男山八幡公園前の畑の菜の花。
盛りの時なのに雨続き、、こう言うのって「サクラ梅雨」。っていうんだよと、菜の花。
そうだそうだと世屋の菜の花も!
さて、今年はサクラを見ずにすごしてしまうのかなぁと残念に思っていらっしゃる方もいらっしゃるのでしょう。
でも、アンシンクダサイ!
世屋のサクラは三分咲き。
予報では、今度の晴れマークは10日11日。
世屋・高山ガイド部会の活動ブログ
花筏、散った花びらがつながりあって石を置いた碁盤のよう!
これをもって、切り出された木々か゛つながって流れ下っていく筏と見立てた、それでもって「花筏」。この説明は納得です。
(↑ 日置 妙円寺 山門前の用水 4/4)
一方、植物の「ハナイカダ」。これはどうか!まず葉の上の花や実を流れ下る筏を操る筏師に見立てたもの、という説明。どうも、合点がいかないと感じてました。もう一つ、イボに見立てたイボ花、こっちの説明の方がよほど説得力があるじゃないかと。そしたところ、ハナイカダというのはな、という話。
筏は川を下って海の果てにあるという魂の國にいく乗り物、それに魂を納めた入れ物、それは骨壺なんだそうですが、その壺を花で飾って、骨壺を載せて下るためのものですから、大きなものではありません、それを「はないかだ」と呼んでいたのだということです。花で飾ったちいさな骨壺を載せて下る筏に見立てて「はないかだ」、、、。奥の深いはなしです。
この春から、ハナイカダをみたときには手を合わせてから案内しようと思います。
しばらくご辛抱下さいませ、というように低く垂れ込めた雨雲がここ数日居座っています。うっとうしいと思いながら、ことわりをいわれたんじゃあむげなこともいいにくく、まあゆっくりしていってください、わたしはいっこうにかまいませんから!などとつい気持ちにもないことをいってしまいます。さて、こういう気象状態は毎年の定番なので、「菜種梅雨」だとか、「さいかう・さいかあめ催花雨」と名付け、まろやかに暮らしに取り込んで、おまけに歌にまで詠むのですから、つくづく日本っていいなぁと思います(^.^)
◆飛石の一日黒し菜種梅雨 後藤志づ (句誌あを)
◆菜種梅雨去年をくりし農日誌 小川花久 (句誌いろり)
花催しの雨というとおり、
畑では桃、
林ではツツジやヒメヤシャブシ、
里も山も賑わしくなってきました。
◆孤桜の蕾膨らむ催花雨 福山年昭
菜の花とサクラと古民家と、、、
身近な春を代表する明るい光景とはいうもののこれは出来過ぎ!丹後郷土資料館併設の旧永島邸です。
明日の午前中には晴れ間がのぞくようなので、どうですか、出かけられては(^.^)
資料館の展示も一新され、スッキリとしていますよ。発行されている民俗資料も充実。

さて、この菜の花の咲く光景は一茶さんも大好き。多くの句を残していらっしゃいます。
□なく蛙溝の菜の花咲にけり 一茶
□なの花のとつぱづれ也ふじの山 一茶
□かるた程門のなの花咲にけり 一茶
□なの花も猫の通ひぢ吹とぢよ 一茶
「♪菜の花畑に入り日うすれ…」
菜種 油菜アブラナ 、、、ともいいますが、音の響きがいいのは「菜の花」、、ですね。
折からの青嵐、天気は明日から崩れる、花見のチャンスは今夜のみ、と言うことで夜桜見物。
開花が想定外の早さのためか、ライトアップはありません。中天の月と一緒に花見を楽しみました。

さて、花に嵐のたとえあり、、、サヨナラだけが、、、
いつまでも実がなっていたら、困ります。種は落ちないと意味が無いのです。花びらもいつまでもついていては困ります。虫を寄せて受粉をする、それが済んだらじゃまになります。逆に言えば、落ちてもいいよ、という状況になるまでは、必死に固くついている必要があるということ。
花の場合もういいよとサインを出すのは、雌しべが花粉をしたとき。サクラの場合も、花びらの基にそういうメカニズムを持ったものがあって、受粉の刺激で細胞の結びつきが緩むのだそうです。但し、気温も影響するとのこと。寒いと活動が緩やか、温かいと活発になるので散るのも早くなる。今年は、温かいので、早く散ってしまうかも。11日、伊根の海蔵寺のお花見に参加する予定ですが、それまであるかしら!

