宮津エコツアー · 世屋・高山ガイド部会

世屋・高山ガイド部会

世屋・高山ガイド部会の活動ブログ

前日までの好天から冷たい雨となった4月11日、川西写真クラブの23名様に雪の残る上世屋の里を歩いていただきました。雨と強風で状況が悪い中でしたが、そこはカメラになれた皆さま、「良い写真が撮れたと思う」との一言が大変に嬉しかったです。雨の棚田、上世屋の里

ガイドが事前に下見して、地元の方たちに同意をいただき、絶好のカメラポイントを特別にご案内です。

今回のガイドが考えたテーマは「自然と人が作り出した曲線美」です。

自然の曲線美

ただ、雨と強風、そして草道のぬかるんだ滑りやすい状況から、考えていたコースの変更もありましたが、福寿草が咲き、フキノトウとラッパ水仙が顔をだして、歓迎してくれています。

福寿草とラッパ水仙、フキノトウ

雪が消えて、あちこちの残雪もなかなかのものです。里の人たちは、やっと春が来たとの思いで一杯です。

残雪の里

通る人のいない里道には雪が残り、水が流れてトンネルとなった先にはつぶれてきた茅葺き民家が見えています。

通る人のいない里道と雪のトンネル

最後は、古民家をみんなの力で改装した合力(こうりょく)の家で休憩。かまどや囲炉裏では火が焚かれていて、ホッとします。やはり、なんだか落ち着きます。

合力(こうりょく)の家を遠望

どうぞまた、訪ねてきてください。お待ちしています (*^_^*)    <midorimushi>

「種較べ・二題」    2012.4.9

ガイド  生育する環境が生態に影響を与えます。
客    ええそうですね
ガイド  植物でも、森と里では、ずいぶん違いがあります。
客    まああ
ガイド  生育する環境の違う植物について、それらがつける「種」について、比較した人があります。
客    ああそうなの
ガイド  どんな特徴があると結論づけられたと思います?!
客    はあ、(聞くなよ、教えるのがガイドやろ)

・・・・・・不審な顔をされても、例によって、ガイドは、ここで、答をまだ言いません。

ガイド  重い、軽い。多い、少ないということばを使って考えてみてください、

・・・・・お客さんを見回して、よく知っていそうな人に目線を合わしながら、

ガイド  「どう説明出来るでしょうかねえ!」

・・・・「むむ!それはやねえ」とお客さんに首をかしげ始めさせると、組み手はガイド有利の形。正解をおっしゃらられれば、ブラボー、素晴らしい!どうなんでしょう、ギブアップの体なら、もったいぶって、それでは、、、!

種の周りに実が付いたままの種がたくさん落ちています。そよごの赤い種です。
種、 鳥に食べられることを期待した種、食べられずに落ちた実です。
差し込む日を受けて、輝きます。お客さんが、見つけました。
「たくさんキラキラしてきれいですね、なんの実ですか」 とお客さん。
「そよごってんです」、と答えます。
センスのいいお客さんは、そこでとまらずに、こんな風にイメージを広げられるかもしれません。
『いっぱい芽を出しますね』
さて、ここでどう答えていくか、、、そよごは鳥に食べられることを期待してたくさんの実をつけます。二色効果が計算された常緑の葉の中につく実の赤さ。鳥も見のがしません。落ちているのは、鳥に食べられなかった種たちです。種の周りに実が付いたままの種です。
 鳥に食べられた種は、核だけになってうんちとともに排出されます。その時間わずか十分から小一時間。便秘していればですけれど、それだと飛翔に支障が出ます。
鳥に食べられ核だけになった種と果実に包まれたままの種、両者に何か違いがあるのか、という問題です。

