近辺等に自生している野生種「マメザクラ」なのでしょう。
丹後のマメザクラはその地方変種とされ、キンキマメザクラと呼ばれます。

上世屋の若菜ナンバーワン「おとぎ」

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ところがこの「おとぎ」(シロウマアサツキ・)がピンチ。原因はイノシシ。

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生えていとたと思われるところもこのとおり。

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シベリアラッキョウと言って人も土産(うま)いと思うぐらいですから、その球根?はイノシシにもうまいのでしょう。それにしてもやることがえげつない(`ヘ´)
写真のおとぎは、急斜面に生えていてかろうじて見逃されて顔をだせたといった風情です。ちなみにげんざい「要注目種」(京都府)位置づけですが、上世屋では「絶滅寸前」です。

正岡子規様
先日 貴殿の句「蕗の薹 福壽草にも 似たりけり」につきまして

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「写生をおらびよっとがそのわりにええかげんじゃなかと!」ともうしあげましたことについて一筆啓上もう上げます。

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(↑ 雌花)
似ていないどころか逆に酷似している、その通りでありました(^.^)。
高気圧が移動して今日は一転雨。

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フクジュソウは傘をすぼめるように花を丸く閉じていました。

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その側には皮に花を包んだフキノトウ!  その2つの様子は「そっくり」! 蕗の薹と 福壽草とが互いににているとおっしゃっているとおりでした。

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俳句とはその場にいればわかる、みんなわかっていると言うことが前提の芸術なんですね。巻き戻して言えば「土から出たばかりで皮かぶりのフキノトウと同じくでたばかり、あるいは雨の日に花を閉じたフクジュソウとはあい似たりけり」だったのですね。
浅はかなことをもうしあげたいへん恥じ入っております。お詫びと訂正を心よりもうしあげますとともに、貴殿のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。

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また、読者の皆様、あらためてご注意ください、よく見れば違いますのでくれぐれも間違えてフクジュソウ味噌などをお作りになりませんように。

春ごとに君を祝ひて若菜摘む……と狂言「若菜」。
春に芽ばえたばかりの草は邪気を払う力を持ち若返りの力がいただけると言うことですからそりゃあ食べない訳にはいきません(^.^)
そこで世屋の若菜2つ。
まずこれ!

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つんと伸びているみどり。
通称「おとぎ」。

和名「しろうまあさつき」。

別名「シベリアラッキョウ」。これはなんといっても酢味噌あえ。

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最近はイノシシが自生地をめっちゃかしっちゃか掘りくり返して希少品になっています。
二つ目、ヤブカンゾウ。

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和え物にパスタにソテーにホウレンソウ感覚で使える食材と言うことです。

※下世屋の新人さんへ ヤブカンゾウは下世屋の土手にもはえていますよ

ヤブカンゾウのことならこのブログ。haruno-t@cpost.plala.or.jp
その41 <ヤブカンゾウを食べなくっちゃ!>

いい天気です(^.^)、

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フクジュソウが笑います。

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花を見ながら人も笑います。

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フグイスも鳴きました。

(フェードイン、、、)

♪ みどりのそよ風 いい日だね 遊びにいこうよ 丘越えて

  あの子のうちの 花ばたけ もうじき苺)も 摘めるとさ

(↑「みどりのそよかぜ」 清水かつら 詞、草川信 曲)

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いい日です。まもなく春のお彼岸を迎えます。

世屋姫さんのツバキが満開です、

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さて米に花と書いて糀。米の花を咲かせるポイントは木の灰を撒くこと、花咲かじじいとは糀職人、or糀衆だったと言います。こ酒に味噌に酢に醤油に、、、和食の世界を支えるのが糀。その糀は、蒸した米に木の灰をまいてその上に麹の胞子を振りかけます。木灰はアルカリ性、雑菌は押さえられるけれども糀菌だけは生育するのです。

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そして木ならなんでもと言うことではなく、ツバキの灰がいい、とりわけアルカリ性が強いのだそうです。

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(↑ 3/15)

世屋姫神社の巨木ツバキ。

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世屋姫さんというのは「酒造り」の神様かもしれませんね、つまり「どぶさ」作りの名人(^.^)

「明日よりは 若菜採まむと 標めし野に 昨日も今日も 雪は降りつつ」万葉集 山部赤人

※標めし野 皇室や貴人の所有地で,一般の者の立ち入りを禁止した野

この若菜は春の山菜全般を指していて、フキノトウも含んでいます。

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このフキのトウ、 古書には、「蕗の薹、心肺をうるほし、五臓を益し、煩を除き,痰を消し、咳を治す」とあると宮城環境保全研究所・大柳雄彦さん。

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こんな俳句も紹介されています。
「蕗味噌は地酒五体を駆け巡る」         中山 君江
こんな句をよめば、もう明日はさっそく蕗味噌じゃないですか、味噌はもちろん世屋味噌で。

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さらに大柳さん   「北国の蕗の薹は、雪の下で育つので柔らかく、苦味も薄まり季節の食品として人気がある」。京都の秋田県・世屋の里のフキノトウも同じです。世屋の加工グループのみなさんがまもなく仕込まれる予定ということ。できたらご紹介します(^.^)

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ちなみに、フキノトウのおいしいのは花を開く前のもの。こういうやつですよ!

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ところで、子規さんが
「蕗の薹 福壽草にも 似たりけり」と。

ちょっとちょっとどこがにてますか!写生をうたうわりにええかげんじゃなかと?

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フクジュソウキンポウゲ科。毒草と認識しておく必要がある植物です。間違っても食べちゃいけません。
なお   フキノトウのことならこのブログ。
「八幡町界隈 花の歳時記65フキノトウ(蕗の薹)(株) 宮城環境保全研究所・大柳雄彦さん
※  www.miyakanken.co.jp/modules/sheet1/index.php?id=37

彩度とコントラストをいっぱいに上げ、明るさを落としました。

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何に似ているかと言えば夜空の満天の星に似ているといってあげる方がよほどいいじゃないですか。あるいは「星の瞳」のようだねと。

元に戻します!

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「おお犬のふぐり」です。

さてこの命名は種の形を見てです、またその種はオオイヌノフグリはイヌノフグリよりもでっかいのかというとそうでなく、そもそもそれほど似ているわけではないといいます。花から雄犬の金玉を連想することはぜったいにない、やはり「星の瞳」です(`ヘ´)

「いぬふぐり 星のまたたく 如くなり」  虚子
※ www.geocities.jp/kamosuzu/ooinunofuguri.html –
「観音崎の自然&あれこれ」さんが紹介してらっしゃいました。

「いぬふぐり ほしのひとみと よんでくれ」 世屋野蕪村

また一日花。こんな時期に訪れる虫がいるかって?

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いるんですよ、左上の花を見てください(^.^)

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