きょうはきれいにさいとりますでほれあそこらじに!

「福寿草 ダイコで指すなり 世屋の春」 世屋野蕪村

世屋・高山ガイド部会の活動ブログ
きょうはきれいにさいとりますでほれあそこらじに!

「福寿草 ダイコで指すなり 世屋の春」 世屋野蕪村

春の海

正面の半島は舞鶴半島 その左後ろは、敦賀の野坂岳 その背後の雪化粧の山々は、おそらく比良連山。
春の山

春の里

山のメッセージを海に届ける春の川、

まもなく海のメッセージを携えてイサザが上ってきます。
お彼岸の22日、舞鶴での日の出/日の入りは 6:00 / 18:12 。昼夜の長さがほぼ半々。明日からは一分刻みに昼が長くなっていきます。この日照時間をみて咲くのが春のヒガンバナ。
その一 マメザクラ。

「風寒き 彼岸の空に マメザクラ」 世屋野蕪村

その二 ネコヤナギ

えーっと 雄株でしたっけ! ネコヤナギという命名、ネコの体のどの部分を見立てているのでしょうか?
さてこの頃から一年の米作りが始まっています。
種籾作りです。
まずは種籾の選別から。重くてしっかり実の詰まったモミがいい苗のもと、収穫を左右します。
塩水につけ沈む籾がいいもみです。
次に種モミを消毒します。最近は湯温、60度の10分間消毒が広がっているということです。
そして、その種籾が芽を出すように促してやるためにぬるま湯に漬けてやります。13度で五日間。そうすると根が出るところがふっくらと白く膨らん来るのだそうです
この籾を撒いて苗を育てます。
そして、極めつけのヒガンバナ その三

この種を選別し発芽を促すぬるま湯漬けの作業にとりかかるころたんぼの畝に咲くので、この花「種漬け花」。
※ ぬるま湯漬け式種籾消毒と種籾漬けの実際

3月25日、五十河でお話を伺いました。

5日ほど立つと根の出るところが「鳩胸」のように膨らむのだそうです。
日が当たると開き陰ると閉じるそんなフクジュソウの花弁の開閉は温度によると言います。
だから、開閉状況を見れば気温が推定できるそうです。
この日の気温は、15度ぐらいだろう!咲いているが満開に開ききってはいない、とか、

(↑ 3/19)
この日は、5度以下でしょう(^.^)と。

(↑ 3/20)
なぜわかるか!こちらをご覧ください。!
「春咲き植物の花の開閉運動と傾熱性gakuen.gifu-net.ed.jp/~contents/club/rs-shidou/3.pdf 」中リップとフクジュソウの花弁の開閉運動と熱の関係を調べられた学生さんのレポートです。
こうまとめていらっしゃいます。
「一旦開花しはじめたものを、5~6℃に設定された冷蔵庫に約30 分程入れておくと、花は
完全に閉じてしまった。その花を、設定温度20℃、30℃で50 分間、定温器に入れておくとほ
ぼ完全に開花したが、再び5~6℃に設定された冷蔵庫に戻すと、また閉じてしまった。」
花弁の開閉が温度による性質を「傾熱性」と言うのだそうです。さらに具体的に温度設定を変えてみた記録と結論はつぎのようです。
「、5~6℃に設定された冷蔵庫内で完全に閉じていた花が、設定温度10℃、20℃、30℃のいずれでも開花したことから、フクジュソウの開花に必要な最低温度は、5℃~10℃の間に存在するものと思われる。また、各設定温度での50 分間での到達開花度は、10℃で20、20℃で100、30℃で67 と、20℃の時が最も大きかった。さらに、その最大開花度に到達する時間も20℃の場合、30 分間と一番短かった。以上の結果、フクジュソウの花には、開花にとっての最適温度が存在するのではないかと考えられる。」
グレートサンクス!
さて熱に反応して動くというのはわかりました。ということはサーモスタットのような仕組みになっているのでしょうか。
雪解けのたんぼの畦を覆う緑。