 さて、まもなくシーズン!ですよ、mさん!どのように説明なさいますか。

好評により、通しチケット(第1部・第2部・第3部:3,500円)は完売致しました。

第1部(1,200円)につきましては若干数ですがございますのでお問い合わせください。世屋の遅い春の訪れとともに、皆様をお迎えする準備が着々と進んでいます。

チケットをご購入いただきました皆様、楽しみにしていてください。

日時:2012年4月30日(月・祝)

場所:宮津市上世屋「合力の家」(こうりょくのいえ)

●参加費

完売しました:第1部~第3部 30名程度 3,500円

        (弁当、お茶、ガイド、資料代、協力費、保険料)

チケット有り:第1部のみ 若干名 1,200円(資料代、協力費)

●プログラム

第一部 :音楽と映像のコラボ「世屋の四季・命の旅」

      庄司信洲先生の講演「微笑み語る万葉の草木」

第二部 :庄司先生と宮津市エコツアーガイドが案内する世屋の里ウオーク

     「万葉の植物を見る」

☆エコツアーガイドが案内し、活け花用の草木を観察します。

昼 食: 合力の家で昼食(地域の特製弁当「万葉弁当」)

第三部: 活け花体験講座 「心は万葉人!集めた草木で『宇宙』を創ろう!」

申込・問合せ:宮津市エコツーリズム推進協議会 ℡0772-45-1625

申し込みは、30名様でお受けします。

世屋の春を楽しむチラシ

11日 28名でお越しになる川西写真クラブ様のガイド計画を次のように立てています。

(1)待ち受け 午後1時半 車中にてコース説明、資料配布(世屋ガイドブック、世屋ガイド部会リーフレットほか)
(2)世屋持ち寄りマーケット(合力の家)
(3)担当  安田・三宅:グループの前後で撮影援助、嶋田:全体把握
(4)撮影 順路

岡の前→岡田橋→のうだの棚田群→ 千代子桜→ 本丸→バス車庫→井野もとさん宅前→光則さんよこ里中道→笹葺き前→小川雅君前→合力の家

早春の世屋の里景色

《 設定の意図 》
里山は、日本全国、人の暮らしの数だけある。そういうもんです。しかし、暮らしの場と大規模な耕地整理がされていない棚田を伴う生産の場が連続して総合して見られるところがあるか、というとなかなかありません。

上世屋は、そういう里山です。案内するところは、その心臓部です。

荒廃した棚田

とはいっても何もないですよ、家は崩れているし、屋根は曲がっているし。里山とはどういうところだ、棚田って何だというところ、それを踏まえて撮るってことが肝心です。専門に撮っている人は、こういっています。

棚田の美しさというのは、突き詰めていくと、人間が生きていくために自然から許される範囲で、必要最小限の手を加えた、その美しさではないかと・・・・・。ただ単純に“きれい”というのとは、ちょっと違う美しさだと思っています。

『棚田を歩けば』文・写真 青柳健二 福音館書店
「里山は命の鼓動にふれその尊さを知ることのできる場所」
「里山は人々の温かな心が命を育む空間」
「自然と生きる知恵が溶けこんでいる里山の風景」
『NHK里山シリーズナレーション』

さらに、里山の美を世に出された今森光彦さん。

彼は、『里山のことば』(世界文化社)の「田植え時」の項で、こう述べておられます。<「あでやかな田んぼの曲線は人が作り出した、芸術品と言えるだろう。泥を緑に塗っていく畔つくりは、水漏れがしないようになされるもので精魂が込められてた仕事になる。その結果として、緑色の畔に土色の美しい線が出来上がり、田んぼは見事に浮き上がって見える。人の汗が、ほかでは決して見ることができない秀麗な風景を作っていく。」
先達の方々は、このように言われます。

そんな人達なら、こう歩かれるであろうと思われるスポットをつないで、コースを作ってみました。

《主なポイント》
宮ノ下 上がって来るお客さんを迎えてくれる棚田群
午後1時45分
※バス通過

ウオークスタート午後1時50分

谷間の里を見下ろす

■ 岡の前

里山の心臓部分が残って里の全体景観を見渡すところ
地滑りによって出来た地形を巧みに利用しています。
住まうところを中心にした土地利用が同心円状 に見て取ることが出来ます。

