宮津エコツアー · 3月 2012

3月 2012

     180度の角度で里・棚田・谷・山・空を展望できる合力の家の濡れ縁からの景観は一級品です。3月17~20日の四日間のここ丹、上世屋合力の家は、写真展、藁箒作り、そして、白石さんの作陶展等の会場になりました。近辺からたくさんの方に訪れて頂き、濡れ縁からの里山景観に見入っておられました。募金として集まった額も総額7,000円超。大成果です。
     さて、その濡れ縁に『天橋立が出現』といえば、「!!」となりませんか。そうなんです、天橋立がイメージされていたんです。森は海の・・・をあげるまでもなく、ネーミングは決定的な力を持ちます。「世屋の里の天橋立」これには、籠神社からUターンするバスを直進させる力、日置の交差点を直進するバスを左折させる力を感じますよ、感じませんか?但し、その言葉は、白石さんの心の中だけにとどまっていた、悲しいことに、周りは気づいていない、ごらんになった方もそういう目では見られていないはず。
     そう言われたのは最終日、片づけしながらのこと。弓なりの厚手の杉板、その上に黒地に紫の図柄を配した帯地を敷き、そこに数々のミニせわ焼き。國村さんや嶋田さん、三宅さんたちの処女作を展示。その光景を天橋立だと思っていたと。
     聞いて絶句!数々のミニ焼きは6,000本の松並木に見立てられます。全くそのものではないですか。「何で言ってくれなかったんですかあ」。思わず叫ぶと、「え!知らなかった?」と追い打ちをかけられて、またひっくり返りました。
     展示に一言「天橋立」と記しておけば、素人の処女作も光って見えるじゃないですか。
     そんなわけで、今回は残念でしたが、4/30「世屋の春を楽しむ会」には、再現させてもらいます。請うご期待!

 山は更新しないでおけばブナ林になります。更新すれば、ウリハダカエデ、しで、コナラなどの広葉樹林が再生します。世屋の山に林業として、入っておられるのはおもに二つの業者さん。山を買っては切り出し、どちらも紙の材料になるチップにするということです。そのHさんとお話したときに、学校の「メタセコイヤ」が話題になりました。
気候に合うのか、雪にも負けずに成長を続けています。大きい!しかも、黄葉するわ 落葉はするわ という針葉樹らしくない針葉樹。イチョウの巨木がグランドにはありましたが、落雷のため燃えてしまいました。 今では、サクラを押しのけてしまって 一番に目につくのです。

雪の中のメタセコイアとおばあさん
 話したとはいっても、それほどの知識もないものですから、・・・・植えられた経緯 誰がうえたもんか、こうなるとは思ってなかっただろう! どこまで大きくなるもんだか、、、舞鶴にもあちこちの公園にもあるようだが、風を受けて根が浮いたら 建物もおこさないか 怖いほどだ。メタセコイヤの利用価値! 材木には向かない チップの材料だな、・・・・等、うわべをなでるぐらいの話でした。
しかし、上世屋を訪れらたお客さんには、休憩所の巨木に触れないではいられない、あらためて、しげしげと向き合って組み立てておく必要を感じさせられたのは、「成果」です。
 ということで、お客さんを想定してのメタセコイア話を一席。
『 メタセコイア! メタってめたほりっくとかいうでしょ めたっていうのは、接頭語。
メタを取ったら なんになります、「 セコイア」、セコイアの話からしましょう、 これ、人の名前なんですって。 シクウォイア。 チェロキーインディアンにそういう名のなんでもインディアンの言葉、文字として残らなかった、アイヌのユーカラと同じですよ、それを文字に表したというとても賢い方です。シクウォイアが、セコイア。分かります?!
セコイアは、トーテムポールにした木。祈りの木ですから、圧倒的な感動を与えなければならないでしょ、その点でいえば、このセコイアはそんじょそこらの比ではない、
まず、 樹高。平均的な大きさは樹高80メートル、これは世界一。胸高直径は5メートル。樹齢も長い。400年から1300年ほどで、2200年のものも知られている。
さらに、丈夫。驚くべきは、樹皮の厚さ。なん30センチにも及ぶということです。この厚みがなんの役目をするかというと、シェルター!木にとって一番怖いのは山火事。その際にも木の内部を守るんですって、この木の皮が。いったことないんですが、 カリフォルニア州レッドウッド国立公園という公園がある。このレッドウッド、赤い木というのが、セコイア。それは、タンニンの色。柿渋ですよね、これがまた、病原菌や白蟻の侵入を拒むというのです。数千年を生き抜く智恵を持った生命力の象徴のような木なんです。
レッドウッドがイギリスでの名。直訳すると赤樹!そのもの過ぎる!ニュアンスを生かして訳しましょうというので日本名は、『あけぼの曙杉』。曙色のような材。イギリス人はレッドウッドとし、それを曙色とした日本人の色彩感の豊かさ。メタ(meta-)とは、ギリシャ語で、「高次な-」「超-」「-を含んだ」「-の後ろの」等の意味の接頭語。そのセコイアにメタをつけてもらって立っているのが、このメタセコイア。まだ四、五十年。ほんの赤ちゃん、これから数千年の歳月を生きて、樹高80m、胸高直径5mの巨木になるのでしょうか。』