セリの群生です。
1つところに「せり」あって互いに「せまり」あって生えているから「せり」せせらぎ付近に茂り合っているから「セリ」。頷ける光景です
セリ,ナズナ,ゴギョウ,ハコベラ,ホトケノザ,、、、と、せりが春の七草のトップバッターに位置づけられています。

冬場の食生活にかけている「ビタミン、ミネラル βカロテン 食物繊維等をたっぷり含んでいて待ち焦がれていた食材なのでしょう。また解熱や神経痛、リューマチ、黄疸などに薬効がある成分も含んでいると言います。
万葉集でセリをやり取りした歌を、「www1.ocn.ne.jp/~montana/seri.htm」さんが素敵な訳をつけて紹介してくださっています。
あかねさす 昼は田賜びてぬばたまの 夜のいとまに摘める芹これ 葛城王 巻20-4455
(「田賜びて」 = 班田使としての仕事をして。 多忙な任務をこなし、夜になってようやく摘んだ芹です。どうぞ。
この葛城王とは後に臣籍に降りた橘諸兄のこと。)
ますらをと 思へるものを 刀佩きて 可爾波の田居に芹ぞ摘みける 薜妙観命婦 巻20-4456
(立派な太刀を履いたあなた様が、泥田にはいり私にために芹を摘んでくださったのですね。
ますらをと、背を屈めて芹を摘む不恰好な姿の対比が面白い。)
冬を耐えた体が求める物を含んだ青菜としてセリは「貴重品」だったのでしょう。
噛むとしゃりしゃりと音がするから「せり」ともいいます。確かめにいらっしゃいませんか。
この田は腰までつかるジル田でした、,,,‥

さてあまのはしだてを世界遺産に、とかひきあげきねんかんをなんちゃらいさんにとそういうための運動が盛んに報じられています。わすれちゃいけないつたえなくちゃいけない、、それはそれで大事なことなんです、,ふと思うのですが、案外忘れられているのが、八十八の手間暇ををかけるという米作りの労苦。それを瑞穂の国、日本人が忘れちゃったら日本人でなくなっちゃうじゃありませんか。腰までつかるジル田で作っていたなんて完全に忘れられているじゃないですか。おいしいブナ水こうのとり無農薬米などとブランド化されて売られています。しかし、それって機械化乾田化、大規模化されて八十八の手間暇などはなくなっています。
加えて昨今のイノシシの害。

それを修復しながら保たれる棚田の美しい曲線。

これらのたんぼからは八十八の手間暇の匂いがします。稲木立つも現役です。けれども、tppによって食糧主権が損なわれようとしています。作り手が意欲を失えば原野に帰ってしまいます。原野に帰れば二度と同じものはできないでしょう。「ふるさとミュージアム」「雑穀ミュージアム」ミュージアムがちょっとハイカラで耳あたりのいい横文字言葉なので「丹後こめづくりミュージアム世屋の里」そして、「瑞穂の国の農業遺産として未来に遺そう!」なんてのはどうかなとおもいながら、この写真を撮りました(^.^)
丹後にもサクラが咲き始めました。

(↑ 3/20 大宮町)
桜前線の桜はソメイヨシノ、その到着で春!というようなことになっていますが、そうではありません。丹後には丹後に自生している野生種のサクラがあってそれが春を告げるのです。それがこれ、マメザクラ。
さて、「さくら」と誰がいつ頃どのあたりでどういう根拠を持って言い始めたかについてはわんさかと研究が進み、ほぼでそろっていると言うことです。それがまとめあるのがこちら、『「草木名のはなし」
http://www.ctb.ne.jp/~imeirou/和泉晃一』古文書の文章まできちんとしょうかいしてあり説得力があります。その諸説を時系列的に言えばさくら=さ+くらという民俗学からの主張が古いのではないかと思います。いわく「サ」とは農耕の神、穀物の霊、稲そのもの。「クラ」はその「依り付くところ」。ちなみに稲の霊を意味するというこの「さ」。さ行の音は同行の「さしすせそ」の音に変化しやすいとのことです。つまり、「さ」は「せ」になった可能性があると言うことです。なにがいいたいかというと「せや」姫は「さや」姫であった可能性があると言うことです(^.^)