歩くコースの概略を説明します。

アカネの丘を下ります。岡田橋から左手、合力の家の下から、ノウダへ下ります。
※雪解けの水の沢 ふきのとう

雪解け水の沢とフキノトウ

棚田の前で

■ ノウダの棚田
畦の曲線の美しさをさまざまな構図で撮影。

モリアカガエルの卵とオタマジャクシ

※ヤマアカガエルの卵、セリ、フキノトウ

左から、合力の田を抜けて、馬場の谷から千代子桜へ上がります。

ノウダの棚田

■千代子桜
ここの畔の曲線も美しい。馬場の棚田を上から見下ろすことができる。

千代子桜の横にある柿の古木

※景観のアクセント 柿の古木 古びた枝振りに格調が漂う

植物 静香さんから小川雅道君の家の側の福寿草。

咲き始めた福寿草

本丸へ向かう
■ 本丸
景観 舞鶴方面の海や岳山までのつながり、地元の方一押し

バス車庫→井野もとさん宅前→光則さんよこ里
中道→笹葺き前→小川雅君前→G・合力の家

■合力の家
昭和40年代の生活様式を残した民家。田の字の間取り、ケヤキの大黒柱など。
※ウオークゴール 休憩、休憩。
囲炉裏に火も焚いてあるはず!
※世屋持ち寄りマーケットを開いています。

持ち寄りの世屋マーケット

出発予定 午後3時30分
☆天気に恵まれれば足を林道から松尾、一本桜を考える

 小林一茶が息づく京の雪国・上世屋   2012,4,8

一斉に顔を出したフキノトウ
雪が解けるのが遅いです。人も野山の生き物もみんな待ちかねています。フキノトウもそう、雪の解けた後からすぐに芽を出します。土手にも畔にも沢の縁にも若い子のニキビのように顔を覗かせています。そこで一句。

『雪解けて 村いっぱいの ふきのとう』

 え、ふきのとう?こどもかな、じゃなかったの!って。あなた、相当出来る人ですね、そのとおり、そのとおりです。 たしかに、『雪解けて 村いっぱいの こどもかな』、と詠んだ俳句があります。詠んだのは、小林一茶。
 まあいいじゃないですか、京の雪国せやの里には小林一茶がよく似合う!のだから。

◇ これがまあ終(つひ)の栖(すみか)か雪五尺
◇ うまさふな雪やふふはりふふはりと
◇ 一鍬に雪迄返す山田かな
◇ 雪国や雪ちりながら春の山

雪国信濃で彼の詠んだ世界は、上世屋に息づく里山の自然と暮らしそのもの。

◇ おらが世や そこらの草も 餅になる
◇ 大根(だいこ)引き大根で道を教へけり

まあ、里の畦道を歩いてみなさい。 筆立てを持って詠んでいる一茶さんに出会えるかもしれませんよ。

◇ 悠然(いうぜん)として山を見る蛙(かへる)かな
◇ 蟻(あり)の道(みち)雲の峰よりつづきけん
◇ 苗代の雨を見て居る戸口かな
◇ 草蔭にぶつくさぬかす蛙かな

ガイドしましょうか!