■ メタセコイアの歴史 ~ウィキペディァより~
日本各地の新生代第三紀層に化石が見られ、発見者は三木茂博士。1939年に日本の関西地方の第三紀層で。植物遺体が、常緑種のセコイアに似た落葉種だったので、『メタセコイア』と命名した。当初、「化石」として発見されたために絶滅した種とされていたが、1945年に中国四川省(現在は湖北省利川市)の「水杉(スイサ)」が同種とされ、現存することが確認されたことから「生きている化石」と呼ばれることも多い。その後、1949年に国と皇室がそれぞれメタセコイアの挿し木と種子を譲り受け、全国各地の公園、並木道、校庭などに植えられている。愛媛県伊予市の市の木に、滋賀県高島市のメタセコイア並木は日本紅葉の名所100選の選定されている。

冬芽シリーズ3

    ウリハダカエデの冬芽(カエデ科)

秋に綺麗に紅葉する。杉山の山肌を彩ってくれます。    ウリハダカエデの紅葉                                       

                                                  

 

カナクギノキ(クスノキ科)

   樹皮はさびた釘みたいになるところから名前がついたとか・・・
   秋に黄葉します。

  ツノハシバミの雄花序(カバノキ科)

    秋に面白い角の実をならせる。      

                                               ツノハシバミの実

    

               

                                                                   

  春の訪れ・・・根開き

 樹木の周りの雪が溶けて春を知らせてくれます。                                           

3月20日大江山スキー場でガイドの安全に対する心得と応急処置を学ぶ講習会がありました。山岳ガイドの高崎洋一朗氏を講師に10名(世屋、橋立部会の方も)参加で救急用品、対処の仕方など大変有意義でした。

              高橋さんより説明を受ける。


救急用品1


救急用品2

次に実際に骨折した時の対処方法

              腕を骨折、副え木をして三角巾でつるす。

              肋骨の骨折、三箇所を三角巾で締める。


崖の下で足をくじいて動けない人を引き上げる。


皆で引き上げる。

そのほか倒れた人をストックとリュックでおんぶして運ぶ。
または、カッパを使ってリュックで運ぶなど身近な登山用品で楽に背負えることを学びました。

 

天橋立でビーチコーミングしてきました。3人でゴミはゴミ袋へ、みつけた宝物?はナイロンの宝袋へ拾い分けて1時間あまり、小天橋がすっかりきれいになりました。宝袋の中身は、貝殻、板きれ、木の棒、ビーチグラス(波に洗われて丸くなったガラスのかけら)などなど。冬の貝殻は強い波に洗われてきれいです。小天橋(しょうてんきょう)の浜にはナミマガシワが多く、たくさん拾いました。

ナミマガシワ(なみまがしわ科)は2枚貝。ほかのものに着生(ちゃくせい)するので形がいろいろ。2枚貝には左殻と右殻とあって、ナミマガシワは左殻が少 し大きい。穴が写っていますが、この穴から足糸を出して、さらに石灰質を分泌してくっつくところを築いて付着します。穴のある方が下ということです。

浜辺に散らばっているのはたいていが左殻です。内面が真珠光沢で艶々としてきれいなのでそれを生かして作りました。形の変化を利用し、色の組み合わせを工夫して少しいびつに作ると、花に動きがが出てきて楽しいものだから、たくさん作ってしまいました。みなさんも、薔薇づくりに挑戦してみませんか。

天橋立ガイド部会では、6月「ビーチコーミングしてビーチクラフトしょう」講座を開きます。申込、まってまーす。

先週に引き続き冬芽シリーズ

杉山の冬芽

ナナカマド(バラ科)の冬芽。大きな赤い芽が特徴・・・名前の由来は7度竃に入れても燃えないということから
5月~6月に白い花をつけます。

クロモジ(クスノキ科)・・樹皮の黒い斑点を文字に見立てた。
香りが良いので皮付きのままお菓子の爪楊枝に使われます。

出会いです!

