宮津エコツアー · 8月 2012

8月 2012

2012/08/21

花筒がつぶれたような避けたようなはな、ウバユリ。


花が満開になる頃には葉が枯れてくる事が多いという花と葉の関係から、ウバという言葉が連想されたといいます。

おもしろいのはそこから。
ウバには「乳母」「姆」と「姥」の意味の異なる漢字があるのです。「姥」は単に年老いたという意味に対して乳母や姆は、育てるという意味が強いです。

意味が違うと解釈や想像もまた異なってきます。葉と歯をかけたという単純な理解から子供を育て上げた母の姿という理解まで、その幅広さに対応する柔軟さが頭の体操になるのでしょう。


休憩所に上がる野菊の坂で見られます。

2012/08/21
ま、とにかく沿道にはよく目立ちます。からすざんしょ ねむ、あかめがしわ、やしゃぶし クサギ。かっては、「はげ縛り」。最近では、パイオニア植物と呼ばれます。地滑り、山火事などでできた新しい裸地にいち早く進出し、自然が森林へ戻る条件を作ってくれるたくましい樹木たちです。道路開設、耕作放棄など人為的自然破壊にも対応してくれています。
八月中旬からこれに加わって花が目立つのがタラノキ。

この木は、人との関わり方の深さでは、他の禿げ縛りとはちょっともソットも違うようです。

美味い、滋養がある、薬用成分を含んでいる、食用、薬用の面から飛び抜けているのです。

糖尿、腎臓、胃癌も効くなどと宣伝されました。獣にも人にも見つけられたら最後、よってたかって採取される、刺の鋭さは、その防衛のためかもしれません。サンネンウヅキと呼んで、扱いに注意を払いました。


ちなみに、 植物研究家の和泉晃一さんは、タラの語源を此の刺に注目して、 手を傷つける、手を荒らす、そこで、「手荒らし」の木。それが二重母音を避けたり、末尾が脱落して「たら」に変化したという説を唱えていらっしゃいます。

大豊作! たわわなヤマナシ。天橋立公園内ただ1本のナシ大木。

ここは天下の特別名勝「天橋立」。ナシの実に袋掛けやネット保護、麦わら帽子の案山子(かかし)さんの出番はありません。人間が垂涎(すいぜん)のまなざしで見上げていても叶いません。

やがて熟した暁には・・・全方位鬼門。カラスの思うツボ。あゝ・・・自然とは、自然保護とは。

※6/25既報 丹後地方では、江戸時代の北前船就航以来、「ナシ」は鬼門ナシに通じるといって好んでナシの木を植えました。

 

6月24日

8月10日

遂に、「鬼」のカラス出現  8月18日

カラスの高笑いが聞こえそう

2012/08/21
快晴といっても、薄雲の一つくらいはあるもの、雲のかけらもないスーパースカイブルー!

そんな日は滅多にあるものではありません。(↓ 五十河から半島中央高台方面)


今日の空は、文字どおり雲一つなく晴れ渡っていました。

水の輝きも透明さも格別。

水の命が、(↓ 中央右寄り 丸いもの 亀)

警戒を解いて姿を見せてくれました。

2012/08/21
田んぼの中から、憂いをふくんだ力のないホオズキをならすような鳴き声!ヤマカガシに捕まったカエルの出す声です。

カエルを助けてやれば「カエルの恩返し」。宝くじに当たるかもしれない。

一方、ヤマカガシからいえば運良く捕らえた獲物。ヤマカガシの祟り、車にあたるかもしれない、

というわけで、感情の入る余地のない自然の日常を、そっと記録させてもらいました。
ちなみに、ヤマカガシは写真のようにカエルを飲むときは、後ろから飲み込むことが多いということです。強力なバネの後ろ足を押さえ込めば勝ちということを知っているのです。また、「かがし」というのは、蛇を意味する古語。里山でよく見られる代表的な蛇という意味です。

 

2012/08/20
「もういねかりせんなんわなあ」
ーそうだっちゃあ、わやなこったー
「わやなことあれへんわなあ」
スーパーのレジでのお客さんと係の姉さんとの会話です。
熱波の夏の米作り、ここまでいもちなど病気にかからずにきました。カメムシ対策の草刈りも。収穫まで、全体の五分の四あたりまできたのしょうか。あと20日ほど!