「仲間」がたいへんだ!    2012.4.7

 千代子桜は里の真ん中にあります。その近くに、一万円札の木があります。ミツマタです。樹種としては、マックスの大きさに達していると思われるいい株です。春には、黄色い花をいっぱいつけて、千代子ザクラとの花の共演が見事です。お札にする高級和紙の素材になるので、私達は、一万円札の木と呼んでいるのです。里のガイドの大切な仲間です。この木の近くに来たときには、お客さんに、さいふの中がごそごそしませんか、特に一万円札が!などと、わけの分からないことを問いかけます。いぶかしがられるのをものともせず、一万円札がお母ちゃんに会いたいといってるんです、対面させてあげましょう!といって、お母さんはこのかた!とミツマタを紹介するのです。
そのミツマタが、たいへんなことになっていることが、雪解けとともに分かりました。
根元が裂けているのです。幾度の冬を越し、かなりの雪にも耐えてきたはずです。しかし、今年の雪の降り方は、異常でした。凍り付いたり、大雪の上に大雪が重なったりしました。そんな積もり方に、耐えられなかったのでしょう。
今年の雪は、地表にでて冬を越すものをずいぶん痛めました。大きな樹も、あちこちで裂けたり折れたりしています。救急車を呼びたくなる光景です。が、長期的に見れば、そんなことは、自然にとって織り込み済みのこと、復元する手段をも備えて世に送り出しているのが母なる大地。 「医者にいこうか」と促しても、きっと 「自分でなおすよ 気持だけもらっとくわ おおきに」と答えるでしょう。
しかし、このミツマタは、「私達の仲間」です。放置しておくと腐っていく!手当が必要です。そこで、アイデアをだしていただいのがsさん。とりあえず、傷口から水が入らないようにすることが先決、専用テープがある、それを巻こう! その予定を9日と決めました。

雪で裂けたミツマタの治療
 とはいっても、あくまで応急手当。今後、元気を回復させてやるためにはお医者さんと相談しなければなりません。・・・・どなたか、診てくださるかた、いらっしゃいませんか。
■ 4/6テレビでは、福岡舞鶴公園のサクラライトアップを中継しています。今日、奈具海岸で、ほころんでいるサクラを見ました。今日は始業式です。
 4/7 やっぱりタイヤは替えられません、今朝、せやでは、積雪。昼前には解けましたが、数センチ。
■ 9日の予定 
  写真クラブ撮影ガイド コース作り 集合 一時半 休憩所
その後、 ミツマタ修復保全作業、緑化樹仮植え作業
   ※ 都合のつけて頂ける方は連絡ください

世屋・雪解けの大地が美しい   2012.4.6
「林道角突山線は通れるか、」と聞かれました。丘の前で。通れるわけないじゃありませんか。林道角突山線は家族旅行村から伊根方面の林道です。「民家までの生活道路だけは確保してありますけど、まだ一メートルはありますよ。」
「遅いですなあ、ここらは解けるのが」。
 車道から玄関口までを埋めている雪を掻く静香さんが見えます。本当に遅いです。 しかし、遅いと言ったって、雪の解けない冬が日本にあったことはありません。雪解けは確実に進んでいます。その世屋の大地がいま、とても美しいです。ススキがつんつんと立ち上がっている光景は、ざらざらとした荒廃感を漂わせています。それがないのです。実にまろやかです。枯れ草をわって芽を出すフキノトウが緑の星のようです。

荒廃田の早春
 これは、秋に里山環境整備作業として行っていただいた部会・草刈りの賜物です。斜面の急な作業の困難なところや硬いススキの株、放置樹木などの伐採にも積極的に取り組んで頂きました。里山ってうつくしいねぇ、そういいながらカメラを向ける人があれば、汗も苦労も吹っ飛ぶ!というものじゃあないですか。まさしく心のデトックス!この喜びを一人我がものにするには、惜しすぎる、広く共有したいですね。(ほんまぁ!)
 自然はこれから命の季節。スギナもスイバも叫んでいます。「やったるぞー」 「のびたるぞー」。 フキノトウもシシウドもファイティングポーズ。「よっしゃー いくデー」
 上農は草を見ずして草を刈る。命のエネルギーを利用して生きてきた里山の先人は、みんな上農でした。けれど命のエネルギーを操った里人はもう数えるほど。あばれ放題の自然をどうするか、エコツーもその課題を共有しなければならない、そう思いませんか。厳しさを楽しさにかえる智恵を出せるのもエコツー。
 林から、鳥のさえずりが聞こえました。ウグイスです。雪解けを寿いでいるのでしょうか。 ・・・・・・・・・ O君のように、書きます。
「なーんだひとりじゃないんだ、 ウグイス君もいる。」
林に向かって返しました。
「いっしょにやってくれるか!」
 また鳴きました。元気といっしょにふと浮かんだ一句。
『春風や 闘志いだきて 岡に立つ』 (高浜虚子)