また、多くのサクラの品種がありますが、ヒガンサクラとオオシマザクラ、ヤマザクラ、この三つが三原種。この交雑交配によって生まれたといいます。花の色の濃い薄いはその変化の一つ。色はアントシアニンの量によりますが、花色の薄いソメイヨシノはアントシアニン少ない品種になります。濃い色の花との差は、およそ20倍ということです。
前鳴き砂文化館館長・松尾氏のある蝶の調査に同行させていただきましたが、その様子をまとめられた冊子「INSECT丹後・丹波№124」をいただきました。その蝶とは、深山の水気のある山麓に生育するトチノキの花・蕾・若い実を食草にするスギタニルリシジミ。その時遭遇したのが丹後半島初の観測なのだそうです。
さて、蝶がいなかったら、実がなりません!その幼虫は植物を食べて蝶になります。その幼虫の食べ物をどうするか、蝶のお陰をこうむるものみんなが公平に食糧を供給、つまり食べてもいいよというようにするか、特定の関係をつくるようにするか、それを巡ってはおそらくだいぶん研究というかすったもんだがあったに違いないと思うのですが、最終的には後者、私はこの蝶の子どもさん養うわ、じゃあおれんところではこっちの蝶のこどもさんのおせわしてあげることにするということに収まったようです。なぜ前者はだめかというと、好みが特定の種類に集中してしまうことになりかねない、そうするとそれが絶えてしまうほどひどいダメージを受けるかもしれない、それは避けるべきだろう、それは私も賛成です。、、、蝶が特定の樹種と関係をもつことについて、そんなことを思いながら、この記事を拝読。
(↑ 2014.5.18 トチの花)
その蝶の季節がこれからはじまります。
モクレンや 白い花火を 空に揚げ 世屋野蕪村
花はええですなぁ、、、
米も作らんなんし、イモも植えんなんけど、、花をみとったらどういうんか、元気が湧いてくるんですで、、、とてるみさん。
それは彼女の口癖。
田圃仕事は花暦。花に促され花に癒やされて、花との長い深いつきあいを感じさせる口癖です。
枝の先の芽を、葉にしたり花にしたりするのはフロリゲンというホルモンの働きで、そのホルモンを受け取った芽が花になる、そして、気温や日照時間を見計らいながら開花していくんですってね。
春咲く花は、一度寒さを経験し、日差しが長くなってくると同時に開花への準備を始めます。
山の林には、ダンコウバイ。
クスノキ科クロモジ属で、葉っぱの形がスプーンのように丸かったり、フォークのように割れていたりというおもしろい特徴を持っています。
多くはなく、府県によってはRDB指定。
田圃には、タネツケバナ。
さて、「たねつけ」。この部分は時期によって二つ違う意味で理解されるというおもしろい草です。
早春の花の時期には、「種漬け花」。稲の種籾を水に漬けて選別することを行う時期の目安花。
もう一つは、花が終わって種が出来、その種を飛ばす時期。鞘がねじれて勢いよくはじき飛ばす様子を見立てたのが、「種付け馬」。

この草も、サラダや汁の実に可。また、尿道や膀胱の炎症などに種も含めて薬効がある薬草ということです。
葉と花が一緒で一重咲き、花弁は五枚、花はうすめの紅色、、そして、ソメイヨシノより早く、彼岸頃から咲く!そういうサクラをいただきました。
なんですが、種名を尋ねても「?」。
自然交雑しやすいサクラは交配を重ねて600種を越す品種が作り出されているということです。
名もなき野のサクラ、というのはありません。名はあるはず。幸い、入門書になるサイトも充実していて目の保養がてらあたってみましたところこのサクラ、【さくら写真館】www.higan.sakura.ne.jp/sakura_pictureによるところの、「陽光」という品種に近い感じがしました。