しかし、ここへ来て、色ずくイネをみて舌なめずりをしているのが、イノシシやイナゴたち。


さてそのイナゴ、世屋では「ものすごい数だぞ」  ということ。イナゴは実に送る栄養を作る大切な工場、イネの葉が大好物。トウモロコシにも群がって葉を蚕食されたなど緊張が走っているということです。
光っているのが、イナゴ。確かに多いです。

ちなみにそのイナゴ。まず生育史。
「1年に1回の発生。、夏から秋にかけて現れ成虫は、秋ごろ畦や土手の地中に産卵。卵で越冬し、5~6月に孵化(ふか)、6~7回脱皮をし、7~9月に成虫になる」
次に、漢字、イナゴを虫の皇、と書くのは間違い。アフリカや中国で大群生して、作物を食い荒らすバッタを飛蝗とかき、日本ではトノサマバッタにあたります。ちなみに大群生の襲来を蝗害といい、その時は、 1平方メートルあたり350~500匹に及ぶとのことです。
三つ目、イナゴは、甲殻類、農村の大切なタンパク源、カルシーム源。漢字で書けば、「稲子」。オかエビと呼んだ地方もあったということです。
Mさんに調べていただいたイナゴ食は、1日置いて糞を出させる、寄生虫対策のため湯がく、などの下ごしらえがポイントとのこと。そのあとは味付けしながら炒めたり焼いたり。「コナギ」の次は、どうやら「いなご」食。

イナゴ自体、1950年代以降パラチオンなどの強い農薬が普及し発生数は激減しています。春先に畦をドロでぬり固める作業を行いますその作業は、イナゴの卵を土の中にうめ、、イナゴの発生を押さえる意味もあるということです。その中での今回の発生、省力化や殺虫剤を用いない環境の中で、年々増えていたのかもしれません。

農薬に頼らない人間にやさしい農業は、思いもよらない問題の発生を想定しなければなりません。効く薬がないわけではありません、それでも控える!そのためには、地域のコンセンサスが何より大事。

心和む景観と、生物の多様性、そして安心安全なこめの信頼はそういうことに対処しながら築かれていきます。

2012/08/20
割れた実、ほわっといずでぃす?

このライトグリーン。何かに似ていると思いませんか、そう、アボガド。これはタブノキの熟した実です。 クスノキ科タブノキ属は、アボカドと近いのだそうです。


浜野厳次さんは疎開の思い出の中で、村の子供たちが食べていたのをもらって食べたとかいておられます。    hirokohji.blog.ocn.ne.jp/koblog/2011/04/post_eccf.html –

枝葉は、杉葉と共に線香に使われる。杉葉が仏壇やお墓用なのに対して、タブは、白檀(びゃくだん)や伽羅(きゃら)といった香木の粉末や他の香料を混ざった甘い香りの線香の材料にされています。
世屋での生育は、下世屋の入り口までのようです。

2012/08/19
丹後各地の地名について考察した書澤潔さんの『探訪 丹後半島の旅 地名語源とその歴史伝承を尋ねて』(文理閣)は丹念に足を運んでの考察だけに、その説得力は大変なものです。
澤さんは、「世屋」について、次のように述べています。「世屋とは、狭谷(せや)のことである。宮津湾にそった日置から、文字通り狭い谷を遡ると、下世屋、松尾、上世屋と秘境が続く」と。


多少疑問はあります。狭い谷というのは、龍渓の特徴であってもせや全体の特徴ではない。世屋の特徴は高原ではないか。狭い谷を遡った順が、下世屋、松尾、上世屋というのもおかしい。上世屋や木子の人たちが、宮津へ出るのに逆のコースをいったかというと、それは最近のこと、大正年間までは駒倉へでて、内山へ行き、五十河、岩滝経由でいきました。で