このホームページを見られた方が、昨日宮津市役所にお越しになりました。

宮津市にお住まいで、退職後、蝶を追いかけて全国・世界を飛び回っておられる方です。美しい蝶の写真をたくさん見せていただき、これほどの種類が大江山や世屋で見られることに感動しました。

(上写真:「元気蝶」ブログより掲載 )

蝶は、種類によって蜜を吸う花や卵を産みつける植物が決まっていることが多いとか。そうした植物は人の手の入った里山などの環境に多く自生しているとのことです。「蝶がやってくる環境は、人と自然が共生してこそ守られる」とおっしゃっていました。

現在、ガイド部会では、ガイドエリアの草刈りやもともとあった植物を増やす活動などの環境整備に取り組んでいます。

たとえば、世屋では、カワラナデシコを里山の保全性を示す指標植物に位置づけて保全に努力していますし、上宮津では宮津街道石畳道の整備や、大江山植林活動に参加して広葉樹の豊かな森を取り戻す活動をしています。

こうした活動は、ガイドにとって、エリアの理解を深め地域に愛着を持つという目的があり、また地域の皆さんに生活エリアを見せていただくことへの感謝の気持ちとして自主的に行なっているものです。そして、さらには植物、そこに生きるたくさんの昆虫や動物を守ることにつながっています。

大江山や世屋にどれだけの蝶が生息しているのでしょうか。まずはガイド部会と交流の場を設定させていただきますね!!

◆「元気蝶」ブログ:エコツーリズム推進協議会事務局にいただいた画像がこちらで見られます。

デジブック『 季節のチョウが舞う 』(京都北部の蝶)
http://blogs.yahoo.co.jp/genpapi 

宮津・長江の磯野ワカメのうまいわけ!
~ワカメで三度ビックリ~
「早春の宮津・長江の磯野ワカメは絶品です。」
そんな話をAさんに話したところ、彼曰く「そういうのは、日本人と朝鮮半島の人達だけだよ。」と。世界共通に食されているわけではないのだというので、まずビックリ。生育するのは、日本でいえば日本海側では北海道以南、太平洋岸では北海道南西部から九州にかけての海岸なんだそうです。イギリスでも、中国でも、フランスでもロシアでもこれを食べる習慣はない。ないものは食べない、それはそうです!
食べるどころか、世界的には、歓迎されていない。本来なかったものが新天地を得て爆発的に生育環境を広げ、生態系を脅かすものを侵略的外来種といいます。ワカメは、くるなよるなとブラックバス並の扱いを受けているというから、二度めのビックリ。しかも、「世界の侵略的外来種ワースト100 (IUCN, 2000)」に 選定されているほどのレベル。事情を聞くと、船が運んだ、いわゆるバラスト水というやつ、日本や韓国沿岸の港の海水を積み込んだ船が世界各国の港でそれを海に捨てるのです。その水の中に、胞子が混じり込んでいるのが繁殖している。命は命を提供しあっています。ワカメを食べるものがいない環境に運ばれた胞子もかわいそうです。「ダメだよ、広がり過ぎちゃ!私が食べてあげる」という方がいらっしゃらないでは、増え放題、嫌われ者になるしかないではありませんか。
さて、ワカメを共通に食する日本と韓国とでも食され方に違いがあるます。国民一人あたりの年間ワカメ平均消費量、それを比較した統計があるそうです。では、・・・(ガイドはここで答を言いません。)多食するのは、韓国。実に日本の三倍。女性が妊娠したり出産すると、ワカメスープを毎日たくさん食べるということ。 魚でも何でも、天然物とか養殖物とではかブランドに差がありますが、韓国のワカメは特に天然ものが貴重視され高値で取引されるそうで、天然ワカメが取れる磯や海域は畑や田と同じ不動産扱いというから、三度ビックリ。

山から海への恵み

同じ天然といっても、いいものが育つには、自ずからいい環境が必要です。 長江の磯は、豊かな森を背後に背負い、波見川や世屋川でつながっています。ワカメは秋に発芽し、2月ころから胞子葉を形成し、雌雄の配偶体を成長させ、走遊子を放出後、夏には枯れます。窒素やリンなど栄養を必要としているのがちょうど今、雪解けの水が、森の恵みとして運んでくれているのです。つまり、宮津・長江の磯のワカメと世屋の森のミズナラやシデやブナとは恋人同士!