かみせやの田打ちザクラ・春一番に咲く木   2012.4.5
 観音渓谷の周辺は、落葉樹林が美しく保たれています。いたや・ぶな・けやき・とち・みずなら・はりぎり・ほう・はうちわかえでなど里山ブナ林を構成する基本高木がそろっています。その中で、新観音の近くに不思議な木が一本あります。
 何でしょう、ヒントを言います。「高木です。そのこずえに白い花を咲かせます。他の木のつぼみはまだ眠っているころ、先駆けて春一番に咲くのです。」よく分かった人はこぶし、と答えられるところを、ちょっとわかった程度の人は、おそらく、たむしば!と答えられるのではないでしょうか。
 私は、後者です。昨年の秋の観察会までは。こぶしだったのです。見ていただいたのは前大本教植物園長・津軽俊介先生。落ち葉を捜してルーペでみて、「こぶしですね」たむしばではないんですか。「こぶしです。」このあたりでコブシだと思ってたのは、みんなたむしばでした、こぶしなんですか、と食い下がったけれども、「コブシです。」さすがに京都植物界の泰斗。揺るがない。
 花の下に小さな葉っぱのあるなし、程度の判別規準しか持たないものにとって、咲くのが高い梢ときているので、その適用のすべもなく、コブシはこのあたりにはない、という先入観から、たむしばとしていたのです。はっぱで分別できる!
その木の樹高は、しでやいたやなどの高木に混じってひけをとりません。そんな木の姿は、「落葉広葉樹の高木。早春に他の木々に先駆けて白い花を梢いっぱいに咲かせる。 高さは18m、幹の直径は概ね60cmに達する」との図鑑解説と一致しました。
コブシは、「田打ち桜」の別名を持ちます。2011年は4月17日に開花を撮っています。その21日に0君が苗代に種籾を蒔いていました。しかし、雪解けが遅れている今年、里では、苗代づくりも手をつけかねています。そんな様子を見ているのでしょう、もう開花しなくてはいけないのに、何となくとまどっているかのようです。
ちなみに京都府はコブシを、レッドデータ準絶滅危惧種に選定しています。上世屋のコブシは二本の株立ちのうち一本はさらに分かれて立ち上がっています。胸高周囲はおよそ170cm。この種としては、最大にまで達していると考えられます。せやの宝物です。

■ コブシとたむしばの特徴と比較
・コブシは、高木となりがく片は花弁(かべん)の5分の1ぐらいで、花弁はやや丸みを帯びていて、花のすぐ下に1枚の緑の芽がある。
・タムシバは亜高木で花弁が白くてやや細く6枚でがく片が3枚で花弁の2分の1から3分の1ぐらい。
・コブシもタムシバも、花の雄しべは60本以上、雌しべが30本ぐらいで、すべてらせん状に配列されている。 このような花のつき方が、らせん状である植物は起源の古い植物といわれている。
・ 葉は長円形~長卵形で両端が狭く尖り、裏面は粉白色をしている。
・コブシが山麓(さんろく)や沢筋に自生するのに対して、タムシバは山腹や尾根筋に多く自生する。
・タムシバの樹皮は灰白色、小枝は細長く緑色をおびた褐色であって、その先端には8月ころに、すでに翌年のつぼみをつけ始める。
【その他】
・アイヌの言葉では、「オマウクシニ」良い匂いを出す木「オプケニ」放屁する木と呼ばれる。
・袋菓が結合し 所々に瘤が隆起した長楕円形の果実の形状がこぶし・和名語源となっている。
・樹皮は煎じて茶の代わりや風邪薬として飲まれる。