下世屋・畑・松尾・駒倉・木子などの里の人たち全体を納得させる力がない!けれども、そこは澤先生。反論の根拠がありません。今日まで、そう信じていました。
しかし、この景観をみて、ちょっとまてよと思い始めています。


縦貫林道成相線から天の橋立左側を見たものです。

説明してみます。左の付け根には、元丹後の国府・府中。背後に緩やかな角度でつながっている山が世屋の山々。
この景観に込められた歴史的な位置関係に語源があるのではないかと。
上世屋の立村は704年真応上人による観音様の発見がきっかけとされています。
704年というと、律令制度の完成期に当たっています。
日本史上最初の戸籍とされる庚午年籍が作成されたのが、670年頃。その戸籍をもとに、
1.豪族らの私有地を廃止すること
2.中央による統一的な地方統治制度を創設すること
3.戸籍・計帳・班田収授法を制定すること
4.租税制度を編成すること
などが整備され、その本格的律令法典として登場したのが、701年に制定・施行された大宝律令。
府中には、その律令に基づき国司が政務を執る令制国の中心地・国府のあったところ。
741年(天平13年)、には、僧20人をおく国分寺建立の詔が出されています。
「せや」という地名は、戸籍・計帳・班田収授法を制定する過程で生まれたのではないだろうか、という思いつきです。この国府に関係した役人が世屋という名を命名したと仮定すれば、国府の背後の山の里、という意味で、背後の山、つまり背の山、せのやま、のとまを省いて、せや。
地名には縁起のいい意味の漢字を当てよという号令が和銅年間に出されています。そこで、せは背でなく世、やは山でなく屋。こうして今の「世屋」が誕生!

こう考えたのですが、とお伺いをすべき先生は、もういらっしゃらない。

ちなみにこの景観は、丹後一宮から丹後二ノ宮へ辿る大内峠付近から見ることができます。

ここは、与謝野鉄幹氏も訪れ、そのさい詠まれたの歌の碑が建っています。


楽しみは大内峠にきはまりぬ
まろき入り江とひとすじの松

 

 

2012/08/19
大気が不安定になると天気予報。

(↓ 溝尻付近 15時45分)

雲の出来方には、熱しられた空気が上昇する場合と寒気と暖気とが衝突して、乗り上げたり、潜り込んだりして空気を上空に押し上げる場合との二つがありますが、今日は後者。 竜巻、突風、雷、大雨、洪水など注意報、警報が出されるのもこのときです。「乱」の時です。
しかし、雲をウオッチするのもこんな時。風と空気と光が空に描き出すショー、見に行かないわけにはいきません。

岩滝・一文字観(↓ 14.12)

溝尻付近 (↓ 15.45)

 

日置付近 (↓ 16,05)

上世屋 (↓ 16,26)

上世屋・岡の前 (↓ 17.00)

岡の前 (↓ 17.35)

日置 (↓18,18 )

 

江尻付近 (↓ 18.36)

(↓18,38 )

2012/08/18
Mさんが大切に育てているのは、キャベツ。


(↑ 2011,4.14)

大きくなりました、けれど、、、?

(↑ 2011,7.9)

こんなにしてしまったのは、モンシロチョウくん あんたか、


(シロウマアサツキの蜜を吸う)

私じゃないわ
じゃあ、モンキチョウ君  あんたか、


めっそうもない、、、、!
どちらかが嘘をついています。さて、犯人は、モンシロチョウです!
キャベツはアブラナの仲間です。菜の花もそうです。アブラナを食草にするのは、モンシロチョウ。
一方、モンキチョウの幼虫の食べるのはマメ科の植物。クローバーや合歓、クサネムなど。

どちらも同じ「、チョウ目(鱗翅目)アゲハチョウ上科シロチョウ科」。けれども、幼虫の食べ物は全く違うのです。進化の過程で、環境に適応するためにそれぞれが身につけた知恵です
モンシロチョウくん、

Mさんは怒ってないよ、農薬も撒かないよ、農薬と放射能は洗っても落ちない、けれど、泥と青虫のウンチは洗えば落ちる、って。

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