、、、、、せやひめさまほんとのところはどうなんですか、もうぼちぼちほんとのことをおしえてくださってもいいのではないでしょうか(^.^)!、、、、
お姫様でいえば「コノハナノサクヤビメ(木花之開耶姫)」の「さくや」をとったという説もあります。これは時間的にはあとのことになるのではないでしょうか。このかたも、農業神のお一人。この神様は「 富士の頂から、花の種をまいて花を咲かせ」られたと言うことです。このサクラこそ富士山近辺やその山麓、箱根近辺等に自生している野生種「マメザクラ」なのでしょう。
丹後のマメザクラはその地方変種とされ、キンキマメザクラと呼ばれます。
上世屋の若菜ナンバーワン「おとぎ」

ところがこの「おとぎ」(シロウマアサツキ・)がピンチ。原因はイノシシ。

生えていとたと思われるところもこのとおり。

シベリアラッキョウと言って人も土産(うま)いと思うぐらいですから、その球根?はイノシシにもうまいのでしょう。それにしてもやることがえげつない(`ヘ´)
写真のおとぎは、急斜面に生えていてかろうじて見逃されて顔をだせたといった風情です。ちなみにげんざい「要注目種」(京都府)位置づけですが、上世屋では「絶滅寸前」です。
正岡子規様
先日 貴殿の句「蕗の薹 福壽草にも 似たりけり」につきまして

「写生をおらびよっとがそのわりにええかげんじゃなかと!」ともうしあげましたことについて一筆啓上もう上げます。

(↑ 雌花)
似ていないどころか逆に酷似している、その通りでありました(^.^)。
高気圧が移動して今日は一転雨。

フクジュソウは傘をすぼめるように花を丸く閉じていました。

その側には皮に花を包んだフキノトウ! その2つの様子は「そっくり」! 蕗の薹と 福壽草とが互いににているとおっしゃっているとおりでした。

俳句とはその場にいればわかる、みんなわかっていると言うことが前提の芸術なんですね。巻き戻して言えば「土から出たばかりで皮かぶりのフキノトウと同じくでたばかり、あるいは雨の日に花を閉じたフクジュソウとはあい似たりけり」だったのですね。
浅はかなことをもうしあげたいへん恥じ入っております。お詫びと訂正を心よりもうしあげますとともに、貴殿のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。

また、読者の皆様、あらためてご注意ください、よく見れば違いますのでくれぐれも間違えてフクジュソウ味噌などをお作りになりませんように。
春ごとに君を祝ひて若菜摘む……と狂言「若菜」。
春に芽ばえたばかりの草は邪気を払う力を持ち若返りの力がいただけると言うことですからそりゃあ食べない訳にはいきません(^.^)
そこで世屋の若菜2つ。
まずこれ!

つんと伸びているみどり。
通称「おとぎ」。
和名「しろうまあさつき」。
別名「シベリアラッキョウ」。これはなんといっても酢味噌あえ。

最近はイノシシが自生地をめっちゃかしっちゃか掘りくり返して希少品になっています。
二つ目、ヤブカンゾウ。

和え物にパスタにソテーにホウレンソウ感覚で使える食材と言うことです。
※下世屋の新人さんへ ヤブカンゾウは下世屋の土手にもはえていますよ
※ヤブカンゾウのことならこのブログ。haruno-t@cpost.plala.or.jp
その41 <ヤブカンゾウを食べなくっちゃ!>