韓国の森は、戦争で痛めつけられていたり、木を多用する生活様式もあって、日本ほど深くないということを聞きます。韓国だったら、長江の磯のような環境はさぞかし大事にされ、高値で取引されることだろうとか、わかめの栄養成分に関して、高血圧、抗ガン成分など優れた食品であるという研究が進んでいるということですから、それを積極的に紹介して、世界の侵略的外来種ワースト100 の汚名をすすいでやってほしいものだとか、ポケットにたまたまあったなけなしの500円玉が巡り合わせてくれた極上の味をもう一度蘇らせている次第です。

[起]NHK六時過ぎの番組、「今日一日」の「旬を彩る今日の料理」を「それもええやろけどなあ」と思いながら視ています。「これもええぞ!」[承]宮津・長江の「初生ワカメ」とユズポン酢(富士酢に限る)に三宅醤油を少し混ぜ合わせた三杯酢和え・・・。アクのないまろやかな味は、丹後の海の味、世屋の雪の味そのもの。

 私は、何を食わせてもあかんと嘆かれる味音痴です。たいした違いはないと質より量派。この私を、「こんなうまさは初めて」と感動させる絶品です![転]~N君すぐ℡!『東西新聞文化部・山岡士郎君』へ。「だまされたと思って まあ食べに来なさい、わたしあんたをだましたことある?じつに美味しいものだから」と。~実は、干しているおばちゃんに勧められた、「買ってもらえんか、だまされたと思って まあ食べてみなさい食べ方はこうこう」って、500円玉と交換したのです。地元の方が美味しいというのは本当です。
[結]長江では、雲の切れ目の晴をねらってワカメ乾し。その下に、スイセンの群咲き。知る人ぞ知る宮津の春の一コマ。

長江の地滑り防止壁に咲く水仙

 また寒波。テレビでは、新潟上越で「雪解け水を原因とする地滑りがとまらない」と報じています。、これは木子、松尾、上世屋もよそ事ではない事態です。前年は今頃一晩で15センチ積もったと小川雅道君。三八豪雪でも、翌年は、45cm。連続していないのです。去年今年と二年続けての豪雪です。去年は雪解けのあと地滑りで道がブナ林への道が封じられました。雪解けを注視しなければなりません。

3月10日、京都府立丹後郷土資料館(ふるさとミュージアム丹後)で、柿渋の型染め栞作り体験をしてきました。現在開催中の企画展「みせます丹後のお宝-丹後の暮らしと柿渋-」に合わせて、柿渋の効果を体験的に知ってもらおうと実施された講座。20人近い参加者に交じって体験しました。

1)染め抜きたい絵柄を下書きし、カッターで切り抜きます。(左:桜の花びら)

2)栞の台(厚紙に和紙を貼ったもの)に(1)の型紙をあて、上からふ糊を塗ります。下の写真で浮き上がって見える桜の花びらは糊です。

3)その上から柿渋を塗っていきます。そお~っと、優しく優しく。

4)ドライヤーで乾かします。

5)しっかり乾いたのを確かめてから、水に濡らした平筆で糊の部分を落としていくと、型抜きした部分だけ白くなるはず…。

だったのですが、乾かし方が足りなかったのか、にじんで絵柄が白くなりませんでした・・・。お隣の女性の方が「柿渋を塗ったら、すぐにドライヤーで乾かしたほうがいいみたい。ほっておくと裏面から和紙ににじんでしまうみたい。」とも言われました。

リベンジしたのがこちらです。世屋の柿渋作りの師匠からは、「どじょうかぁ?」と笑顔で。

いいえ、ど、どじょうではありません。。。

ムーミンシリーズのニョロニョロなんですが・・・。

師匠に教えてもらったシナ縄を穴に通して完成!ありがとうございます。

◆丹後郷土資料館の企画展 ぜひお越しください。

http://www.kyoto-be.ne.jp/tango-m/cms/index.php?page_id=0

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