「世屋の雪、どれくらいになった」
2012,4,4
「世屋の雪、どれくらいになった」
a さんにたずねられました。
「せんべい布団ぐらいになりましたよ。」と答えました。
a さんは元先生。「私の初任は駒倉なのよ」と語ります。
 駒倉は、宇川の水源の里。上世屋、きご、内山、味土野に隣接する丹後半島のへその村です。
 「38年豪雪の春だったわ。四月、上世屋まで、幌のついたトラックで 。迎えの村の方が布団袋を背負ってくださって、歩いて峠を越えたのよ、滝の横を登って 雪が一メートルはあったわ」。
 a さんは話し上手です。農協の支所で日常品は買えたこと 缶詰が多かったこと、日置から歩くこともしばしば など引き込まれます。 「刺身をいただいたのよ、珍しいので何のお肉ですか、とたずねたら、 ウサギだっておっしゃるの」
 学校や農協など、公的な機関が設置されて活気を保っていた村も、分校が三年後に灯火を消し、その七年後に村も明かりが消えました。 駒倉峠を越えて下っていくと、右手の竹林の中に標柱が一本たっています。「こま倉分校跡」。廃村碑はさらに下ります。
 ところで、上世屋の0君のお母さんの実家はその駒倉です。せやから野間の村々は一つの通婚圏だったのです。彼のお母さんの話をきいて、Y(わい)が歌にしました。
      駒倉峠      y 詩・曲
1 夏になれば 若狭の海に 漁火燃える 峠だが
  春になっても 手はひび割れて 家路は遠い 峠の道
2 秋になれば 道ばたに りんどう花咲く 峠だが
  冬になったら 雪崩におびえ 吹雪に迷う 峠の道
3 沢に光る ネコヤナギを 見おろし歩く 峠だが
  春夏秋冬 喜び悲しみを  背中に背負い 峠の道

里山音楽会聴きに世屋へ
2012,4,3
低気圧が発達しながら接近!と天気予報。春の嵐、第二回目。半端ではないらしい。台風並みに発達すると言っている。「海山は大荒れになるでしょう、今後予想される風速は、最大で、、。気象情報に注意し、飛びやすいものに気をつけ、出歩かないようにしてください。」
当たり前です、じっとしているべきです。しかし、里山ウォッチャーはそうはいきません。こんな日を待っているんですよ。世界的な指揮者が世屋にこられて、演奏会が開かれる特別の日なのです、しかも、演奏者、出演者はすべて地元メンバー。そんな日にじっとしていられますか。(ね、m さん!)
 白波が立っている海には、何艘もの風待ちの船が揺れています。胸は高まるばかりです。こんな日でも、世屋道の農道工事は休みません。すこし恥ずかしさを覚え頭を下げながら、谷の曲がり道を辿ります
 はじまってます始まってます!ブレークダンス。ダンサーは「マダケ」くん。激しく限界までの動きを見せたかと思うとぴたっと静止、緩急がたまらない。私一人のために見せてくれた命のダンス。ブラボー!喝采を贈って、まだ先の本会場へ走ります。
やってるやってる大先生は、千代子桜のあたりにおられるはず。
杉林に指示しています。ここだ、パーカッション、たくましいラガーマンのようにたたいてくれ、静かに収まれ、しでの林に目で合図ラッパを吹け 大型ジェットのエンジンのようにだ、それー おさまれー 激流に変身した小川君、歌、スタート、よかった 風に指示、田んぼの水の上で踊れ。ベリーグー!!山のブナが、里の柿の木が、畔の土筆が、なでしこが体のすべてを使って腹から声を出して歌う春の山の大合唱。彼らには、確かに見えているのです。ベートーベンのように指揮棒を振るっている大先生が。

・・・・大先生は、ついでに雪囲いまで外していってくださいました。

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